Grand Hotel 1932 アメリカ
監督/エドマンド・グールディング
第5回アカデミー賞受賞。
出演/グレタ・ガルポ ジョン・バリモア ジョーン・クロフォード ウォレス・ベアリ ライオネル・バリモア
1月に日本でミュージカルがあるので予習がてらビデオ観ました。1932年=昭和7年 わ、満州建国と5・15事件ですね。ちなみにミッキーマウスもこの年アカデミー特別賞受賞してます。
この映画の後、ひとつの状況や場所のなかで交錯する人間模様を描く形式を“グランド・ホテル形式”というようになった記念碑的作品。来春公開の『有頂天ホテル』はまさにこれ、三谷幸喜もこの形式が得意です。
当時のMGM2大スター、ガルボとクロフォードをキャスティング。しかし仲たがいしてたんで二人が一緒に映ってるシーンはないんだって。あらら。しかし二人とも極めて美しい! そしておそろしいほど細い~
カッコ内は舞台での配役デス↓ミュージカルでは役名がちょっと違うとこもあります。
客入りが悪く気がふさいでいるバレエダンサーのグルシンスカヤ(前田美波里)、遊びすぎて破産しかけのため彼女の真珠を狙うガイゲルン男爵(岡幸二郎/大澄賢也)、事業が危機に瀕しているので合併しようと画策する社長プレイジング(田中健)、彼に雇われた美人の速記者フレムヘン(紫吹淳)、あとわずかな寿命だと宣告され、残りの人生をグランドホテルで豪遊しようとする会計士クリンゲライン(小堺一機)。メッセージはいつもなし&顔に傷ありのオッテルンシュラーク博士(藤木孝)、ホテルマン(パク・トンハ)。
スタートの電話交換手のシーンから、お洒落! 様々な人間がある時期だけ滞在する場所、というのを見事に見せます。そして登場人物たちの抱える問題がこの電話の場面でぱっと浮き上がってくるんですね。うーん、ナイスアイデア。
Grand Hotel... people coming, going nothing but...
ストーリーで大きなものは、
①グルシンスカヤと男爵の恋 ②病気のクリンゲラインが男爵やフレム、自分の人生を楽しもうとしていくさま ③フレムヘンと男爵、フレムヘンとプレイジングの関係
というあたりでしょうか。中でも男爵はみんなを繋ぐ役どころで、なおかつ自分も借金取りに督促されている忙しい役です。遊びすぎて破産してしまった男爵、ホテル泥棒をはたらいているくせに基本的にはジェントルマンでしかも女好き。
真珠を狙ってたのに恋に落ちちゃって、グルシンスカヤの孤独を慰めて愛を語る場面なんか、もーうっとり。ただこのときジョン・バリモアは50歳、もうちょっと若かったらいいのになぁ 若い速記者とバレリーナに愛されるにはねぇ 40くらいがシャープな雰囲気が残って良さそう・・・
わざとなのか、なんなのか、話す時の顔の距離が近いのがコワイ~ 男女なら、おうチュウだわと思うけど、男同士でも近いんですよ。この時代の距離感なの? 画面構成上、近づいてただけかなぁ
で、けっこう死とか重いテーマもあつかうのに、さらりと終わる演出に拍手。
Grand Hotel... people coming, going、nothing but...
ドタバタしてた死にかけの会計士が一番ハッピーになってドアを出て行きました。さらに残る者、去る者、一時だけの出会いと別れ・・・ 大人な映画です。
これがミュージカルになってるなんて素敵☆ 1月を楽しみに待とう。
特に大活躍のバロンを演じる岡さんが楽しみで。色気ビーム出してくれるよね。きゃーっ 大澄賢也も制作発表のビジュアルでは良かったですし。それにしてもチラシの岡さんの表情、面白いですけど、ぜひ大人の色香を振りまいていただきたい。本番ではどんな男爵にしてくれるのでしょうか。前田美波里に負けない存在感でお出ましくださいまし!
そうだ、出演者にバリモアが二人いますが、死にかけ会計士役のライオネルがドリュー・バリモアの祖父で、素敵な男爵役のジョンは、ライオネルの弟(ドリューには大叔父さん)です。すごいですねぇ、若い頃のジョンは、素敵な横顔と評判だったそうですよ~ 兄弟あまり似た感じはしなかったな・・・