♪「神は死んだ」
この日の私の席はR列センター。S席の最後尾で、うしろは通路です。
はっ!と気づいたら横に大きくて黒いひとがすすすーっと歩いているではないですか!(センターと下手間の通路を歩きますヨ)
だーっ 伯爵だっ 祐一郎だっ と一気にボルテージが上がり、息が苦しい・・・し、死ぬ。だめだ、まだ吸われてないのに。まだ死ねない。
いつもいつも書いてる気がしますが、祐一郎ってダンスはどっこいしょなのに、歩く姿がとってもキレイなのです。背筋が伸びてるんだなー。
歌ってないのに、もう腰砕け寸前でした。
そうして。するするするっと舞台に上がり、「神は死んだ」を静かに自身満々に歌います。
「ひところ私が呼べば 鳥篭を抜け出すだろう 誘惑に目が眩んで
/お前はもう逆らえない この私の思うままだ♪」
どうですかこの自信たっぷりなお言葉。すっかり私もサラ気分。あなたに連れ出されたいんですけど! 電話番号も渡すんですけど・・・
こんなこと言われたら逆らえませんとも。
篭から抜け出すために、大胆に破滅的行動に走りかけるサラ。そうそう、あんな素敵なひとに誘われたら身を投げ出してしまうわ! 当然だわっ
で、伯爵がすうっと消えたあとには、スイッチを押されちゃった気分でした。ハートに火を付けて♪・・・
この時の気分をいうなら「緊急事態発生中 総員直ちにレベル1の体制を取れ」みたいなコールが脳内で起こってましたねぇ あぁぁ 呼吸するの忘れそうだった。
♪「お前を招待しよう」
初日のレポを我慢できずにささっと読んでると「クレーンが」「もみあげが」って言葉が飛び交ってました。・・・・どちらも嫌な予感がするわ。
その正体はここで明らかに!
巨大リー君! えぇぇー?
おんぼろ雨傘を背負って壁を突き抜けて風呂場に登場するの? 初対面が風呂場破りってどうなのさ。変態おやじになちゃうよう。
ここで素直に悟りました。孤高のヴァンパイアだとか言ってるけど、実はこっそり笑い追求してるんだな、と。違うのかなぁ? 怖いより、とうよりも、何て大仰な誘い方なんだと可笑しくて~(かわいいんだからー)。
で、さらに「もみあげ」もオペラでしっかり確認しました。モミーの先が口に入りかけてます。やはり寒い地方のひとは毛が大事だから・・・と納得。似合う似合わないは関係ないのさ。ま、たぶん無いほうがすっきして美伯爵になるとは思うんですけれども。
そんな邪念もありつつ、サラを誘惑する伯爵はオトナ♪ 知性も経験もあるオトナなのです。憧れの方。
あと手がきれいでうっとりでした。汗ばんだりしなさそうな(妄想)、ひんやりしてそうな。
何だろう、サラを愛してるって雰囲気は「神は死んだ」のときのほうがあったかも。こちらは愛してるんだか、血がほしいからなのか。
手練手管に長けたおじ様が純情娘にちょっかいだしてるの図、か(剱持サラだときっと雰囲気がまた変わりそう)?
はい、で、また大仰な(だけど豪華に見えない)乗り物にのってお帰りに。あははは! またね!
♪ようこそ~
サラを追いかけてついに伯爵の城へたどり着く教授とアルフレード。二人を迎えるクロロック伯爵と息子のヘルベルト。
こんな楽しそうに絡む祐一郎を見れるなんて、TdVばんざーい!
市村さんはがっしり受け止めてくれるぞ、っていう安心感が漂ってるんだもの。祐一郎の表情がくるくると変わって、笑顔満載。私も幸せ~
わざと正体を示すように「夜型なもので」ってセリフの顔も楽しそうでした。彼ら永遠の命を持つ者たちは「たいくつ」してるのです。だからこんなイベントを喜んでるんですね。
だって片眉をきゅっとあげる表情とかですヨ。いますぐ床を転がりたくなるくらいチャーミングな表情だったんですから。私の心のアルバムに貼り付けました。
細かい笑いがたくさん。伯爵はサラには男っぽく迫ったけど、ここではかなりエレガントです。・・・しなしなしてるというか。もうっ 素敵!
ヘルベルト吉野さんのくねくねっぷりは見事で、それだけで笑いを取れるなんて、さすが役者。笑いをとろうとしてない感じがよかったです。くねくね。
1幕ラストでは、城にいるさまざまな時代の衣装のヴァンパイアたちが静かに歌いだし、ついで伯爵が階段から(きれいな螺旋じゃなかったけど、あったあった。階段~)、舞踏会の生贄は娘♪と高らかに舞踏会を宣言の歌。サラーっ 吸われちゃうよー。
うはははは!(伯爵)
祐一郎・・・、面白いわ、その笑い。会場では遅れて、はははと笑いが起こったのよ。
伯爵にあわせ、ヘルベルトもがーっとお歌いになりました。足のポジションは完璧な吉野さんなのでした。素敵よーっ
ヴァンパイアの生き方を威厳たっぷりにアルフレードに向かって歌いあげる伯爵、すっかりアルフレードは伯爵のとりこ。
彼にとっても「ろーんり、ろーんり(論理)♪」の教授とは全然違う、お手本が目の前に現れたんですからねー。すごくおしゃれで色気もあって。
1幕ラストの長い歌のラストは、祐伯爵がこれでもかーっというバズーカで会場中を震わせ、圧倒。で、オケがダダダーーン!ダダダーーン!ダダーーーン!と応えて、もう魂持っていかれたわの状態で休憩タイムです。
壊れかけのクロリンさんと、壊れた会話を。楽しかったです!
はぁ・・・とため息をついて、この1時間に現れた伯爵を反芻してました。会えてほんとに嬉しいよー。
歌にもエリザの時のような余計なエコーがかかってなくて、嬉しいし。緩急つけた歌い方は、お稽古十分と伝わりました。
あ、でもやはりまだスタートしたばかりなので、丁寧に歌ってます。徐々に他のキャストの方たちと、歌を自分たちのものにしてくれるでしょう。
その変化も楽しみに、2ヶ月間を幸せに過ごしますっ
あ、演出家の山田さんがご自身のブログで
今日は浦井アルフレート&大塚サラの初日。昨日とは違って、今日のお客様はリラックスして、序盤から積極的に楽しもうという雰囲気であった。そのお陰もあってか、舞台は昨日以上にスムーズに流れた。アルフレート&サラも重圧を跳ね返し、見事な初日であった。SHOW GOES ON!!
と。やはり初日はキャストも客も緊張ですもの。いい具合にリラックスな2日目に観劇できました。
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