劇団四季のオリジナルミュージカルの作曲をいくつも担当した三木たかしの追悼の2幕。この曲も、これも!という驚きでした。体にすーっと沁みこむメロディ、恐るべし。
オリジナルミュージカルからは『夢から醒めた夢』『異国の丘』『李香蘭』『ユタと不思議な仲間たち』の曲が選ばれてました。さらには、歌謡曲・演歌から、アンパンマーチと「ふり向くな君は美しい」まで。
■さくらの花よ 泣きなさい
3階席から見ていた私、舞台の真ん中でギター抱えて歌ってる俳優さんが(飯田達郎さんだったと思いますが)歌ってると思い、こ、これは無い!この気持ち悪い歌唱は・・・と失礼ながら、びっくり。情感たっぷり風、すきま風みたいな声に驚き、この調子で2幕が進むとツライ。と真剣に思っておりました。
で、歌い終わったところで井上智恵さんが、これは三木たかし先生が歌った声です、と。
よかったー。先生、歌手じゃなくてよかったですよ・・・とひと安心。
■何か起きそうな~予感がする~♪ 呼吸を整えて~ レッツダンス、レッツシング♪
『ジャックと豆の木』からの曲。楽しい曲だったー。阿久津さんがリードVo.で歌ってくれました。
■「煉獄のおいらたち 暴走族/ヤクザ」「夜桜お七」 は、チョウかハンか!の賭博場をモチーフに。
優等生が学芸会でヤクザものを演じている雰囲気があり、まぁ四季にはあまりしっくりこない方向だったと思います。私個人にヤクザもへの興味がないうえ、四季メンバーには退廃というか、やさぐれ感がないのでした。健康的よね。
「引き裂かれた心」「花の時・愛の時」「香蘭と杉本の別れ」ではオトナなダンスと演出。
「花の時~」では、男女2ペアのダンサーが、鏡のような動きで表現。ダンサーの技術も素晴らしいのですが、表現が全体的に昭和な舞台演出で、こういうのはいいわねーとうっとり。70年代の少女マンガ見てるような気分になれました。いいわー。
「香蘭と杉本~」 いやー、『李香蘭』見たくなりました。
得意分野に関しては、全く心配いらない堂々たる演技と歌であった。当然ながら、杉本には阿久津さんが。またもやカッコ良さに倒れそう。
■アンパンマンのマーチ
ええ! これも三木たかしだったのかー。Wたかしだったのね(作詞はやなせたかし)
美しい声で、歌われるアンパンマンマーチ、なぜか涙が溢れる・・・ 今年、この歌は今までとは違う力を持って、心に響きました。いい歌だよー、ほんと。
■おれたちゃペドロ一家
ごあいさーつ、ごあいさつ♪ ガニマタで歌う阿久津さん。どんな役でもきらめくわー。
■ふり向くな君は美しい
えええ! これも三木たかしだったのかー!! うーむ、大作曲家先生です。
高校サッカーで知られるこの曲を、なでしこジャパンを思わせる女子サッカーの対戦という演出で。黒子さんがサッカーボールを魔球的動きで見せており、面白かった。
敗者に向けた歌っていうのが、また日本っぽいなぁ これまで頑張ってきたことを讃えてくれます。あ、学ラン応援団も良かった。
■「時の流れに身をまかせ」「津軽海峡・冬景色」
アンパンマンもぶっとぶくらいの演歌組みの影響力・・・ 幕が降りての帰り道、脳内では阿久津さんが仁王立ちで「津軽海峡~♪」ばかりが流れるのでした。
日本語の音の流れを阻害しないメロディなのでしょうね、ものすごくすーっと耳に、心に入って来るわ。
2幕はNHK歌謡ショウみたいだった・・・ 前回のSong&Dance 55steps では、カッコいい!という流れだったので、違いにびっくり。
三木たかし、という作曲家をパートナーに作った、四季のオリジナルミュージカルが傑作だということも再認識できました。心を表現する作曲家なんですね、きっと。カッコよさではなく。
■オトナ向き。今回の演目は、なかなかオトナ向きだったかもしれません。
ダンスシーンの演出や、曲目も、派手さはなくて、舞台を見慣れているタイプの人にちょうどいいものが多かったような。
こういう地味目なのも、いいもんだ・・・
さて、三味線や和太鼓、ポールダンスで努力賞でしたが、プロレベルではないので、まぁお祭りだからね・・・という感じ。私、意地悪いのかしら。ここで三味線弾くより、生オケでお願いします。ぜひ。