2018/12/30

2018 観劇まとめ

2月
『ブロードウェイと銃弾』@日生劇場
3月
『マディソン郡の橋』@シアタークリエ
『ラ・カージュ・オ・フォール』@日生劇場
『ポーの一族』@札幌シネマフロンティア(ライブビューイング)
5月
『モーツァルト!』@帝国劇場
『ヘンリー五世』@新国立劇場 中劇場
『ソング&ダンス 65』@札幌市教育文化会館
6月
『シークレットガーデン』@シアタークリエ
7月
『サウンド・オブ・ミュージック』@北海道四季劇場
8月
『メタルマクベス disc1』@札幌シネマフロンティア(ライブビューイング)
9月
『ゴースト』@サンケイホールブリーゼ(大阪)
10月
『生きる』@赤坂ACTシアター
『タイタニック』@日本青年館ホール
11月
『メタルマクベス disc3』@IHIステージアラウンド
『マリー・アントワネット』@帝国劇場

12月
『ファントム』@札幌シネマフロンティア(ライブビューイング)
『サムシング・ロッテン!』@国際フォーラム
『メタルマクベス disc3』@IHIステージアラウンド

【舞台以外】
『Kenji Urai heartful  (浦井くんFCイベント)』@舞浜アンフィシアター
『Mon STARSコンサート』@オーチャードホール

【音楽】
『及川光博 ワンマンショーツアー2018』@札幌市教育文化会館
『斉藤和義 ライブツアー2018』@ニトリ文化ホール
『BUCK-TICK TOUR No.0』@札幌市民ホール
『斉藤和義 25th アニバーサリー・ライブ』@Zepp Sapporo

今年の後半は祐一郎さま成分が足りてない…! のに、あまり渇望感がわかなかったな。まだ見てないけどレベッカでのお姿をチラ見出来てるからか。

『マディソン郡の橋』の祐一郎さまで、ほぼ一年分チャージしたってくらい、すごくいい役だったし、作品の出来栄えも満足できるものでした。再演待ってます。

作品に満足したのは、他だと『タイタニック』『ラ・カージュ』『生きる』『ゴースト』あたり。
特に『タイタニック』最高でした。CD化もされないの?は?

浦井くんには定期的に会えた感じなのでした。浦井くんがとても忙しかったってことですね。来年は『笑う男』で祐一郎さまとしっかり向き合ってくれるのが、とても楽しみ。

ライビュで宝塚2作品見れたのは楽しかった。来年は劇場で見たいものです。うっとりする以外に出来ることがないね。きらきら大好き。

音楽関係、並べると不思議な3組が・・・ バクチクはお友達が行けなくなったのを譲ってもらったのでした。世界が出来てて楽しかった。耳栓もっていってよかった。
斉藤和義はもとから好きで。
ミッチー王子は楽しませるプロ! また行きたいなぁと思ってます。

『メタルマクベス disc3』12/20昼 格段に良かった

前回、いろいろ気になったランディの「王位への欲望」がどこから来たのか?問題は、この回を見て、ものすごく腑に落ちました。良かった。

外からやってきたんですね! 

disc1のさとしさんには、種みたいなものがそもそもあったところへ、好機と妻の言葉が降ってきて盛り上がったのだなと思ったのでした。が、浦井くんはちょっとそれそは違う・・・でもハッキリしなかったのがもやもやしてました。

ランディに王位への欲望は全然なかった・・・ 王を殺めるときも。

自分たちの計画が王に知られていて、釘を刺されているのだと感じたので、否応なしに「殺すしかない」へ突っ走っていったのでした。

納得。

「今」しか生きてないランディと夫人、年齢的にもぴったりだったし、「小さいの」と自分を見ているのに、暴風に巻き込まれたみたいに一気に簒奪してしまう中身のなさ、良かったわー。最高。

空っぽの二人・・・
他の方の感想読んでたら、メタルマクベスの最後がインストゥルメンタルであるのは最後は歌う人がいないから、というのがあり、鋭いなぁと。

メタルマクベスのCDに自ら進んで操られてるランディ、すぐに自分をマクベス浦井と思ってしまう素直さも「空っぽ」だからこそ。歌わされているけれど、最終的には残るのはメロディだけ。歌うマクベスはいない。

私の疑問もすっきりしたし、浦井くんもとても落ち着いて役にしっくり馴染んでいました。
かっこいいーきゃーーー。

夫人の手を取って歌うキャラメルの歌。優しいやさしい歌声。
今回、下手ぎりから見てたので、きれいな横顔と大きくて美しい手も眺められました。追い詰められてるなかでも、夫人への愛情を失わないところ、素敵。

まさみ夫人も、より一層ステキ(彼女は開幕時から完全に役を掴んでたのね、素晴らしい)
またも、まさみのおしりがすてき・・・!! とうっとりしました。みんな言うでしょ? 見終わったら、お尻が・・・って。すばらしい。

ラストでキメ顔でスモークから2人で登場するとこ、最高よ。はぁ

冒頭は、浦井くんがせりあがりでスモークからバーンと登場しますけど、そこも少し余裕ある表情に見え、やっぱり深化してて。

夫人との呼吸もよくなってたし。

だから観劇は何度も行きたくなるよね・・・

ラストの殺陣シーンの連続も、余裕があってよかった。粟根パール王とのやりとりもゾクゾクっとした。まさに空っぽの剣に強い将軍の姿で、本当はこうやって闘ってることで満足してたのになーって思ったよ。

レスポール王から何のために闘っているのだ、と問われた答えはコレなのかな。ただ闘うのが好き。

殺陣って切られ役が上手いと主役も上手く見える・・・けど、今回は浦井くんも腕が上がってたので、いい斬り合いになってました。ランディは全てを見切っているように動いていて、必死なパール王との差が際立ってましたね。

あと気になったのは、レスポールJr、すごい音が取れてなかったけど、どうしましたか。前も? デス・フォー・ランダムスターのとこね。

前回は、音は取れてたと思ってたけどなぁ お疲れなんでしょうか。
粟根さんと柳下さんが入ると、そうよこの音程って頷ける。

じゅんさん、網タイツになると膝にがっちりテーピングしてるのが見えました。酷使してるー! お膝をお大事に。
(じゅんさん美脚)

右近さん可愛かった。踊ってる右近さん、キュート。眼科医の右近さん、キュートって感じだ。癒しだった。

カテコでの手の振り方とか、いちいち可愛かったですね。ベイビーメタル魔女だからか?

■観劇中に「マクベス」を上演するにあたって、何故ランダムスターが主役で、メタルマクベスCDによって翻弄されるんだっけ・・・と意識が彷徨ってしまった。

パンフレットに書いてる?(読んでみた)
→はっきりとは書いてないけど、自分なりのマクベス書いてみようということなのね、宮藤官九郎。

音楽の呪いって言葉だけよりも深そうで面白い発想だったな。80年代音楽が今回の再演にあたっては、初演時よりもすごく遠く感じるのが時代の流れで、手直しされてて良かった。

シェイクスピアの「マクベス」は見たことないという逆転状態なので、一度くらいオリジナルも拝見したいと思います。
※オペラの「マクベス」は見たけど、脚本的にはオリジナルと違うかもしれない。

2018/12/28

『サムシング・ロッテン!』12/19夜 たまにはいいか。

@国際フォーラム ホールC(2階)

ニック/中川晃教 シェイクスピア/西川貴教
ビー/瀬奈じゅん ナイジェル/平方元基
ポーシャ/清水くるみ
ノストラダムス/橋本さとし

青山郁代 池田紳一 井上花菜 可知寛子 小暮キヨタカ 
小山侑紀 坂元宏旬 高橋卓士 高原紳輔 竹内真里 常住富大
丹羽麻由美 伯鞘麗名 福田えり 辺田友文 横山敬 横山達夫

まぁ・・・面白かったな。

元ネタが分からない人が見に行くとひどい目に遭うけど、ネタ探ししながら出演者を愛でる作品でした。

ネタにしてる作品は、日本の観客になじみのあるものにオリジナルからは変更されてるようでした。

そんなわけで、ネタありきな展開らしく、ストーリー的には単純。

同時代のスーパースターであるシェイクスピアに勝ちたいニックが、ノストラダムスの予言(流行る作品さがし)を聞いて、想像しながら新作をつくるが、予言が完璧じゃないせいで、ヘンテコな作品「オムレット」になってしまう。

弟のナイジェルが「ハムレット」的な作品を作っていたが、予言と違うとニックは袖にしてしまい、弟は尊敬するシェイクスピアにノートを見せてしまう・・・ で、シェイクスピアは不朽の名作「ハムレット」を世に送り出した。

失敗したニックたち、新しすぎる「歌って演じる作品」を、新世界で発表することに。こうしてアメリカではミュージカルが花咲いたのであった!
そうですか・・・
(アメリカ人はここ楽しいのかもね、私は、おお強引な幕引きと笑った)

アッキーと西川氏が並んでるのがカワイイとか、瀬奈さんキュートだなとか、平方くん若干無駄遣いかもしれない(もっと発揮できたような気が)とか、さとしさん流石だなとか、そういう感じで。

歌で聴かせるのは、アッキ―とさとしさん。
ありがとうございます。届きました。

平方くんは良かったけど、恋人役の方といまいち感触が掴み切れてない様子。スケジュール後半は良くなってたかもしれません。

西川くんは、もう「西川貴教」がいるってだけでOKなことになってる。居るだけで価値が生まれてた。意外と役柄にそって演じていたのですが、ザ・タカノリでOKだったんじゃないかと思った。
演じるなら、もっとドカーンと演じても良かったのですが、ステージの場面だけタカノリが来て、他は演じてて、どっちつかず。

しつこい繰り返しはなかったよ。
福田雄一演出で恐れること、しつこいお笑い場面とかは少な目かなと思った。
全体的にゆるいので、気にならなかっただけかも。

私の希望でいうと、きっちり締めた演出でもう少し小規模の劇場で見たかった。シェイクスピア役は歌手じゃなくて、俳優で。
あくまでもミュージカルのお約束で笑わせてもらえたら、さらに楽しい。

2018/12/05

『メタルマクベス disc3』11/19夜 まさみ夫人よろしくお願いします

初演のメタルマクベス とか、ライブ行ったりしたわ。
見てたよ。カッコよかった内野ランディ・・・

ウッチー、さとしさん(ライビュ)と来ての浦井くん。

ランダムスター、マクベス浦井/浦井健治
ランダムスター夫人、ローズ/右近B/長澤まさみ

レスポールJr.、元きよし/高杉真宙

グレコ、マクダフ柳下/柳下 大

グレコ夫人、シマコ/林/峯村リエ

パール王、ナンプラー/粟根まこと
右近、医者/右近健一

エクスプローラー、バンクォー橋本/橋本じゅん
レスポール王、元社長/ラサール石井

演出のいのうえさんが言ったように、一生懸命もがいてる浦井くんをそのままランダムスターの性格付け、演技で使ってた。12月にもう一度見に行くので、その時に、未熟さに落ち着きがでてくるのか気になる。あと、殺陣シーンは今後の課題ね。腰を落とすのよ・・・大変だと分かるけど健ちゃんなら出来る!君はできる子!

初演から大筋は同じながら、時代に合わない部分は変更、カット、順序や楽曲も変更あり。
もはやダイエースプレーで笑ってくれる世代は私が最後だものね?(40代)あの曲大好きですけど。若い観客には、ハテナだろう。

カットしたことでスピーディになった気はするものの、初演の何だかよくわからないがごった煮みたいなヘンテコさが減って、となると何で「メタル」「マクベス」だっけ?とふと疑問が沸いてしまう。時代を使って表現するって、こういうズレが生まれてしまうものねー。

■野心はどこか
ウッチーやさとしランディには、もともと野心があって、そこへ夫人がダメ押しで火をつけたように見えたのですが、浦井くんは火さえつかないままに主君殺しをしたような、覚悟のないままのような。

祝宴のあとの王との会話で「知られてしまった!」ことが動機であって、ほんのわずかでさえ王位を求めてるように見えなかった。さとしさんだと、知られたと思い込むのは後押しで。

なので、勘違いで殺してしまったと気付いた後の王冠を乗せた浦井ランディの諦観した顔が面白かった。心がもう死んでる。

心が死んだのに、それでも手にした王冠に執着するのが哀れだし、このひと割と流されちゃうのね・・・という。弱い心が勇猛な兵士の体に入ってるランディ。

野心があっての行動だと、あやうい王位に固執しながら精神が死んでいく段階が分かりやすかったが、浦井ランディは王冠つけたときに死んでて、それと「メタルマクベス」の音楽に取りつかれるところが、現実逃避なのか、自分を鼓舞してるのか、どちらか測り兼ねました。どっち?

むしろ、まさみ夫人のダメ押しじゃなくて、メタルマクベスの音楽と魔女たちによってそそのかされたのか? それもあるな。
だけどやっぱり、野心がないようにみえたのが、浦井ランディの特徴。

■夫人
長澤まさみのことが好きなんですよ。背も高くてスタイル良くて、浦井くんと並んだら引き立て合うわーと楽しみだった。

ほんとに眼福。

すっきりした衣装も良かったし、美尻さま・・・素晴らしい。

もちろん演技も落ち着いててとても良い。自分が何を演じてどう見えてるのか完全に分かってる。いきおいに流されてない。素晴らしい。

まさみ夫人がランディを焚きつけるのは、二人で最高の地位を手に入れたいからという素直な野心から。夫は戦闘力はあるが野心が足りぬと思っていて、それを自分が補えば最高の二人、と無邪気に思ってる。手にした後を想像しない熟慮が足りないところが怖いもの知らずでいい。

慎重に演じてるなぁという印象、200%くらいで突っ込んでくる浦井くんを受け止めてくれてそう。ありがとうございます。

12月の終わりころに、どんな二人になっていくのか期待。

■レスポールJr高杉くん
細い・・・若い(笑) 歌も真面目に歌ってくれてて、カワイイ。細いので踊っても折れるのではと心配になりながら、カワイイなぁと思って見てた。おぼっちゃんな感じが素直に出てました。

■レスポール王ラサール石井
ちょっと! ラサール石井に感動してビックリしました。とても良かった。もう63歳になってらした・・・ いつの間に。
軽いと見せかけて、締めるところをわきまえてて、巧かった。舞台でのふるまいが上手です。演技巧者っていう雰囲気ださないのに。

『タイタニック』10/12昼 3 乗客の思い出

■安寿ミラ/アイダ・ストラウス、佐山陽規/イシドール・ストラウス(一等客)

素敵なご夫婦で場がとても落ち着きます。長い年月かけて繋いだ絆を深く感じます。
ことさら悲劇らしく振る舞わないあたり、演出家のセンスだと思いますが、あんな短期間でこんなに覚悟をすぐに決められるものだろうか?

ご立派すぎるかもしれない。
でも、このお二人には描かれていない部分で、これまでもきっと危機的な状況を経験しているのでは?と予想させる説得力もあって、何があったときも二人は一緒と思うに至った積み重ねや、人生を十分に生きた実感があったのかな・・・と思えました。

■菊地美香/キャロライン・ネビル、相場裕樹/クラーク(二等客)

実は菊地さんが出演すること全く気にしてなかったのですが、声を聞いて、あ、と。声ですぐに分かるって良い。そしてとても可愛い。しっかりしたお嬢様風でした。

新生活へ旅立つお嬢様と身分違いの恋人に、相場さん。
(先日、舞台降板とのことでびっくり。元気になるといいですね)
優しそうなハンサム君でした。歌も安定してていい声出るようになって、心配いらなくなった・・・

■霧矢大夢/アリス・ビーン、栗原英雄/エドガー・ビーン(二等客)

演じて楽しそうなのはこの二人かな。初演は森口博子が演じてて、こちらも元気で良かった。霧矢アリスのほうがすごく上昇志向がはっきりした大人の女性感が強い感じ。ダンスしたり、ふらふら一等のデッキにお邪魔したりするけど、素直さがあって憎めない。

そして栗原さん~! 振り回されつつ愛妻家で、ちょっと妻の行動に困ってる(困ってるけど、エッチスとの会話を聞いてると、本気で困ってないのが分かるのが可愛い・・・俺の妻だぜっていう顔)すごくいい。頼りになりそうだし。久々に歌声が聴けて満足。

■渡辺大輔/ファレル(三等客)
浦井くんが演じた役でした。浦井くんどうだったけな。若者っていう印象しか今では残ってないなぁ 渡辺ファレルは背も高く大きいので、見栄えが良かった。ケイトとの若干ツンデレ的なやりとりも良かったです。

■小南満佑子/ケイト・マクゴーワン(三等客)
屋比丘知奈/ケイト・マーフィー(三等客)
豊原江理佳/ケイト・ムリンズ(三等客)

三人のケイト。新天地アメリカで仕事について新しい時代を見たいっていうキラキラさと、不安が少し。妊娠してるケイトは強くて見どころあって、助かってほしいなぁと願いながら見ました。

『タイタニック』10/12昼 2 船員さんの思い出

今年が終わってしまう。

■藤岡正明/バレット(機関士)
バレット役は好きな役です。最底辺でひたすら石炭をくべて蒸気を出す働き者で、恋人を思って愛の歌を歌ってくれます。衣装は制服じゃないけど、似合う人が演じると非常にセクシーですね・・・
恰好は労働者だけど、歌はバラードというのも良いわー。

The Proposal / The Night Was Alive

上口くんとのデュエット、案外声がいい組み合わせ。二人とも落ち着いた声の奥に、熱いハートが隠れているみたいな雰囲気がありました。また聞きたい。
CD化してくれないと泣く。

■上口耕平/ブライド(通信士)
バレットと一緒に静かな夜を過ごす相棒、せっかく受信した氷山情報もきちんと役立ててもらえてない通信士さん。
仕事に誇りをもっていたけど、ちょっとやさぐれてるところへバレットが来て、自分の仕事が素敵なものだなって思い出してます。

ヘルベルト以来の声だったのですが(シスターアクトは歌った?) 普通の男子だとこんな風に歌うんだなぁと新鮮でした。いい声! また別の作品などでも聞いてみたい人になりましたー。
お顔が可愛いけれど、こうしてみるとちゃんと大人の男性らしくて、とても素敵。

■戸井勝海/エッチス(一等室客室係)
どのキャストも素敵すてきと思ったけれど、戸井さんがたくさん登場して歌ったり、ステップ踏んだり、セリフたくさんだったりで、嬉しいー。

一等のお客様をオモテナシする仕事に誇りをもっているところとか、ふと仕事から離れた顔をする瞬間とか、見どころ満載です。

■小野田龍之介/ライトーラー(二等航海士)
もしかして、小野田さんを見るの初めてだったかも。歌ってやるーというものはなくて、一部分か、コーラス的に歌ってたっけな・・・(曖昧な記憶)
すごいいい声だとうわさで聞いてるぞ
というわけで、堪能しきれませんでした。またお会いしたいと思います。

2018/11/07

『タイタニック』10/12昼 トム・サザーランド新演出版

@日本青年館ホール

1階席中央、とても見やすぐ音も良い。
トイレが少なく空いてるかどうかが分からないのが難点。

鈴木壮麻/スミス(船長)
加藤和樹/アンドリューズ(設計士)
石川禅/イスメイ(オーナー)

藤岡正明/バレット(機関士)
戸井勝海/エッチス(一等室客室係)
津田英佑/マードック(一等航海士)
上口耕平/ブライド(通信士)
小野田龍之介/ライトーラー(二等航海士)
木内健人/ハートリー(バンドマスター)
百田ヒロキ/ベルボーイ
吉田広大/フリート(見張り係)
須藤香菜/ミセス・ビーチャム(給仕係)

安寿ミラ/アイダ・ストラウス(一等客)
佐山陽規/イシドール・ストラウス(一等客)

菊地美香/キャロライン・ネビル(二等客)
相場裕樹/クラーク(二等客)

霧矢大夢/アリス・ビーン(二等客)
栗原英雄/エドガー・ビーン(二等客)

渡辺大輔/ファレル(三等客)
小南満佑子/ケイト・マクゴーワン(三等客)
屋比丘知奈/ケイト・マーフィー(三等客)
豊原江理佳/ケイト・ムリンズ(三等客)

こんな短期間で終わってしまうなんて、もったいない。再演!再演希望!
一公演しか見れませんでした。

2007年のウォルフォード演出版(国際フォーラム)も見てるのですが、断然こちらの版が好き。ミニマムな構成にして、ひとりひとりの登場人物すべてが生きています。中規模の劇場でのサザーランド版、良いです。

どのキャストもその人生を見せてくれて、氷の海へ投げ出されたり救命ボートに乗れたり・・・実際に亡くなったお名前の書かれた幕がかかって犠牲者の多さに泣いたそのあと、もう一度、冒頭のタイタニックを讃える歌をみなで歌うのが、悲しい夢みたいで、劇場を後にしても余韻が続きました。

遠回りだけど、夕方の緑を眺めながら信濃町駅までてくてく歩いちゃった。

演技の面について良かったところは多々あれど、拙い人はなく、安心の高品質。ストレスフリー。
お姿も見目麗しいうえに、歌声も素晴らしい。ベテランも若手も中堅も、皆さま魅力をよく活かしていて、何でCD化しない?映像化もなし? なら、再演してねっていう。

開演前のステージには、和樹ともうひとり(誰だったっけな。船員さんの役だと思うけど)。机に向かったアンドリューズが設計してる様子です。眼福です! お友達に早めに劇場入りしろと教えてもらってて良かったー。

■イスメイ 石川禅
冒頭、タイタニックを語り始めるイスメイ。遺族から責められている様子だ。と、つまりタイタニックの沈没後の様子なんだな・・・悲しみ、苦しみ、けれど、タイタニックに見ていた希望と称賛を思い出し、彼女のすばらしさを讃えて歌いだす。

タイターニーック!

タイタニックは有名な話だし、展開も周知のこと。それを「思い出す」演出にしたのは導入として巧かった。初っ端から、見てる私の心のなかに哀しみの欠片が刺さった。

2代目のボンボンぽさ、尊大さ。オーナーとしての危機管理の甘さと名声を求めて無理強いしてることにも無頓着な様子。
沈む船から真っ先に逃げられる自分大事な面も含め、悪意のある発言じゃなくて、甘いんだこの人は・・・という禅イスメイだった。似合う。
自分の発言の重さを大して気にしてない。部下は言われたとおりにすべき、世界一の船なんだぞっ です。

しかし、冒頭での表情には、「もし〇〇〇であったら?」という後悔が感じられました。そこがまだ、憎み切れないイスメイです。

■スミス船長 鈴木壮麻
壮麻さんは、スミス船長のように「タイタニック」のなかで出世なさって、ついにキャプテン!
ブライド→イスメイ→スミス船長
(イスメイ役は未見)

制服が殊のほかお似合いだ。眼福ですねー。帽子の下のお顔をもっと拝見したかった。帽子ともじゃひげに隠れる美貌なのでした。
貴族的なお顔立ちなので、自分はたたき上げなのだと言うのが意外でしたよ。

イスメイの傲慢さとは違うけれど、船長としての気概というかまだ野心の炎が残っている目の強さが印象的。イスメイに速くNYに着かねば!とせっつかれて、ムムッとしつつも従う立場の違いとか、処女航海時の安全策ではないと知りつつ、自分もやはり速度競争で名を響かせたいという名誉欲が見えます。

禅さんと壮麻さんが言い合いしてるだけで、ぎゃーーーー!!(嬉しい!)レミ見たい! とテンション上がりました。

■アンドリューズ 加藤和樹
1幕-2幕も、あまり全面に出てきませんよね。それで、最後に「アンドリューズ氏の予見」を歌わねばならないのは、かなり大変な役。

セリフは多くないが、時々ステージに登場し、タイタニックについて回答。そこにいて、存在感を消さないように登場しなければいけない。なので、あまりキャラを出す暇がないのね。エリザのルドルフみたいだなーと思いました。

 言い合いする場面で、ようやく出番が来たって感じです。そして、壮麻さん禅さんのお二人のところへ乗り込んでいく和樹・・・迫力負けしそうでしてない和樹だった。アンドリューズは最初から全然自信家って感じがなくて、すごく良い人そうでしたが、骨太なところが見れましたね。CDで聴き直したいものだ。

そうして最後、沈みゆく自分が設計したタイタニック号のビジョンを誰よりも正確に思い描けてしまう悲劇。(提出した後に誤字に気づきがちな私、分かるわ!と思ったよ。ごめんね、レベル違う)

 舞台上には一人で傾くデッキで最後を迎えるアンドリューズがいて、怖かった。ここで流れるオケの音も低音がググググーっと響き渡って、さらに恐怖感が増してます。オケといっても、指揮者と6名のみ!分かっててもすごい。6名で出来てしまうんだなぁ イェストンの音楽は美しくて切なさがあって、でもことさらに分かりやすく悲劇的でもないというのが素晴らしかった。

さらに上手いなと思うのはこの「予見」で沈没シーンを描く判断。これなら出演者が実際にアレコレする必要はない。あと、あまりに有名なタイタニックの物語だからこそ、出来ること。観客はアンドリューズの言葉に沿って、そうそう、と容易に悲劇的な結末を各自の頭の中で描けます。

ちなみに私は、あのデカプさまの映画『タイタニック』の映像で、船首が上がり、船体が折れて恐ろしい速さで沈んでいく様子が浮かんでました。

2018/10/16

『生きる』10/11昼 小説家もチャーミング!

鹿賀さんのお相手は、新納慎也さん。

市村さんは、小西遼生さんと組みます。交代なしの固定は珍しいですよね。安心して演技できるからかな。

着物姿がかっこいいわー。優男風でした。ビジュアルからだと、小西小説家はもうちょっと男っぽいのかしらと想像。どうだったんでしょう?

新納さんの安心の歌声で物語は始まります。
プログラム見直して気づいたのですけど、役名が「小説家」だけでした。お名前なしだったとは。

渡辺の猪突猛進を後方サポート(写真でゆすり)、渡辺の死後は息子に父の真意を伝える大切な役でした。

告知されないけれど、癌に違いないと確信して大金を下ろして使ってしまえと飲み屋で飲んでも吐いてしまう酒を飲もうとする渡辺、痛々しい。

ヨシ!!と俺が楽しい散財を手伝うと乗り出してからの付き合いになりますが、いい加減なようで情が深い男でした。似合います。
深入りしすぎないようで面倒みがよく、なかなかいい男。

それから、山西惇さん。「相棒」シリーズで暇か?の課長でご存知の方、いい歌声でした! 朗々と歌うんじゃなくて、演技のまま歌になっている・・・ ヤクザとつながったイヤらしい助役の声でソロをばしーっと魅せてくれました。いいですねー。

息子役の市原隼人さん、こちらも演技力。ミュージカル初挑戦とのことでしたが、なかなか良かった。父の背中を見つめる姿が、分かり合いたい気持ちがにじみ出ていて、しかし父は公園の実現にまっしぐら。公園が息子夫婦や孫への贈り物、わかってくれると思っていたんですねー。

息子の妻役と、役所の女性職員が鹿賀/市村さんのときで入れ替えです。何で?
鹿賀さんのときは、息子妻がMay,n、女性職員が唯月ふうかちゃん。

唯一、May,nさんの歌詞だけが聞き取りにくかったのが残念かもー。歌手の方なんですね、セリフじゃなくて「歌」だったので。
洋風の生活をしてる夫婦と和の父との違いも2階と1階で分かりやすく、新しい時代が来るという未来が広がる様子がまぶしい若夫婦の様子です。

ふうかちゃんは可愛い元役所職員で、渡辺課長に元気をくれる役です。途中、付きまとわないで!と怒るのが可愛いのだった。そりゃ気持ち悪いよね、課長に毎晩連れ出されてもさ。
渡辺さんはそういう人とのいい加減の付き合いかたが上手じゃないの。

ほか、アンサンブルさんたち・・・川口さんのヤクザ、笑っていいんだよね。もちろんとてもぴったり似合ってて。
お母ちゃん軍団も元気よく、しかし下品にならずウルサイのがちょうど良く。

2018/10/15

『生きる』10/11昼 鹿賀さまがチャーミング

@赤坂ACTシアター

鹿賀丈史/渡辺勘治 

市原隼人/渡辺光男 新納慎也/小説家
唯月ふうか/小田切とよ May,n/渡辺一枝
山西惇/助役

川口竜也、佐藤誉、重田千穂子、治田敦、松原剛士、上野聖太
高原紳輔、俵和也、原慎一郎、森山大輔、安福毅、飯野めぐみ
あべこ、彩橋みゆ、五十嵐可絵、可知寛子、河合篤子、森加織
森実友紀、高橋勝典、市川喬之

黒澤明の映画「生きる」がミュージカルに。

あのスーっと品のある鹿賀さんが、どうやって冴えない課長役になるんだろうと思っていたら、いやーすごいね、ホントに普通の役所のおじさんに見えました。

奮起してからの人間的に品位向上するあたりは、さすが鹿賀さま! にじみでる品が似合います。

物語は知ってました。
泣かせる方面で浪花節ってことはないだろうとは思いつつ、そこだけは心配でしたが、杞憂!でしたー。

音楽がとても普遍的で軽やかで、必要以上にかなしさを盛り上げてこないのが、とても良かった。とっても。
癌で死を意識した男の右往左往も、哀しくて可笑しいような。

背中を少し丸めて、ステテコ姿のお着替えを拝見する日があるとは。
1幕はほとんど「あ・・・」「ん・・・」とぼそぼそとお話しするだけの渡辺。無口ねー。
ラストに「二度目の誕生日」で自分の人生を生きようと決意。頑張って!

2幕は次々に鹿賀さまは美しく優しく歌声を聞かせてくれました。じいぃーん。
どの曲も奥ゆかしさがあって素敵だったんですが、「青空に祈った」そして最後のゴンドラの歌からの流れが美しかった! 

鹿賀さまと言えば、たまにお疲れかな?と感じるときがあって、心配してましたが、この日は全く心配ご無用。
一生懸命泥臭くごりごりと公園建設のために突き進む、渡辺課長。
真面目な丸い背中とがに股気味の立ち姿に、控えめで激しさは胸の奥に光る渡辺でした。

市村さん版を見ることはできなかったのですが、愛情をどう表現するかが違うようですね。
息子の光男とのかかわりあい方を見ていると、同じ屋根の下で暮らしていても食事も別で、別個の所帯でした。
病気のことを言わなかったのは、心配して病院に入れてしまうから。何もしないまま死んでいくのが嫌で言わなかったのだとセリフにあります。

光男より父のほうがとっくに子離れしていたんですね・・・死期を思うことで、子離れしたのかもしれません。新しい時代を自分の家族と共に生きてくれと背中で語っているかのようでした。

これから生まれる孫だけでなく、地域の子供みんなを思ってブランコに揺られていたのでしょうか。美しいシーンでした。はらはらと降る雪も、冷たく見えなかった。

CD化も決定とのことで、ありがとうホリプロ!!!

2018/09/25

『ゴースト』9/10 咲妃みゆモリ―はサッパリ系

翌日10日マチネは、大阪公演の千秋楽。

咲妃モリ―、パッと見ると可愛くてふんわりしてるのに、そこに居るのはサッパリ男前なモリ―でした。おお、新鮮。自立してる(精神的にも)女性でした。
可愛らしさより、愛する人との別れにも顔を上げて立ち上がれるパワーを感じました。

いちゃいちゃ場面では、Love度熱めながら爽やかに演じていて、宝塚仕込み素晴らしい。客席からは体重かけてるように見えるけど、本当はかけてないに違いない、スゴイ。髪に手をかける仕草とか、100点です! やや様式美でもあったけど、咲妃さんの得意分野よね。堪能した。

秋元モリ―は控えめだったこともあって、演技面では浦井くんがリードしてるように見えました。

咲妃モリ―は、反対に浦井くんは受けな演技。
ギター持ち出した時に、そんなの無駄、ダメよ、などと合いの手が入るのが、ビシーッとするどいツッコミで、笑いが起こるほど。場数踏んでるだけあるわ。全体に安心感たっぷり。
ちょっとした何気ない仕草とかも上手なのねー。さすがです。

歌声ははっきりした可愛らしいお声でした。

千秋楽ということで、浦井くんと森公美子さんからお話しが。

浦井くんは、作品を通じて何か受け取ってもらえたら(感じて?かな、そんなニュアンス) 愛をテーマにした作品だからね。

モリクミさんは、完売のはずが空席があります。災害で来られなかったのかなと思い、空席に思いをこめて舞台を務めた(もちろん居る我々にも、思いは込めている)
自分も東日本の震災のときは大切な人を亡くした、大変なときだけど、舞台をいいものにすることで…(ニュアンスとしては、貢献したい、とか役に立ちたいという感じだったような)

正確な言葉が思い出せなくてスミマセン(いつもはすぐメモするんですが、私も胸がいっぱいで忘れておりました)

モリクミさんが涙ぐまれていて、あんなに笑顔ハツラツでオダ・メイを演じてた方とは思えないくらい。優しいお気持ち、私にも、それからきっと来られなかった方たちにも届いています。浦井くんも、モリクミさんも、作品に関わっている皆様、どうもありがとうございました。

『ゴースト』はお別れの物語なのに、癒されました。人を信じるときの強さとか、目に見えないもののこととか。

私は幽霊とか信じない(居たら嫌だなぁと思って…コワイよ)んですが、生きてる側の喪失感をどうするかという点はとても大事なことと思っていて、その一つに幽霊というか、魂を想定するのはあるかな?と。そしてゆっくり手放さねばならないんですよね。

私は死んだら宇宙の塵に戻りたいので、未練なくこの世にサヨウナラしたいです。
だから毎日好きなことしていたいなっと。

『ゴースト』9/9 音楽も素直に泣けてくるし、イリュージョン素敵

曲も素直。
奇をてらった感がなく、キャラクターの感情が素直に流れてくるメロディ。

UNCHAINED MELODY は二人の心の表現の肝で使われます。


もう、何も考えずに! 泣いたらいい! 泣いてすっきり!

ひのあらたさんの曲はジャズエイジなのかな?と時代を彷彿とさせて、地下鉄のゴーストの西川大貴さんはラップ、とタップ。オダ・メイはいかにも怪しげなゴスペル風。
キャラ分けも音楽ではっきりあるもの、分かりやすい。

上記の三人、すごくおもしろいキャラでした。しっかりサムのために助言くれるだけじゃなく、各人の背負ってる業みたいなものを感じさせるのでした。妻を待っている男、死ぬはずじゃなかった青年、そして母と祖母にはあった霊能者の血筋が自分にはない・・・と詐欺師になった女。濃い。

地下鉄の青年、あんな風に音楽と光でカッコよく霊力(何ていうの? ゴーストのパワー??)を見せるアイデアがイイ~! パシュ!シュ!パン! 面白かった。怒りがダイレクトに爆発してる感じ。

オダ・メイ、モリクミさんのためにあるような役。スニーカーでダンスも頑張ってらっしゃいました。膝の調子は大丈夫でしょうか。とりあえず、踊るとかわいい。汗もかいて大変! ゴスペル風なありがたそうな適当そうな曲が楽しい場面です。

ズルそうなところと良い人そうなところのミックスさがいい塩梅。銀行をだましに行く時のいかにもな豹柄ツーピースとか、分かりやすくて最高です。

小切手の額に夢が広がるシーン、楽しいシーンありがとう。シロクマさん(ふわふわ白いファーコート着るから)出没してました。こういうの、ミュージカルぽい♪

浦井くんが歌う、I Had a LifeRain/Hold On 切なさ全開、オケもぐいぐい盛り上げて良かったな。また聞きたいなぁ・・・・再演待ってるーーー!!!
モリ―に言い寄ろうとしかけるカールに対して 二回殺された!って歌ってるのも、ひりひりして良かったんですLife Turns On A Dime かな? 写真バーン!ってしたシーンね。

セット
建物の外壁になる4つのパネルが最初は舞台の最前まで来ていて、始まるとタイミング良く音に合わせて開いてセットになります。モリ―とサムの部屋はロフトある作りで、玄関ドアが2階、で下に降りるようになっている。

コンパクトな劇場ですが、動きが出て良かった。お掃除大変なお家だなーと思ったけど、若者がアトリエを手に入れた、かっこいい!な感じが伝わります。

インテリアはグレイメインのモノトーン。趣味がいいっていう主張。

イリュージョン
ゴーストさんたちは、基本グレイの衣装。モリ―とサムの住まいと同じ。グレーのグラデ衣装、なかなか見ものでした。各年代取り揃えたようになってます。
浦井くんだけ、白シャツに黒パンツです。

初見の日は床面が全然見えない位置で観劇して、浦井くんがゴーストになったところをどうやったのか、わかりませんでした。

翌日は良く見えたので、ナルホド!! 見えなかったはずですね・・・
(演技で撃たれたサムがそこに倒れているのを見ている、というフリをしてただけだった。でも自然で良い)

ドア抜けのは、スリット入りの布地が貼ってあるだけだけど、ビリビリーという効果音と光で雰囲気が出ます。

基本、ゴーストっぽい感じは出さず、ドアノブが握れない、憎い相手を殴れない、見えない、で解決。むしろ生きてるように動くことで、ゴーストたちのここに留まりたい思いの強さを感じられる気がしました。

大がかりな装置も使わず、省エネ・イリュージョンがいい。

黒いゴースト、あれが一番気に入りました。地獄行きの死神の使者みたいな人たちが、ウィリーやカールを連れ去る演出。けっこう怖かった。

カールが黒いゴーストに連れ去られるとき、追い詰めて復讐したはずのサムが手を伸ばしてしまうところに、友情の欠片が残っているのが垣間見え。憎いけど、だからって完全に見捨てられないところが。

全身黒の衣装と黒い布地だけなのに、音楽と照明と躍動感で、有無を言わさない力がありました。引きずられていくのが恐怖。
いい子にしてようと思うわ。あんなのに連れ去られたくない・・・

家の階段も、最後にサムが天に召されるときの階段に。照明って偉大だ。現世に別れをつげて想い残したことから自由になって行く瞬間が見えました。

レミで祐一郎さんが天に召されるのも、最高になんと神々しいと思いますが、今回の浦井サムの召され方は明日へ続くサヨウナラで、清々しくもありました。綺麗でしたね。

2018/09/17

『ゴースト』9/9 秋元モリ―は、繊細で奥に秘めた強さ

@サンケイホールブリーゼ(大阪)

サム/浦井健治 モリ―/秋元才加
カール/平間壮一 オダ・メイ/森公美子
松原凛子 松田岳 栗山絵美 ひのあらた
大津裕哉 岡本悠紀 小川善太郎 木南清香
コリ伽路 島田彩 丹宗立峰 千葉直生
土倉有貴 西川大貴 湊陽奈

夏の東京は遠征費も気温も高いので大阪で見てきました。のですが、

9/6の北海道胆振の大地震で停電、断水など混乱。もともと9日の伊丹便を取っていたのですが、前日まで本当に行けるかどうか迷ったし、実際に行けるのかも不明でしたが、沈んだ心は、浦井くんに晴らしてもらいたいー! と大阪へ。

大阪も地震、台風被害が残っていて、どちらもインフラ復旧にあたっていた皆さまに感謝でした。

行って良かったし、行けて良かった!!
ありがとうございました☆

映画「ゴースト ニューヨークの幻」の脚本家と音楽家が、ミュージカル版も制作。

9日のマチネは、秋元才加モリ―で。

秋元さんを拝見するのは初めてだったのかな?と思うのですが、舞台映えする顔だちに、誠実な歌声。

派手目な顔立ちから考えてたものとは違って、繊細でやさしいモリ―なことが、なかなかギャップでした。ふんわりした印象を醸し出すけれど、サムを愛してるっていう芯が全然ブレないところが、ヒロインらしい。

ちなみに、翌日の咲妃みゆモリ―は全く反対で、見かけはふんわりだけど、動きがつくととても凛々しいハンサムガールでした。面白い。

細かなストーリーはすっかり忘れていたものの、とにかくサムがオダ・メイの力を借りてモリ―を助け、愛してるって伝える、というのは周知のこと。しかし分かっている展開でも飽きることなく展開していきました。

モリ―が悲しみに暮れる姿は素直に悲しくなるし、実体がないサムが必死にモリ―を助けたいと苦悩するのも応援したくなるしかない。
オダ・メイはまぁ詐欺師だけどチャーミングで、何だかんだ言ってサムを助けるあたり良い人になっていくので同士。

この三人を応援してると最後までするする見てしまいます。

ぐだぐだに笑わせるような(そういうの好きじゃない)場面もなく、音楽とダンス、セリフ・・・とモリクミさんの存在が笑いの女神だったかな。

もともと泣いちゃう話だけど、地震で非常に心が弱っていたので、より一層「愛!愛してるって言わなきゃ!」な気持ちになり、べろべろに泣けました。泣くのってすごいストレス発散されますよね。今回実感したわ。ものすごくスッキリして札幌に帰ってきましたー。

冒頭のいちゃいちゃシーン、この後死んじゃうし・・・と思うと余計に愛おしき場面。
浦井くんは普通の男子の役が非常に良いなぁ 褒めても褒めても足りないくらいだ。いつまでも見ていたい。

StarSで比較してみると、芳雄くんはオーラを突然消せるけど、冒頭シーンのような場面だと、やっぱりきらめきが復活してしまうんじゃないかと想像。育三郎は、華やかさが隠しきれないので、普通度が低そう。

祐一郎さんなんか、普通の男のはずなのにちょっと笑っただけで、婦女子卒倒って感じだしね(え、そうだよ)

浦井くんは、こういう「普通の人」を「きらめきつつ」演じられる・・・!
スターっぽくなく、でも、きらきらしてて、普通の男性として違和感があまりないと思うの。ここ、すごい強みだと思うんだ。強みだよ!

冷静になれば浦井くんもスター☆のきらめきなんだけど、舞台で見てるときは、この「普通さ」が際立って感じられるんですよね。不思議。
だから、狂気の役でも、普通の人が堕ちる感じが出るのだよね。

いちゃいちゃですが、ハッピー!でニコニコ。

モリ―が「愛してる」というと「Ditto(同じく)」としか答えないサムに怒ったモリ―。まずい、とギターを出してポロローン♪ 
ギターでUNCHAINED MELODY を(わりとシンプルなコードで)弾きながら歌う浦井くん。可愛い・・・ ギター弾きを見たときに100%思うけど、そのギターになりたい。

そんなことじゃダメだよって口ではいうけど、結局とりあえず許してあげちゃう心の広いモリ―だった。

ラストシーンまで、ここを逃したら二人が目を合わせる場面がないので、ラブラブしててOKよー。
浦井くんの大きな手とかするっと背が高い感じとか、私も幸せに浸りながら拝見。もちろん私も I love youだし!

秋元モリ―、歌唱技術で感情を揺さぶるというより(歌声は素直で聴きやすい)演技力で表現。もっとお歌が思うままに表現できる技術がついたら、さらに役も広がりそう。見てみたいです。

中盤、暗い穴に閉じこもったように出口が見えない悲しみに覆われているところは、今ぎりぎりで耐えてる様子が、抱きしめてあげたい感じ。
見かけのきりっとした感じとは逆な繊細な印象の秋元モリ―、サムが居る!と行動を起こす姿に、秘めた強さを見ました。

打ちひしがれ、カールの誘いを拒否して。でも前に進まなくては、と一歩ずつ快復して…と変化していく様子、芯が強い女性だなと思います。

大事な人を失うこと、自分の経験が痛みとしてよみがえりますね。だからモリ―の生きていたくない、という言葉も響くし、それを聞いてるサムの辛さも同時に分かって、観客はダブルで喪失感に襲われます・・・う、ずきずきと痛い。

スキニージーンズと赤いチェックシャツという、私には似合わな過ぎなアイテムを颯爽と着こなしてた秋元さん、やだカワイイわ、と思いつつ、涙を流して最後はサムと向き合ってセツナイけれど笑顔。
そのほかの衣装も赤いニット帽にトレンチコートとか、それ好きなアイテム(でも私トレンチが似合わない~)なので、目も癒された。

そしてカテコの後に、二人のデュエットがあることを知らなかったので、そりゃもう、宝塚みたいだ!ビックリしました。
後日談的にも見えるし、二人の心の中の出来事にも見えました。もう一度、二人で愛をかわす歌でもありましたねー。

幸せなラストを目に残してくれてありがとう。

ところで、観劇中にすごく違うことを思い出してしまうことないですか?

天国への階段に足をかけていくサムと見送ったモリ―たちを見ていて、私としては、これは1周忌くらいにあたる感覚だろうか・・・などと考えてしまいました。

生きてるから当然いつか死ぬのですけれど、突然のお別れだし、犯罪に巻き込まれた被害者でもあり、区切りをつけていくのは難しいことですね。
それでも亡くなったことをどう受け入れるかがテーマのひとつだと思うので、時間が最も悲しみを癒してくれる…と信じて、生きてる人は生きねばならない、などなど。

私が現実で体験した災害のことと、舞台で展開した人の死と別れのお話、いつも以上に近くに感じました。
舞台を見て元気になる私、生きてる、ありがとう。

2018/08/16

『サウンド・オブ・ミュージック』7/31 コンパクトな舞台版

@北海道四季劇場

マリア/平田愛咲 トラップ大佐/深水彰彦 修道院長/秋山知子

エルザ/高倉恵美 マックス/荒川務 シュミット/佐和由梨
フランツ/川地啓友 
シスター・ベルデ/久居史子 シスター・マルガレッタ/矢野侑子
シスター・ソフィア/西浦歌織
ロルフ/一和洋輔

リーズル/木村奏絵 フリードリッヒ/松下太陽
ルイーザ/松下姫良里 クルト/松田侑也
ブリギッタ/高森仁那 マルタ/佐藤愛
グレーテル/遊佐こまり

もちろん映画のSound of Music 大好き。舞台版は映画のように自然風景の壮大さはコンパクトに表現されるものの、そこは想像してねってことなんですね。

楽曲は何度聞いても色あせず、心に染みて来て。戦火の足音を感じつつも、家族の絆としっかり描いていて、ファミリー(子供むけの意味ではなく)にぴったりのミュージカルでした。どの年代でも自分を重ねたり、思い出がよみがえったりするような。

主演の平田さんは快活さと繊細さ、強さもあって、ぴったり。大佐役の深水さん、さすがの包容力ですし、マリアに惹かれる様子も自然で、大佐って天然さんかしら?というチャーミングさ。映画より二人が恋した様子が上手に描かれたと思いました。ダンスのシーン、良い!

子役ちゃんたちも上手です。はきはきしてますけど、聞こえにくいよりは良いしな。
年齢が実年齢とちょっと違うのかな?という子もいますが、7人の個性が分かれてて良かったです。とにかくかわいい。

音楽祭から修道院へ逃げこんでからの脱出も、うまくドキドキさせてくれました。

迫力満点に歌い上げるミュージカルも大好きですが、しみじみしちゃうこんな作品もいいよね。

2018/06/11

『ヘンリー五世』5/30 キングになった浦井くん

@新国立劇場中劇場

翻訳/小田島雄志
演出/鵜山仁

王ヘンリー五世/浦井健治
ベッドフォード公、説明役/亀田佳明
グロスター公、騎士トマス・グレー、説明役/鈴木陽丈
エクセター公/浅野雅博
ソールズベリー伯、騎士マックモリス、説明役/櫻井章喜
ウェスモランド伯/水野龍司
キャンタベリー大司教、オルレアン公/田代隆秀
イーリー司教、バーガンディー公/勝部演之
ケンブリッジ伯、バーボン公、説明役/下総源太朗
スクループ卿、マイケル・ウィリアムズ、説明役/清原達之
騎士トマス・アービンガム、ハーフラー市長/金内喜久夫
騎士ガワー/吉村直
騎士フルーエリン/横田英司
騎士ジェーミー、モントジョイ、イギリス王への使節、説明役/内藤裕志
ジョン・ベーツ、ニム、説明役/小長谷勝彦
アレグザンダー・コート、伝令、使者、説明役/小比類巻諒介
ピストル/岡本健一
バードルフ/松角洋平
小姓/田中菜生
ネル、アリス、説明役/那須佐代子

シャルル六世/立川三貴
ルイ/木下浩之
フランス軍司令官/鍛冶直人
ランビュアズ、説明役、/玲央バルトナー
イギリス王への使節、フランス兵、使者、説明役/川辺邦弘

イザベル、説明役/塩田朋子
キャサリン、説明役/中嶋朋子

ストーリー的に連続性があるヘンリー4世を見逃したことが悔やまれる。(体調不良で遠征を直前キャンセルした)シリーズとしては、リチャード3世、ヘンリー5世と見ることができたものの、こうなると全部見ておきたかったです。
浦井健治成長シリーズ。

ハル王子がヘンリー5世として即位した若き王のフランスとの戦争を描くもの、英vs仏の構図がはっきりしていて、イングランドの勝利であり、キャサリンを妻に迎える完全勝利な展開で、イングランドの観客になったつもりで楽しく観た。

浦井ヘンリー王の真っ白い衣装、王冠が戦闘によって血に染まっていき、最後は深紅へ変わる。視覚的にも親切。

諸侯の衣装が美しく、特にフランス。青、深い青、ユリの刺繍。イングランドを侮ったお洒落軍団。毎回髪を整えたりで忙しい役の方がいて、面白かったです。

浦井くんが王の雰囲気をまとい始めていて、長いシリーズとして成長してきたことに思いを馳せるいちファンでもありました。余裕、出てきたよ。

セリフの響き方については、訓練あるのみ、もともとの声の質もあるだろうし。文学座の皆さんの声の通り方を聴いていると、ここにどうやったら到達できるのかと興味がわきます。
浦井くん、セリフになると声から艶が消えるんだよね。それでも聴きやすく言うことはできるのかもしれないんだけど、素人には分からぬのだった。

そして、横田さんのウェールジュ(ウェールズ人の役で、すごく訛っている)が最高にチャーミングで飾っておきたいくらいだった。さ行がシャシュショになってます。ネギを帽子につけて、郷土愛あふれる騎士でした。

ピストルとも住む世界が変わって、交流場面がないもののピストルの状況が分かるなど、連続で見ている客にはサービス。

中嶋朋子さん、初々しくてかわいい。戦争に負けたし求婚を断る選択肢もないし、とりあえず言葉もお互いの国の言葉が不自由だし、負けるとこんなだよねという場面なのに、意外とやるしかない派の前向きなプリンセスなので、悲壮感はない。
そして浦井ヘンリー王が慌てたりなんだりで可愛いので、うっかりほのぼのしそうになりますが、女の立場をしょんぼりして思ってみたり(いつものこと)。

全体的に、イングランドバンザイ、フランスを小ばかにした脚本で、演出も両国をはっきり見分けられるようしてくれており、下々の兵士であっても品がある、鵜山さんはいつもそうかな? 人間に品がありました。

2018/06/07

『モーツァルト!』5/31 古川さんに期待してる

M!チケ取りの時期、今年度の予定が白紙だったため1公演のみ取りました。
せめてWヴォルフちゃんと見たかったし、欲を言えば公演後半の雄大ヴォルフの成長も拝見したかった。

古川ヴォルフの良いところ、というか、古川さんのよいところはカテコの表情に出ていたように思います。

性格とかあまり存じ上げないけれど、おそらくご自分では全く満足できていない悔しさを感じる表情でお辞儀する姿に、

これなら伸びる!

あと、どういう風に出来ないかの質も大事。歌については、テクニックと場数な気がする。演技はどんどん磨いてくれればいい。
セリフの勘所みたいなものは良いと思いました。

新曲など、祐一郎とバッチバチに歌いあって火花散らして、コロレド様を蹴散らしてねー。


『モーツァルト!』5/31 美桜ナンネール楚々として、パパも元気

初参加の和音美桜さんナンネール

かわいい。当然、見た目が可愛いのだけど、少女から人妻まで全く無理なく演じ分けてらして、ハァァーと感心しました。お歌が素晴らしいのは知っているけれど、抑えたなかからにじみ出る、「もし私が男なら」の深さといったら。

花總さんも可愛いと思ったけど、美桜ナンネールは本気で男に生まれたかった哀しみ深い。衣装も良かったですね。

ナンネール、結婚相手とはあまり上手くいってないの? ここは花總さんのほうがいい家庭のような雰囲気があったような。

そしてパパ、市村さん。
お元気。元気だ。

初日の幕があいたばかりだからか、おふざけもなくて(オデコぺしぺしをササッと)真面目なパパ。
頭の固い、パパ。しかし愛情もあるのがよく伝わりますね。
いつまでも子供、心配がつきない感じも分かります。

コロレド猊下に、孫のレオポルト(自分の名前付けたー)を紹介しようとするシーン、猊下はこれまた以前より怒りを面に激しく出さす、じっとパパを見てました。
何を言うのかわかっているから、父親がモーツァルトを評価しきれていないのを、蔑むよう。何を言っても分からないだろうという表情に思えました。

前までの記憶だと、このシーンはかなりリウマチ悪化してるわと思うんだけど、今回はまずますなご様子。中の人の元気が溢れてしまったのかもしれません。

(市村さんの元気こそ驚異的、良いお仕事続けてください)

2人のデュエットもとっても良くて、しみじみと泣きました。
♪終わりのない音楽
以前は、父娘の想いはそれぞれに一方通行という印象だったのに、この日はお互いのいうことを理解はするけれど・・・と余白のあるイメージ。それが最善かどうか悩みもあるのかな?と思ったり。

この日のヴァルトシュテッテン男爵夫人は、香寿たつきさん。
ワーイワーイ、たーたんだぁ

見るたびに美貌と歌声がレベルアップ、まばゆくて優雅な男爵夫人でした。いいわぁ

♪星から降る金
親身になるとかそんな立場じゃなくて、私がお披露目させてあげたいわ~という心からってのがいい。だけど、いい話してくれてます。いい声で。
自立しなさい、と無責任に促す男爵夫人、良い。

セシリア・ウェーバーは、阿知波悟美さん。
不動のセシリア、今回も毒親で元気です。旦那さんたちが若返りしましたか。まだコワくなかったね、旦那。
美脚が隠されがちなのがさみしいけれど、ほんといつも毒親で最高です。

シカネーダー役、遠山さんは意識してみたのはこれが初めてかも。

ダメとは言わないんですが、こう・・・前任者がきらきらだったので、戸惑いました。小池先生的にはOKなのですか?? もっとアピールしていいよ。

市民のためのオペラを作ろう!って誘う役だし、プロデューサーで役者、やっぱり圭吾さんみたいなきらきら感あったほうがいいんじゃないかと思うけど。
もしかしたら、公演終盤あたりには、自分らしいシカネーダーを見つけるかもしれませんけど。見つけて欲しい。

その他大勢の役に埋没してました。アトリエに押し掛ける場面でも、ボーイズって感じです。
役名がついてるし、一曲歌うし、もっと弾けていい。
と思って帰って来たのですが、徐々に良くなっているようなレポを散見。いいぞいいぞ

圭吾さんシカ様の華麗なステップはDVDに残りましたね・・・ぐすん。

2018/06/03

『モーツァルト!』5/31 コロレド猊下に会えた(2幕)

♪神よ、何故許される
赤から黒に金の十字架刺繍の衣装へと。肩から床まで流れる薄布がお似合いの猊下。
刺繍の十字架増えた?
なんかもう、祐一郎がきらきらして見えるので、衣装もキラキラして見えるのか。

お屋敷は、コレクションルームとのこと。いいですね、本もいっぱい。上手側で譜面をじっくり読んでいる猊下。今日も素敵です。

父レオポルトには複雑すぎると言われたけれど、猊下はモーツァルトの音楽は正しく理解できている。ただし、平等思想はない。みな私のしもべ。

下手のステージでは、アルコ伯爵が珍品コレクションにいれますかーとお尋ね。音楽に心奪われて聞いてない。
(ところで、戸井勝海さんがメスマ―の役で、もったいなさ過ぎて憤死)

今回、いままで感じたことがないイメージがあったのですが、これまで猊下は意のままにならないモーツァルトが神から才能を与えられたことに、混乱というか、納得できません!といった風が強かったです。

ですが、この日の猊下のお歌を聴いているときに、こんな男に何故?と問いながら、それも神のすることだと理解しそうに思えた。理解というか、受け入れるというか。
愚かな男が作り出す音楽が最上のものだということを。
怒りとともに、自分が神さまに及ばない、人知を超えている、と伏しそうにも。

とても冷静な歌声に聴こえたせいだろうか。不思議です。
猊下の中でも、いろいろ変化があるのだな・・・

それと、雄大ヴォルフがあまりに普通男子で来るので、その男が才能を与えられた不思議、への戸惑いとも取れるかな? どうなんでしょ。

♪破滅への道
これが・・・新曲!!!
難しいわー、これは大変だわー。
いま、なんのメロディも耳に残ってない・・・歌いにくそうだったことしか!

緩急あるし、メロディ複雑だし、デュエットだし、がんばれ雄大。

祐一郎さんも抑え気味(おそらく雄大ヴォルフのテンションに合わせてるので、育三郎はどうなのか教えてもらいたい)なのですが、重唱部分になるとヴォルフの歌詞が通りません。
祐一郎さんは何を言ってるか聞き分けられたので、今後の課題その1です。

課題2は、やりたいことしかしない!境地での猊下への応答なのですから、もう少しアグレッシブな雰囲気で聴きたい。苦しんだけれど、「魔笛」の作曲はヴォルフの苦難の道の先にある、希望かもしれない。
魔笛を作曲しないで、猊下のしもべでいることは、自分にとって破滅と歌うのだから、がけっぷちで掴んでいる希望を感じたいなぁ

でね、祐一郎コロレド猊下ですが、何故そこに居る問題ですよね。
そこ、普通の道っぽいよね。お供も少なくて、しもべの私は心配した。
ここまでスピーディーではあるが、ストーリーに破綻なく場面も転換してきたのに、唐突すぎる!
歌の価値はあるんです。「魔笛」が真に独立したアーティストとしてのモーツァルトを表していて、そこへの動機が示してあるから。相手がコロレドなのも良いと思う。

だけど、歩いてたら道で合って、言い合いするって!

猊下は簡単に会えない高貴なお方ではなかったか・・・・ 時代は変化してるんですか? せめてせめてどこかの音楽会のゲストとか(まぁそれもどうかって感じ)
一番いいのはお屋敷に呼び出されるってことだと思うけど、そうすると2幕のたたみかけるような死への動きが鈍るんですねー。

これは悩ましい! もしいい案が思いついたら東宝にメールしたい。

そうそう、背の高さが似通っている二人が銀橋で見つめ合うの、眼福すぎて、ありがとうありがとう。コロレド猊下を360度鑑賞できるわぁ ありがとう。

シーンの唐突さの改善と、デュエットの完成度があがることを切に願います。

https://youtu.be/whntRhKXphs
こちらを拝見すると、ストーリー上にちゃんと組み込まれている感じが。演奏会っぽくみえますねー。

♪影を逃れて
猊下、またまたうっすらと晴れやかな表情に見えました。古川くん頑張ったねの表情で、ヴォルフを追い詰めたひとりのはずが、応援団長って感じです。も、もう少し後で晴れやかになったほうが良くない? 大丈夫?
(ほんの少し目が嬉しそうな程度ですよー、でも毎度祐一郎しか見てないから気になる表情で)

雄大ヴォルフの声ってわりと馴染む声なのかも。
アッキ―、芳雄くんなど特徴ある声質だと、歌い方以前に、声質の違いで主人公らしさがうまく表出しましたが、歌い方で聴かせていかないとダメなのかも。
見せ場なので、上手になっていくといいですね。

2018/06/02

『モーツァルト!』5/31 コロレド猊下に会えた(1幕)

祐一郎さーーーーん! 
猊下の着せ替え人形がほしいですー!! オプションは馬車と衝立。

お屋敷がゴージャスになって嬉しい。最初の
♪何処だ、モーツァルト! から完璧です。完璧に美、絵になる!
舞台を支配する力が素晴らしい。猊下、猊下!

権威と古い時代の象徴として、赤に金の刺繍をこれでもかと入れた衣装、マント、ああ素敵。キラキラ度あがった? 

お屋敷のなかでマントを振り回す意味が分からないけれど、美意識高いオシャレ猊下ならアリですものね。
前より右に左にバッサンバッサと多めに振り回してくれましたね? ありがとうございます。回数が多いほうがいいのか、どーんと見せ場にするのがいいのか、迷うところだな。 
 
この役、その辺の人では難しそう。馬鹿っぽくみえそうで「見えない」のが良い。

巨大ピアノの後方から晩餐の支度中のしもべのとこへ出てくるだけで、ヴォルフと住む世界が違うのだぞの威圧すごい。
そして細かそうなところとか、召使たちの表情からも分かるー。あと、召使さんたち猊下のこと好きっぽく見えた(贔屓目?)

テーブルに乗っても大して怒った表情にならないのが面白いと思うの。けっこう猊下、心広くなってきてないかしら。以前より、ヴォルフの才能を冒頭からもしっかり認めているように思います。若造がいきがってる、元気だな、ニコニコって程度でした。嬉しそう。

とりあえず、出てけって言ったけど、それもご自分の手の上で転がしてる余裕あり。

御髪もつやつや(パックしてるはず)、お顔もすっきり、眼福ですねぇ
楽譜をめくる手、手もまたお美しゅうございます。紙も喜んでいることでしょう。

♪神が私に委ねたもの
そうか、今題名みて気づいた。猊下は、ヴォルフの才能は自分がマネジメントすべきと思ってるんですね、信仰上のテーマとして。恩寵はすべて猊下の支配下に置かれるべき・・・

そして皆さま、お手洗いが消えてしまいましたね。猊下の可愛いシーンが!!
馬車の旅はあるわけですが。

プラーター公園などもってのほか!! のキレキレハイトーンボイスと、衝立バーン!最高に良かった。大事に思い出のなかに取っておきます。バーン!

新曲とのバーターということで。ヴォルフを追い詰める人たちのなかでも、より存在感を大きく示すため、猊下は可愛く無くていいことになった模様ですね。

とはいえ、可愛さがちょっと漏れてる・・・。
ガタゴトしたときに、アルコのこと見て揺れるねって顔になったり、ツーカーな話題で楽しそうだったり。

いちおう、馬に水を遣るために停車してるので、猊下? お手洗い行く?って心配になります。アルコ伯爵、気づいてあげて! きっと次の水ポイントあたりでお手洗いするわね。

♪僕はウィーンに残る
前はやや下手寄りでいちゃいちゃしてたのが、目線が下にきたあたり。パープルフリルのブラウスに黒パンツ、美人さんたちとお楽しみ中。
きゃー!

ノリノリ猊下をご堪能いただけるシーンはちゃんと残りました。小池先生ありがとう。

ガウン着せてもらう数拍前から腕をすっと伸ばして準備万端祐一郎が、カワイイ。
ガウンの紐結ぶ担当になりたいね・・・

同じくパープル系のガウンを着たら、上手へ移動。ヴォルフが階段であっちこっち暴れていた(ようです)が、私は猊下しか見てません
気づいたら、ヴォルフが隣まで上がってきていました。
お姉さまたちに笑顔で手を優雅に振る猊下。ああ素敵。

余裕の猊下、プリプリ怒ってるヴォルフを結局お前は俺のしもべでいるのが良いのだって顔です。平気な様子の猊下の代わりに、召使さんたちが驚いたり怒ったり慌てたりしてくれます。今回、反応が良いので楽しい召使ズ。

きちんとサイズが合っているので、動いたときのドレープの流れる様子がまた美!

あとヴォルフのカツラは階段なかあたりに横っとび。もっと猊下に狙いをすましていいのよ!
ちなみに自由だー! と叫ぶ、黒い革ロングジャケットが似合いすぎの雄大ヴォルフでした。

♪影を逃れて
1幕のラスト曲。えー、猊下は上手のステージ上で、ウェーバー家の女子(ママと娘たち)に左右を囲まれて歌います。猊下そこなんだ。
ほんと、完璧。いいわぁ祐一郎。

何となく晴れがましいお顔で歌っていたように見えたのですが、ヴォルフガングが頑張ってカツラをぶっとばしてくれて、ヨシヨシと思っていたのかもしれません。中の人的に、1幕しっかりできたねとか思ってたのかなぁ

『モーツァルト!』5/31 新ヴォルフガング

ヴォルフガング/古川雄大

コンスタンツェ/木下晴香 ナンネール/和音美桜
ヴァルトシュテッテン男爵夫人/香寿たつき
コロレド大司教/山口祐一郎 レオポルド/市村正親

セシリア・ウェーバー/阿知波悟美 アルコ伯爵/武岡淳一
シカネーダー/遠山祐介 メスマー/戸井勝海

アマデ/加藤憲史郎

@帝国劇場

日本初演から16年目、コロレド猊下とヴォルフの対決曲「破滅への道」が追加された新演出版。

巨大なグランドピアノが舞台に据えられ、鍵盤が階段に、蓋は壁になり、音楽というギフトを受け取ったヴォルフの短い人生そのもの。

1公演のみの鑑賞だし、幕が開いたばかりなので今後どんどん良くなるでしょう。

・ところどころ曲がカット(短縮)されてた。
・コロレド猊下のお手洗いがなくなった。(道行場面はある)
・かかわる人々と、時代に天才も影響されていることが分かりやすくなった気がする。
・猊下のお屋敷がゴージャスになった。衣装もキラキラ、マシマシ?
・猊下、ウィーンで謎のお散歩!!!(猊下が徒歩で移動するなんて謎すぎる)
・シカネーダーが普通の男子に見えます。遠山さんこれから来るんだよね?

■古川ヴォルフ
背が高い、意外と体は細マッチョ系なうえに、お顔が、顔が小さくてオカシイです! なんなんだ、人間か。ちょっと違うかもしれない気がする。女優さん泣かせですね・・・

舞台に上がる俳優として、舞台映えする肉体を持っているのは本当に強いと思う。そして普通の歩き方が出来るのねー。素晴らしい。普通にするの、案外難しいですよね。

声は良いです。音もテンポも捉えてた。鬼気迫る感はまだこれから。メリハリがうまく使えるようになると、もっと魅力が増すでしょうねー。

歌声の強弱を演技とまだしっかりリンクしきれてないのだろうけれど、それはそのうち出来るようになる。新曲、すごいキーになる良い曲でしたが、消化しきれてないというのか、手探り感が激しい。育三郎どう歌うのかな、気になる。

発展途上の人を応援しつつ見るのも、歴史を重ねてる作品ならでは。そう、全然ダメとかじゃないのですよ、もっと良くなる期待を感じる姿なのは悪くない。今でも及第点はしっかりクリアしてるので。

演技は良かった。歌の不足を補っています。なのでトータルとして「雄大ヴォルフいいね

アマデとの関係
新しく参加する人のほうがくっきり役割分担してるのが分かりやすいのかしら。育三郎も最初の年は、そんな風に感じたような記憶があります。

雄大ヴォルフは父世代に比べ感覚が新時代の男の子で、野心があって、女の子も好きで、でも支配的な父親もただ愛していて(愛されたくて)、そして強くて弱い人間でした。自分の中にいる「アマデ」との距離を取ろうとしたり、終盤は一体化していく流れが良かったです。

アッキーが完全天才型モーツァルト、
芳雄くんも徐々に繊細天才型にシフト、
育三郎は・・・普通の男子を残しつつ天才のエキセントリックさもあり(今回見れないのが心残り)

雄大ヴォルフは最も普通男子。
まったく別人格の天才アマデを持っている際だってた。
なので、自由を手に入れ、父が死に、自分も病となる終盤のアマデと不可分になるところで、
これ巧く言えないけど、アマデを自分自身として受け入れるというのか、ついに完全人間になれた瞬間に死ぬんだぁーーーっ!と見てて急に思ってびっくりしたのでした。そこ、とても良かった。

神の恩寵、アマデが居る意味、古川くんが大役にもがく姿と引き立て合えてました。そういう意味では、この役は若手ならではのものかもしれませんねー。
アマデへの憎しみの表現も、もっと広がるといいです。

コンスタンツェとは。
相手役の木下さんが硬いのが痛かった。まだまだまだ。

(松さま見てないの)私のなかでは、ソニンコンスが一番。
すごいだらしなくてダメなところろか、親に認めてもらえない苦しさとか、ヴォルフのミューズになりたいとか、全部良かった。というか、他のコンスは↑こんな風にしっかり伝わってこなかったもんね。
次点で平野綾コンス。甲乙つけがたいけれど、ダメ人間度でソニンが1位です。

ダメ人間同士で結婚したのか・・・っていうのがあのバカップルの良さなので、硬いのはいけないわ。歌うので精一杯なのだと思います。でも、この公演中に化けそうには無いような。

あと、個人的な希望ですけれど、コンスとベッドへGOするときは、がばっと体重かけてほしい。お願い。
芳雄くんががーっと行った年は、大人になったねと思ったものだ。雄大はひとりの時は色気が自然に出てたけど、コンスとのベッドシーンはからくり人形みたいになってしまって色気消えかけたのでションボリですよ・・・

死にそうな演技良い。
細いせいか、仮面舞踏会あたりからの追い詰められていくところ、いい。

ふらふらになっていく雄大ヴォルフ、死んでいく感じがすごい。
演出変更のお陰なのかな、雄大ヴォルフの力なのか、あらゆる人に搾取されていった人生感が強かったです。ほんと、幸せは一瞬しかなかったみたいに思えた(そんなこともないのでしょうけれど)

公演の後半も見たかったわー
皆さまのレポ、待ってる。

2018/04/11

『マディソン郡の橋』3/15.16昼 14 再演いつでしょうか。

月並みですが、マディソン郡の橋を見て流れる涙は、
人生は生きるに値する(by 劇団四季)
っていう涙だった気がしました。

4日間、短いかもしれないけれど、ふたりの人生を変えた4日間。
出会うべき人に出会った、でも、一緒の人生を選ばなかった。
選ばなかったことを互いに尊重しあって、生きたふたりのお話。

映画と原作は映画の公開当時に見ていたのですが、当時の私は20歳程度、不倫を美化しているんじゃ?と斜めに見てたわけです。
子どもに告げずにいたなら、墓まで秘密をもっていけなかったフランチェスカを、傲慢だとも思っていました。

40代となって思うのは、子供たちもフランチェスカの年齢になって、親となっている点に気づかなかったなーということ。拍手する話じゃないけど、人生にはいろいろあるって知っている年齢、批判せず理解してくれると思ったのかも。
わたしがそうなので。

バドが一生知らないでいるなら、あるかもしれないね・・・くらいは分かる。フラニーが流された気持ちや、どう選んだかも分かるなぁーと。

ミュージカル版、原作や映画の「大人になった子供たちがママの手記を発見する」構成を取らなかったのは良かったです。理解すると書いたものの、やっぱり喉につかえちゃうもの。

あくまでも、フランチェスカとロバートの4日間の物語に徹したのが良いです。
そして、RJBが最高に素晴らしい作曲家でした。ありがとうございます!

あとは再演するだけよ! 待ってますーー!

『マディソン郡の橋』3/15.16昼 13 色あせて~のこるはあなた♪

ジョンソンです。
お葬式の後、ジョンソン家の電話が鳴る。フラニーが出るけれど無言電話

誰からかははっきり描かれなかったです。
ロバートかな? フラニーもそう思ったかもしれません。

ナショナルジオグラフィックオフィス。
同じ秘書(彩乃さん)が、髪の毛がシルバーのラインが入って時間を感じます。話し方も、チャラーんとした感じは同じなのに、年季が入ってる。

ロバートが電話。電話、型が変わってましたっけ。ね。
呼び出し音、アメリカ映画でよく聞くタイプに変えてあげたい・・・(すごい日本の呼び出し音だった気がするの)

ひとり、うす暗いお部屋から電話するロバート。

もう写真は撮らない。

お願いしていた電話の件ももういい。
フランチェスカがここに電話すれば、いつでもすぐに迎えに行くって言ってたから、連絡がちゃんとつくように待ってたことが分かります。

きっと秘書さんは、詮索せず言わずとも一緒に待っててくれたのね。
ロバート、ただ一人のひととは一緒にいられなかったかもしれないけど、仲間はいたじゃないのー

はっきりと言わないけれど、どうも余命宣告させたような病気のようです。神様!

It All Fades Away
ロバート

アカペラから始まる歌。

色あせて~色あせて いまも残るは あなた~♪
あ~あ~あ~あ~あ~あ~あ~あ~♪

この、あああ~♪のとこ、感情で乱れるところがまた良い。セツナイ。
写真もすべて処分したけど、あの日のあなただけ処分できなかった
(これは手紙に書いてたっけ)
世界を切り取って時間を閉じ込める、そんな写真を撮り続けてきたロバート。
でも手元に残したかった、というか処分できなかったのが、フランチェスカとの思い出なんですね。

命や存在がなくなっても、あなたは鮮やか・・・
壮大なイメージの曲調。
あの日の思い出が、ロバートの人生を少し明るい世界に変えていたのなら、嬉しいと思いました。

さらに年月がある程度経過したらしい雰囲気。
ポーチに座ってロバ―トから届いた手紙を読むフラニー。

何度も書こうとしたけれど、出来なかったこと。
そして書いたお手紙がこんなお手紙でごめんね、と
(死によるお別れの手紙だから)
4日間がいかに幸せであったか。
たまに僕を思い出してくれたらうれしい。

こんな感じだったか。もはやわたしの妄想かもしれません・・・

Always Better
フランチェスカ、ロバート、カンパニー

わりと曖昧に訳していたように思います。なんとなくな感じ。

もしあの時、愛を選んだら子どもの成長が見れずにいた、と言ってたな。
家族への愛、ロバートと出会って知った愛、そういういろんな愛について歌った気がするの。
どちらが良かったの?
決して悔いはない♪

オリジナル歌詞だとロバートへ向けて歌ってるんだと思うんですが、違うのかな。
訳詞で聞いたとき、対象がぼやけてた気がしたんですよね。

フラニーを囲んでバド、子どもたち、隣人、いろんな人が登場。
そしてロバートも。
やさしく静かに見つめながら、

ふたりなら一瞬で どこまでも行ける~♪

ささやき声が流れて

Fin

『マディソン郡の橋』3/15.16昼 12 日常がどっと戻ってきた(歌がない)

行こう一緒に! の祐一郎ロバートの声がこだまするー。
会いたいなぁ・・・
祐一郎の声はね、若者の声だったんですよ! 

CDどこー? DVDどこです?
トート閣下も残ってない、ってか、主演作品が残ってないのは何で。

昨日書いたこと振り返って思うのですが、
置いて行かないで、と頼んだフラニーは自分で責任とる勇気がまだないのね。
ロバートに連れて行かれた、なら自分のせいではないと言い訳できるもの。

ロバートはもしこの家を飛び出すなら、自分で決めた覚悟がなかったらお互いに向き合えないことが分かっていたんだろうと思います。

トラックが出て行って、まだ宙ぶらりんのところにいるフラニーのところへ、
家族が賑やかに帰ってきます。
ブルーリボン賞!とキャロライン、わりと母親を気遣ってそうなマイケル、そして帰宅できてほっと嬉しそうなバド。

さきほどまでの非日常ロマンチックファンタジーが、一瞬で! 日常に
洗濯物。晩御飯。はぁぁ
買い物にも行ってないし。

それだけロバートとの時間に夢中だったということだし、思い出したくなかったのもあるかな。
何もないから、と外食しようと提案するも、君の手料理が食べたいと。まぁそうだよね。

バドが善人なのがまだズキズキしてくる。
ごはんの支度してないって言われても怒らないし、何食べてたの?って心配してくれるし、ラタトゥイユにお肉いれればいいじゃないって言うし、いいひとなのよ・・・・・(裏切れない)
結婚相手としていいひとだよう

混乱して、キッチンで「・・・・・!」ってフラニー声にならない声で言ってたでしょ あればロバートって言いました? 
16日は全く聞き取れなくて。

どのタイミングでロバートが雑誌社に電話してたかな
撮り直しは無し、6時には出るよって。
またまた、彩乃かなみさん、メガネのおかっぱ秘書として登場。かわいい

困ってるとこへ、マージ!
マージいいひと。やさしい。ラザニアとケーキ(と、パン?)持って来てくれた。

どうして買い物行ってないって分かった???
さすが、双眼鏡。
見てたのはアレだけど、詮索すること言わないし、お料理もって来てくれるし、いいひと。

マージは子供たちにごはんの用意をしてくれて、フラニーは納屋にいるバドに話があるのって言いかける。

自分の人生に意味なんてあるのかとかバドに言うと、家庭を作ったじゃないかーとニコニコ。
そうじゃない、自分の人生は? 思い詰めて、ロバートのことを話そうとしたときに、キャロラインの叫び声が。

マイケルが車を運転しようとしてる。

免許あるんだよね? なんでここまで怒るのか(子ども扱いして心配なんだろうけど)とにかく、バドがそれまでのやさしい表情から怒りモードになりました。

コワイわ。このシーンのためのやさしいバドだったのかしら。
支配的なんですよね。
家長の責任感と言えば良く聞こえるけれど、自分の価値観を押し付けてしまっています。マイケルを自分に属するもののように扱うんだな。

アイスクリームを買いに行こうと思っただけだよ。
泣く。
マイケル、やさしいわ。彼なりに、暑いしママもゴハン作ってなかったしって考えて行動したのに。

数日ぶりに帰宅したら、ご飯のこと忘れてるし、人生の意味とか言いだすし、いくらのほほんとしてるバドも予感したのかなーと思います。その不安な気持ちが、マイケルへの怒りにも繋がっていった。

おろおろするフラニー。
こういう時、自分の存在を薄く感じてたのかなーと思います。バドに追従してる限りは、夫からはいい妻であるという。でも子どもからは軽んじられかねないですし、信頼されるかどうかですよね。

バドが怒って、黙りこくってシーン。
フラニーがたまりかねて、みんなでアイスクリームを食べに行きましょう! と。
キャロラインはマイケルが行くなら嫌だとか叫ぶも、バドが「アイスクリームをー!みんなで!たべにいくー!」と叫ぶ。

コワイ。ほんと、禅さん怖かった。
バドにも思うところがあって、これが家族の危機って感じたんじゃないかと。

町に着いた。やっと音楽がドーンと感動的に流れてきた。
何も持たず生まれ変わる~のメロディが。
フラニーの隣にはキャロライン。

実際は、ロバートと目を合わせただけなのです。演劇的には、走り出してロバートと抱き合うフラニー。気持ちは、そう。
でも、走り出さず、アイスクリームを食べに行きました。

心を決めて。日常へ戻るのでした。

時は流れて。

When I'm Gone
チャーリー、バド、カンパニー

自分はいつか死ぬ、残せるのは土地、そして愛だけ。
男の歌だったな。
無口な男の思いって感じ。コーン畑に囲まれた農家の男の心。
戸井さんかっこいいーっ

マージとチャーリーが盛装している。キャロラインが結婚する。
ハンカチは2枚!
このご夫婦は安定感があって、良かった。思いやりがあるし、お互いを信頼してるし。

どんどん時は流れる。マイケルが最優秀で医大を卒業。
フラニーがバドからマイケルを守ったから、とマージかな? 苦労を思い出して。

そうしてバドが入院。
そして、バドのお葬式。

すっかり落ち着いた母となっているキャロラインとマイケル。

寂しくないように私の家の灯りは付けておくね、と言うマージ。
マージは双眼鏡持ってるくせに、実際の人間関係は意外と節度ある態度という・・・不思議なお隣さんでした。
マージのファンです。

アイスクリームの争いから、バドの死まで息つく暇もなく、早い展開でした。駆け足のわりに、時間の流れを感じられました。何が良かったのかな。
自分のなかに、20年がどう流れるか物差しがあるのかもしれませんね。

2018/04/07

『マディソン郡の橋』3/15.16昼 11 ふたりなら一瞬でどこまで行ける

デモインから戻ったとき、フラニーが楽しかったーってバッドにばたんと仰向けになるの。開放感。妻であること、母親であることから解放されてる。

バドからの電話で、一瞬現実に引き戻されるんだけど、まだ(本当は醒めそう)夢はつづくように振る舞う。

Before And After You
ロバート、フランチェスカ

Before And After You の部分は、何も持たず生まれ変わる~♪ 
かなり意訳って感じになってましたよね、でもこの歌詞くらいしかきちんと覚えてない。歌詞教えて。

まだフラニーは夢のなかにいて、知らない自分を見つけた、それをロバ―トとの出会いで得られたんだっていうことでいいかしら。意外とポジティブな感じにも聞こえたのだけど、どうだったか自信ない。

オリジナル歌詞のほうが、はっきりと出会いの前後のじぶんが引き裂かれているって言ってて、もう悲しみが。

初めて聞いた日、この歌は喜びの歌に近いように聞こえた気がします。
でも、翌日は、その先に行けない哀しさが聞こえました。

自分の気持ちとか、キャストの二人の流れでどちらにも聞こえるんじゃないかな?

♪One Second And Milion Miles
ロバート、フランチェスカ

音楽は繋がって、ロバートの魂からの呼びかけ。

こんなピュアで美しい心を歌う祐一郎(レミでも神様への歌は美しいけれど)
個人的な思いを歌うなんて、初めてだわー。
心は18歳、みたいな顔でした。

損得とか常識とか、立場とか、そんなことよりあなたとの人生を求めているっていう呼びかけよ。
(ワタシならどうするかなーと一応考えちゃう。皆さん考えましたよね?? 
たぶん行かない・・・んだけど、このロバートの言葉は一生胸に刻むわ)

ふつうに話すときは落ち着いた大人の男性なのに、歌うと見た目の年齢がどこかへ飛んでいくのね。美しい・・・
わたしの心も切なくてきゅーん、涙涙涙。

必死に説得、とかそんなんじゃないの。
フラニーと同じ気持ちだってもう知っているの、でも、電話の先にいるバドやこの家がフラニーをとどめているんだね。

ふたりなら一瞬で 飛び立つ~ ほんの一瞬で♪
ふたりなら一瞬んで どこまで~も~ ゆける~♪

要らない要らない何も他に!
あなたは彷徨う魂・・・
行こう一緒に♪
旅は約束の地へ~♪ あなたへと ほんの一瞬で!

ロバートの言葉を聞いているフラニー、最初は飛び出すってことを想像もしてなかったって顔にみえて、どんどん引き込まれて、行こう!って心を合わせていくように歌声も一緒に響きます。
向き合って呼びかける姿もイイ・・・

どこまでも~のメロディで響く祐一郎さまのお声が好きすぎて、ずっとずっと脳内リピート。

いやー、でも
この作品は曲のすべてが良い。
まだCD出ないの? おかしいわ。

要らない要らない、も何たる可愛さ!と驚愕したし、
行こう一緒に~ と歌われて拒否できる? この一歩を、この手を掴んだら、違う人生が始まるっていう誘惑。祐惑。つらい。

でも、メロディが終わると、現実が目の前に。

有り得ない夢!

フラニー、床に崩れ落ちる。
この後しばらく自分のことしか見えてない。あと少しで家族が帰ってくる、とパニックに。

ロバートは、やっぱり、と、そういう答えが返ってくることも知っていたけど、その上で諦めない気持ちもあって、落ち着いた表情にもどる。
まだ希望をもって、フラニーに呼びかける。はぁ優しい。素敵な人だよ。

聞いて!
何だっけ、6時に町で会おうって言い聞かせるんだったよね。

じゃ!って感じで颯爽と出ていくロバートが、中学生かしらってくらい爽やかすぎでした。心も体も大きいなぁ
(ここ、貴婦人の「クレア!」ってなだめるところ思い出したわ。また祐一郎が涼風さんを包み込んでるー)

置いて行かないでって言っちゃうのも弱いけど、分かる。
あなたから来いって言ってほしい、っていうのも。
でもロバートは、選んでほしいと願っていて、

人生の生き方の決断だから。そして何を選ぶかも知っていて決断させたの・・・?
大人・・・

結果的にフラニーは残る選択をしたことで、「選んだ人生」に責任をもって生きることが出来たんですね。
キアラの幻影も気にせず、自分がはぐくんだ家族を守ることも出来たのでした。
ロバートはそこまで見えてたのかな。

さて恋の歌ってミュージカルには数多あるわけですけど、
叶わぬ恋(この場合は叶っているけれど、現実には昇華しない恋)を歌った歌、これが1位になった。

ちなみに、これまでは『二都物語』で芳雄くんが歌った「この星空」が1位でした。こちらもこちらでいい曲。まだ再演しないのかな。すみれちゃんにも出てほしいし。

こんなに書いてみて気づいたんですが、この曲について、言葉をつくしてもその時感じてたことって、まだ全貌が見えない気がしています。

この10年ちょっと集中して祐一郎さまの出演作を見てきたけど、いつも予想より上なんです。出来上がっているものが。こんどの祐一郎さまはこんな感じかなーとか思ってても、ずっと素晴らしいの。

祐さま自身のことでも、感じることがあって、涙が出ちゃうんだろうなぁ

2018/04/05

『マディソン郡の橋』3/15.16昼 10 抑圧されているから。

デモイン。カフェで手を握り合って見つめ合っている二人。
焼ける・・・ジュウジュウ

(ところで、いま読んでるミステリ小説でサブキャラが「デモインに出張」に行って、うわぁーと喜んじゃった。調べたらけっこう有名な都市なのね)

Almost Real
フランチェスカ

フランチェスカの姉、キアラの歌。
ナポリの女の子は、ママの理想か男の子の願望を叶えられるかが女の子の価値だった。彼らの望み通りになることが期待されてた。
そのままの自分自身でいることは難しかったということね。

1幕でさらっとロバートが言った「女の子は抑圧されているから」っていうセリフにつながってます。ロバートの言葉で、フラニーは“抑圧されているのか?” と自分を見直したのかもしれません。

戦争前、フラニーとパオロとの思い出。きらきらした思い出、でもパオロは戦争へ行き帰ってこなかった。
キアラは彩乃さん、パオロは石川くん

まずは沢山の役をこなす彩乃さん、キアラ役もまた良かった。色っぽくて謎な感じもあって。けっこうなアクロバティックな動きが多くて、大変そうでした。
口を開くように脚を開くの♪ の歌詞のあたりでは、開脚して見せつけてみたりね。

お前は農夫の妻くらいが関の山(歌詞はちがったけどこんな感じで)というキアラの言葉が今だにフラニーの胸に刺さっているようです。キアラ的には誰の妻であるかが自分の価値だという話なのかな。
そういわれても、パオロとの結婚を夢見ていたのに、戦争で奪われたのでした。

やめてキアラ! これを失敗と呼ぶのは♪
キアラの呪いから遠く離れたかった歌なのかなー。体も心もオープンにみえるキアラへ愛憎あるのかなと。

そして、21才のアメリカ兵だったバドと出会う。
彼は翼♪
ここにフラニーとバドの関係が如実に出てて、荒れはてたイタリアから、キアラから遠く離れて自由になるための翼だった。I could love him オリジナル盤だとこう言っていて、意志によってバドを愛したってことなのかしらね。翼だから。

過酷だった時代を思い出して、Almost Real と歌うのって、愛だと思っていた、人生だと思っていたということ? 本当じゃなかったよってこと?
ダレカオシエテ。

ママの期待どおり、男の子の願望を叶える女の子→相手がイタリア人じゃなくて、アメリカ兵になったけれど、相手に合わせて自分を抑えてたのは同じ。
でも、パオロのことは素直に好きって思ってたのよね。彼の死がきらきらした心を閉ざしてしまったのかも。


この歌のあとは、
イタリアには一度も帰ってないこと。
バドがマイケルの態度を許さない(反抗的態度は許さない)ってフラニーが話して。
マイケルはここを出たほうがいいと思う、そしてアイオワから出るにはロケットみたいに飛びださないとって話。

マージとチャーリー
フラニーとカメラマンがああ!っなことになってたらどうしよう・と心配してるマージ。もしマージがカメラマンによろめいたら? って話。

チャーリーはそうなったら、兄弟のところへ行こうかなーと。ひどいわ!とマージ。
でも、自分は品評会に行ってないし、君もここにいる、いつもの自分たちだ、望むままの自分たちだとチャーリー。

ぼさぼさーなチャーリー、カッコよかったよね。彼らは心を開いて人生を歩んできてるんだなぁ

ジョンソン家に戻ったフラニーとロバート
バドから電話あり。リンリンーン。
後ろめたさが見えるフラニーの表情と、苦しそうな影がさすロバート。

2018/04/03

『マディソン郡の橋』3/15.16昼 9 甘くて甘くてとろけています

大阪公演も終わってしまいました。

千秋楽カテコでの農夫役のため筋肉つけた禅さん、腕立て伏せを始めた祐一郎、と聞きました。映像ないのーーーーー??
とても充実した公演だった。観客も燃えたし、俳優としても燃えたのね。
少数精鋭の出演者、オケの音も美しく哀しく、再演の発表など待っていたのに。まだないですね。いつかなー。
・・・・・・・・・・・・・・

さて観劇当日にもどります。幕間で立ち上がることもできず、自席で放心していたわたしです。

見ている間も胸が締め付けれる思いでしたが、客電がついて忘れていた息をしたら、するするーっと涙が溢れてました。こんなのは初めて。

「言葉」にまだできない何かが全身を覆っていて、まだ何かわからないけれど、心が涙を流したのでした。思い出し泣きとも違ったの。幸せと哀しみが同時に誕生する出会いって、すさまじいわ。

ともあれ、スゴイもの見てしまっただ・・・と舞台に向かって拝みだしそうな勢いでした。
結局、初見の15日はそのまま2幕が開きました。受け止めきれぬとおろおろしていたら、超明るい曲、この曲、ここで入るのかー(巧い)

♪Stete Road 21
ガールシンガー、

フェアの横断幕をもって上手から来る加賀谷カウボーイ。
彩乃さん扮するカントリーガールなどは客席からヤッフー!言いながら入ってきます。1幕の心乱れた我々には、ちょうどい調整剤でした。楽しいも大事。

しかしここの歌詞はちっとも頭に入ってなくて(他を覚えておくので脳が満杯)
道は開かれた~♪ くらい。マイケルにつながる歌詞かもしれないね。

The Real World 
マイケル、キャロライン

曲調は前のカントリー音楽のまま、マイケルの歌へつづく。

親父が死ぬまでこのままか、自分の人生を生きたい、青年の主張ソング。家業は継がないと決心している様子。石川くんはでっかい農業用フォークを回しながら歌います。
最終審査前でドキドキのキャロライン。OH OH下らない、今のすべて見てよ~♪

Who We Are
ロバート、フランチェスカ

Mm~の曲! 祐一郎の!Mmmm~♪ ハミングソング。
眠っているふり? 束縛もない~
ありのままでいればいい~♪

そうそう前もって聞いてましたけど(笑)
ロバート脱がない・・・
ちょっと、ちょっとくらいお胸がはだけていても良くってよ!

きっちりシャツの裾もジーンズにインしてるわー。OH OH
フラニーはコットンかな? 素朴なたっぷりシルエット長袖のシンプルネグリジェ。
お二人とも肌見せは死守なさいました・・・

ベッド脇に座ると、あ、ドクトルの変装も変わったなぁと思っちゃいますね。脈は~♪(これはトート閣下)
祐一郎に覗き込まれるんですよ? そりゃ溶けますね。

呼応するようにフランチェスカ、透き通る声でAH AH AH~OH OH OH~♪

この、このーっ
幸せそうな2人が互いを思いあう曲だった。ロバートがもう優しさの極み。
お声はかなり甘くて、フギャー祐一郎ぉぉ~(声にならない叫びが出る)

祐一郎にオハヨウされたらどうしましょう(されません
寝たふりどころか、死んだふりしてるうちに死んでそうですネ。くーっ

1幕ラストではロバ―トが後ろからフラニーを抱きしめていたんですが、ここはフラニーがベッドに座ったロバートの背後から抱きながら歌うの。
肩ごしに手を繋いでるのが良いよねー。ただのロバートとして、安心して甘えてられるって顔でさ。

カントリーガールの曲も将来を考えてるマイケルや品評会でドキドキしてるキャロラインも遠い彼方です。

コーヒーを淹れよう。
悪いわぁと答えるフラニーの声が甘くて溶けてました。羨ましいくらいのトロけかたよの。
デモインに行くつもりある? ちょうどいいわ(ハート)
キスしてもみんなに見られない距離!

2階のベッドから1階への場面転換時でしたっけ。2人の声だけで進行してました。
これまた超絶甘い声で。
コーヒーの淹れ方とか、このコーヒーポットをみんな笑うのーとか(加賀谷さんが見せてくれてました? ああ、記憶が曖昧)ホイップしたのは桃(に乗せるの?)!

で、ブラックで飲むのが好きだって話とか、飲み方の話してたらフラニーが「バドは・・・」って言いかけたのを、めっちゃ拗ねた声だして別の話題でぶった切るロバート

フラニー、すごい自然にバドのこと言うの分かるよ。家族なんだよね。恋のライバルだなんて思ってないから、うちの子はね、っていう程度のつもりだったのだと思う。

嫉妬で拗ねて甘い声の祐一郎・・・貴重すぎて、うわー!うわー!

2018/03/31

『マディソン郡の橋』3/15.16昼 8 旅はあなたへと至る~

ロバートの視線が熱い! 火傷!

カップボード前にて。ほぼフラニーはロバートの背中に隠れ、キスしてるのね、と。
(真後ろの席だったから、ちょうど見えないけど・・・)
がつーんと行ったので、トート閣下が浦井くんのエナジー吸い取ったくらいかなと思いました。想像。

冷静に燃えてる感じ?
いやいや冷静じゃないんだろうけど、落ち着きもある態度で、でも有無を言わせぬ迫力でフラニーに再びキス

自分の好きな人にこんな目で見られたら(望んだ通りよ、フラニー?)それだけでは済まないのは、必然といいますか、抗うことはできないですね。お食事にさそった時点で、自分で扉は半分開けたわけだし、いやもうほんと。

ラジオ音楽がフェードアウトしていき、
♪Falling Into You

へと流れるように繋がる展開。距離をとったフラニーに向かって、ロバートが歌う。

なぜ山を登り、海を渡り、野生の馬に憧れる?
終わらせよう~

旅は あなたへと至る
空をこえ 港めぐる これまでの 旅は あなたへと至る

(フラニー)
言いしれぬ(かな?) 名付けられない 
ひとことでは片づけたくない 
この想い地上で初めて 味わうふたり・・・

あらゆる答えが指し示している たどるべき道はひとつ

旅はあなたへと あなたへと至る~ フランチェスカ
このために生きてきたと いまわかる

オリジナル盤で聞いたときも、まず惚れた1曲です。1幕のラストを飾る。
ロバートの孤独な魂が呼びかける曲。フラニーは突然人生にあらわれた知らなかった感情に心が開かれていく曲。

いい曲だー。そして超難曲。出だしの歌詞は2公演だけじゃ把握できなかったのよー。囁いてたしなー。歌詞くださいー。

初対面の通りすがりのいい感じの人、からの、この裸の心のロバートまでの変化、いいわ・・・素晴らしいわ。
言うまでもなく、お声もとても艶があって切なくて良いし、2日目の夜は繊細な表現の連続。

・・・動くと可愛すぎるのが難点ですが、それは祐一郎だから仕方ない。

ロバートは、今まで(比喩でもありカメラマンの仕事でも)放浪してきた理由が、フランチェスカへ至る道だった、と過去の自分を肯定できてるんですね。
愛着のないモーテルで過ごす夜など虚しさを見つめることもあったでしょう、でも、ニラニーに出会って着地点を見つけたと思っている。

フラニーはロバートの歌詞に声をそろえていく展開
インタビューでどちらかがお答えになっていた気がするんだけど、竜巻のような恋? 自分ではどうしようもなく強風が襲ってきて上昇していく感じ。

キスをちょっと拒んだフラニーでしたが、ロバートの想いを聴いて、決断がなされた。か、迷いが遠くへ飛んでいったか。
自らロバートの手を引いて、2階へと誘いました。

1幕終了。

立てる? 立てません。
(習慣なのでお手洗いに行ったほうがいいような気がしたけど、水分も出尽くしてたので、必要なかった)

2018/03/30

『マディソン郡の橋』3/15.16昼 7 いつもはこんなことはしない・・・

送別会つづきておやすみしてましたよ・・・

さてそろそろ固唾をのんで見守るコーナーへと近づいてきました。心臓がいたい。

ジョンソン家リビング、上手の階段、2階から降りてくるフランチェスカ。コットンのワンピース姿。
熱い視線で見つめるロバート。ここだけで、わたし溶け始めましたけど・・・

どんなに美しいか自分でわかってる? 近づくロバート。
いつも・・・なの? 
旅先でいつもこんな風に?(女性と仲良くなるの?)
扉をたたくの?
扉を開けてしまった。

いつもは、こんなことはしない。お茶も断る、家にもあがらない、食事も遠慮する、長居しない。
腕に触れたり・・・こんなことは・・・
ささやき声で距離を縮めてくる祐一郎ロバート。

わたしは走り回りたいくらいきゃーーー! 客席でひいいと固まってました。
フラニー、もうダメよ・・・ここまで来たら拒絶とか無理

キッス!
今回みた2公演、センターと下手寄りだったので、大きな祐一郎の背中と、フラニーのほっそりした手がゆっくりロバートの背にまわるところしか(しか!)見えなかったんだよーう。再演してもらわないと、上手から見れない。

少し背伸びしてるフラニーの足とか、けっこう情熱的にがっと行った祐ロバートの動きとか、永遠にリピート中
すごい久々に恋愛モノもいいねという気持ちになっている、このわたしが!

背中のシャツの生地が横に引っ張られてるのを、長い足を、うっとりと眺めていたわ。
刺激がつよすぎるー。
フラニーになって抱きしめられる妄想も、無理!ネギ・・・お願いします。

リンリーン♪ お隣のマージよー!
じっくりと二人で抱き合いながら電話に近づく。
祐一郎がフラニーの手を取って受話器へ。これは、どっちが電話に出ようとしてたの? それともただじゃれてたの?

すっごいあまーい声で電話にでるフラニー、その声は大問題だよ? 
写真家の話をするマージ。
遊びにいらっしゃいよーとお誘いの電話。
またもお風呂に入るから!と断るフラニー。明日はデモインへ行くから遊びに行けないわー。
マージはヒッピーカメラマンのことを注意し、拝んでみたいわーんと言いながら切った。マージいいわぁ

一緒にデモインに?と誘う声がうきうきロバート。二人には「いま・ここ」しかなくなった。
音楽を、とラジオつけます。さっきあんなに揺れる乙女心の声でキスしたのに、ここわりと普通な声(かわいいんだけど色気がすっと減った気がした)の涼風さんなので、面白かったんですけど、吹っ切ったわけじゃないのにね、なんでだったのかな。落ち着いたのか?

♪Get Closer / Falling Into You
ラジオシンガー、ロバート、フランチェスカ、カンパニー

伊東さん素敵! 
さっきまで、ヒッピーを拝みたいお隣さんだったのに、男性ファンからお花をもらう素敵歌手に変身。いい声~

くちびるが素敵ね~とびつきたいわ~♪ 
オリジナル盤より、言葉が綺麗に思えました。若干オブラートに包まれたかな。これも歌詞としてうまく出来てます。

上手に伊東さん、加賀谷さん。それから戸井さんが、びしっとスーツ姿になって、めちゃくちゃカッコいい。おじさま素敵!
チャーリーのときのリラックスしたお姿もいいけれど、やっぱり見違えるー。
下手側は、コーラス。石川くん、島田さん、彩乃さん。

恋する二人は中央で静かにゆっくり抱き合ってダンス。
音楽がおわってキスしようとしたロバートから、すっと逃げるフラニー。

目の前でかわされて、手のひらをジーンズにごしごししてるロバート。全部キュン死爆弾となってわたしを襲います。はー、もう、ティーンの初恋物語・・・

心の中に初恋モードが溢れていながら、実際の2人はけっこう人生経験のある成人同士であるあたり、ギャップがまだ、胸にささるのよねー。
この出会いの“行きつく先”がどうなるのかってこと、考えずにはいられない。敢えて、2人は考えないことにしちゃった夜なんだけど、喜びのさきに悲しみを見てしまって、もう泣いてるわたしだった。

2018/03/25

『マディソン郡の橋』3/15.16昼 6 俺にしたらお姫様~♪

緊張に耐えられなーい!と倒れ込んでいる品評会のキャロライン。雄牛オフザイヤー?
自分が育てた牛だとか、触るなとか、ぎゃーすかぎゃーすか。一人きりになりたいフラニーの気持ちが分かるのう。

フラニーとロバートはジョンソン家に到着。

バーから電話するバド。ほろ酔いだ。

品評会の話をして出発は(一日延びて)金曜になるよ、電話を切ろうとするフラニーに、まって! あと5分は話すつもりだよ~えへへ。禅バドはほんと愛らしい。
最期までフラニーを思っていたのだろうなと思うよね。優しいバド。

ここでフラニー必殺カワイイ声。暑いのよ・・・お風呂に入ろうとおもってるの。ニコニコ、ゆっくりつかれよ! フラニー、さくっとチャオ! フラニー、今はロバートに夢中なの。

♪Something From A Dream
バド

1946年、無口で通したカッコいい(とは言わなかったけど)俺バド。
フラニー最高に美人、取り巻きは怠け者のイタリアン
(バド、イタリアンのことはディスり傾向)

俺にしたらお姫様~♪
今年はどこかにつれて行ってやろう(来年かも・・・お金はかけられないけど)♪
文句を言わないから、気を配らなくては。
言いたいことも言えないままかもしれない。

バドはフラニーのことをちゃんと見ているし、思いやりのある言葉も態度も示してくれるので、良い夫なのは間違いない。

この歌の合間に、子どもたちのやり取りが後ろで。マイケルが、農家にならない、家を継ぐのはお前(キャロライン)だ、と話していたと思います。たしか。

2幕でナポリの女の子の歌 Almost Real と対になっている内容。
バドにとっては悪意なく素直に「夢のお姫様」と結婚したんだと幸せに思っている。でもフラニーは、ナポリの女の子の将来というのは、自分自身ではなく男にとって都合いい女であること、そしてそれの拒否感みたいなものを言っています。

フラニーはバドが夢の女を自分に見ていることを承知で、バドは自分の「つばさ」だった、このGIを愛せたらいい、と結婚した・・・という自覚がある。
ロバートはバドにはない情熱的な愛で惹かれる相手であったこと、と対比が生まれています。

2018/03/24

『マディソン郡の橋』3/15.16昼 5 フランチェスカ~

=翌朝=
♪Look At Me
フランチェスカ、ロバート、カンパニー

清々しい朝。みずみずしい恋のはじまり。

彼の目が~♪ のとこ、涼風さん手を目の横で水平に移動させるの、かっこかわいいー。身だしなみに気を遣うのも久しぶり。
少女のころの思いを思い出して、ロバートに見つめてほしいと歌います。時も止まる。

もうこれ以上 もう怖くなる(?) このまま見て♪いて♪ ほしい~♪

(見つめられるだけでいいの。こう言うってことは、それ以上を望む気持ちに畏れを感じているからね 惹かれるけれど、触れてはダメ・・・)

オリジナル盤聴いてるときは、もっと踏み込んだ肉体的な欲望を感じたのですが、涼風さんが朝の妖精のように歌うと、初恋モードで甘酸っぱくもあり。

探していた光(見つけた!)~♪ とこちらもキラキラしてたロバート。

キンケイドさーん! (とりあえず色気のない感じで声を出すことにしたのね)
また会えた・・・
橋の写真を撮っているヒッピーの写真を撮っていく町のひとたち。

大股で歩き回るロバート、いやだかっこいい!
たいていは、待っている、という話から次の曲

♪The World Inside A Frame
ロバート

フレームの形を手でつくって、少しずつ小さな窓にしていくの。

(わたし)キュン死。

わかる?
小さな窓で世界を切り取るカメラ、の説明。耳のそばで、こんなキラキラの声で囁かれたら、瀕死。
光を待って、
まだ待って、まだ・・・、まだ!
いまだ!さあ!さあ!
気づいてなかった未知の存在が・・・あたらしーい扉が~
せーかいは~は この箱の中に~とわに~♪

シャッター押す?っていうフラニーを、まだ!と止めながら、すっごいフラニーを見つめてニコニコ笑顔のロバート
シャッターに手をかけてるフラニーの手に手を重ねて。おおお、もうだめだ。矢継ぎ早にわたしの萌えポイントを連打されてくらくらしてしまう。

超!笑顔!うきゃーーー!
楽しそうだ。というより、幸せそうだ。

あとカメラにかこつけて、積極的にボディコンタクトなロバート。やるな!

おいでここに♪
振り向くな♪

(祐一郎が、おいでって言った! 行く!行くし! 振り向くな!が必死カワイイ声でうふふとなる客席。ささやき声でノックダウンしていますが、必死に意識を保っております)
フラニーの写真撮るため、こっちを見て、などと指示。
妖精みたいだ・・・(フフフ。それは涼風さんのキャッチフレーズ)

世界はすべてが君だ(って言ったかな?)
フラーンチェスカ~♪ パシャ!

はじめて名前呼んだ。

ロバートは撮影のために膝をついてるんだけど、プロポーズスタイルになっているので、きゃふーんですよ・・・きゃふーん

これは仕事用じゃなくて・・・と自分のための1枚と言って撮りました。
そんなこと言われたら、お食事にさそってしまうわー。昨日より二人ともすごく親し気です。

この後どうするのか、を説明しながら(デモインに行ってフィルムを送って返事を待つ)クーラーボックスとかショルダーバッグを置くのだが、バッグがゴロンゴロン、あああーと言いながら説明しつつ、わちゃわちゃと大き目の封筒を取り出して、フラニーに。これも初恋展開なの? 慌ててるの?

家のポストに入れて行こうと思ってたんだけど、と。
戦後のナポリを撮影したときの雑誌を渡す。

帰れないナポリを思い出して涙のフラニー。
涙で心がほぐれたのか、夕食にお誘い。モーテルでシャワーを浴びて、というロバートをうちのを使えばいい、とフラニー。

こう・・・言葉のはしばしに、探り合っている感じが出て! 
言わないけど、求めている気持ちが伝わっていて、ロバートも気づいてるけどまだ紳士なお答えをしてて、もー、ドキドキもじもじするわ。もうー。

1枚の写真が誰かの人生を変える、と信じている。とロバート。

今まさに、フラニーが故郷を懐かしむ気持ちになっているのもそうだし。
ラストシーンでこの日に撮影した写真だけは捨てられなかったロバ―トを思うと、自分で撮った写真が自分を変えたのね・・・と感慨深い。

2018/03/22

『マディソン郡の橋』3/15.16昼 4 何を期待した

そうだ、ウィスキーの蓋開けるとき、ちょっと頑張るロバートだった。しばらく放置されてたので固かったようだ。
ぐっと呑んでみたら、むせたフラニー。慎重にねー

リンリーン♪ バドから電話。
様子を聞かれて、なんにもないよ、と答えた。バド・・・

ロバートとフラニーの会話
・自分が行かないほうが(家族は)楽しいの
これはどういう意味かなーと。娘もママは牛に興味なんかないくせにと言っていたし、やはり今でも文化的な外国人なのかな。ふとそんな雰囲気を出すフラニー。
・ロバートがスケッチを褒めてた。
イタリアにいたころ、絵の学校に通っていた。牛に興味ないところからの、アーティスト同士という共通点の話。
・明日は朝早くに橋の撮影をするから、とおいとまするロバート。
お皿を片付けましょうと申し出るあたりが紳士、というか家事に対してフラットな人で好感。好感度高い。
酔っぱらったのか、フラニーちゃんの声が甘くなってきている気が。

♪Wondering
ロバート、フランチェスカ

今日の出会いによってかき乱されているロバートとフラニーの心を歌う。メインはギターの音色。良い曲。

舞台の前方下手よりの木製の椅子、さっきまでの和やかな雰囲気は消えて、モーテルに荷物を置くロバート。旅暮らし、自分の場所ではないところで寝るだけ。

風に吹かれ翻弄される木の葉に、自分自身をたとえて。

なぜ迷ーう とまどーうー? とまどい ちぎれる・祈る・悩む
何を期待した?

ロバートの心情にフラニーの「何を期待した?」の歌声も。

進むほかはない~

オリジナル盤聴いたときから、おお良い歌と思っていたのですが、いい訳詞だなーと思って聴いてました。歌詞、ちゃんと知りたいわー。

暗くてそっけないモーテルのお部屋で、探していた何かを見つけたのか? と戸惑うロバート。朝までに鎮めようって思ってるロバート。シルエットも美しい祐一郎ロバート。あ、手がまた美しい。

暗がりでうつむく祐一郎ロバートも素敵でした。素敵な人にあったときめきと、これ以上踏み込んではいけない、という自制心の葛藤。

・この歌の後、またバドからフラニーに電話
ここでありました・・・よね? 酔っぱらってるんだっけ。

ウィスキーを開けたと聞いて、一緒に居たかったっていうの。バドはバドで可愛いなぁ フラニーより素直な人だよね。
・嘘をついた。
ウィスキーってことは、お隣のマージとチャーリーが来たんだな?ってバドが尋ねたら、一人だとフラニー。

この先、何かが起こる期待があったというか、それが無意識にあったから、ロバートのことを言わなかったのかなと。深読みしすぎだろうか。
夫の留守に初対面の男性をディナーに誘ってウィスキー飲んだとは・・・言えないわね。後ろめたいというか、余計な波風が立つもの。

・ポーチで寝るなよー
とご機嫌でおやすみを言うバド。優しいね。これはこれで、キュンとします。長年一緒に生活してきた人の温かさを感じます。

2018/03/21

『マディソン郡の橋』3/15.16昼 3 ネギになりたい

椅子に座って話し始める二人。

ここに初めてきたとロバート。なぁーんにも・・・ない(世界をまわるカメラマンが言うかな?と少々疑問なセリフでしたけど、コーン畑も橋もあるよ)

バドという夫がいる話をして。アイオワに住むなんて思わなかった、とか。

アイオワでは手に入らないもののほうが多いけど、人の心配りがある・・・のエピソードが次の歌。
会話する二人からライトが離れ(見える程度に)、バドたちが登場する。

♪You're Never Alone
バド、チャーリー、マイケル、マージ、キャロライン、カンパニー

機械に片腕を挟んで大けがした仲間(包帯巻いた加賀谷さん)に、ご近所たちが手を差し伸べて助ける様子が歌われました。

マイケルは農作業を手伝って、マージはスープを。キャロラインは子供たちの世話。えーと、チャーリーは何だっけ。銀行の融資? それはバド?

禅さんバド、ここでもちょっと愚痴るマイケルを叱り飛ばす。褒めてあげてー。

ひとりじゃなーい♪ 手を取り合おう、共にやろうー♪

この後に出るロバートの生活とは正反対の暮らしなのね。彼は親とも、元妻とも縁が切れ、別れたらそれっきり。人付き合いをしないわけではないのです、と断りつつもウィンターセットの住民たちとは違っています。一匹狼。

・空き家にみえても、畑にいるかご近所観察してるってフラニーが言うと、それならそろそろ帰ろうとロバート。裏庭にトラックが停まっていると迷惑がかかる、ということで。

■それを再度とどめるフラニー。遅くなったから夕飯を一緒にと誘う。
もちろん紳士ロバートは一度断るけど、
イタ―リアでは空腹のまま帰さない! と言われて承諾。
(ナポリ取材のときに経験済みです、お腹いっぱいの仕草する祐一郎。なーんてキュートなんだぁ はぁ)

フラニーは着替えに。帰ってほしくないっていう気持ちが言葉や仕草に出るフラニー。青春・・・
その間に、野菜スープのための材料を庭から取ってくることになるロバート。ニョッキを入れましょう!(おいしそう)

■庭にいるロバートを双眼鏡で覗いているマージ! と、やめなさいと窘めるチャーリー。伊東さんのマージ最高にいいですー。

やめなさいと言いつつ、チャーリーもなかなかのロバート情報(ピートが噂のハブっぽいね)をすでに持っているのが田舎の噂の速さである。

■そして再び二人に戻る。バスケットに長ネギをびょーんと出しながらお野菜を摘んできたロバート。この長ネギはアイオワにもあるのか? 長すぎやしないか? 和風なネギよ。

生の音楽を聴く機会がないから、是非と演奏してほしいというフラニーだが、
ギターを適当にポロロンと鳴らすカワイイ祐一郎、じゃなくてロバート。

トラックに載せて連れ歩いてるだけで、十分ギターにダメージ来てる気がするのに、どうしてもって来たの・・・? 妻の話するため? さみしいから? 
どうしたらいいのかわからなーいというロバート、なんだよなんだよー、かわいいし。
フラニーは、奥様はだから置いていったのだ(忘れられないから)と。ちょっと嫉妬したのかな。いいなぁって

■お野菜の点検するフラニー、あれ?あれれれれー? 
ケールがない。え、ケール? あれはアメリカっぽい野菜なのか、知らなかった。
楽しそうな二人の芝居がキュンキュン度を上げていきますよ。打ち解けてきてる感じなのよ。
イタリアで食べた美味しいスープを思い出して野菜を選んだというロバート。ウイキョウがポイントなのねー。どんな味のスープだろう。良い香りだろうな。

野菜はもう洗ってあるんだそうですよ! 家事もひととおり出来そうなロバートめ、いい・・・ 洗ってもらえるネギになりたし。

■ビールもう1本どうかな? に、ウィスキーがあるわとフラニー。

どう見ても、キンケイドさんなら椅子なしで取れそうです。が、
フラニーが椅子にあがってカップボードの上(壊れモノを上に置くのね・・・)から降ろす。
横でじっと立ってるロバート。普通に背中とか支えるほうが楽そうなのに、何で棒立ちして接触してるのか。狙ってやったのかしら。そうかもしれない(わたしならよろけるのを狙って椅子にあがった気がするから。キャッチしてもらえるかも。てへ)

♪Another Life
マリアン

マリアンの歌のなか、二人はクッキングタイム。

狭いキッチンをカニ歩きで移動するロバート、オーブンに何か入れるロバート(ミトンを手にはめて!)
キッチンのロバートは見たことない祐一郎の山盛りで、いちいちキャーと反応してしまい、心拍数もうなぎ上りでありました。

ステージには今の祐一郎ロバートと昔の加賀谷ロバート、フラニー、彩乃マリアンが。

目が忙しすぎた

出会いから別れまでを軽やかに歌う彩乃さんが可愛いし、加賀谷さん凛々しくて素敵だし、いまのロバートとフラニーも、料理が出来て食べ始めるし! マリアンがテーブルに腰かけたりして、めまぐるしいフォーメーション。

2回とも、マリアンがウェイトレスの制服からホルターネックの衣装に変わるとこ見逃したー。
加賀谷さんカッコいいわー。若かりし頃のロバートの精悍さが。祐一郎ロバ―トにも惚れてしまう私ですけど、加賀谷ロバートにも惚れました。

スープにコショウ入れてとお願いしてるロバート、一度入れて、もう少し!とリクエストしたら、どんどん曳いて入れちゃうフラニー。じゃれてるー楽しそう!

ロバートには結婚しても近寄りがたいものがった、とマリアン。私だけを見て欲しい、と願ったけれど、ロバートは違った。なにかを探してたんだよね、ロバートは。だから、愛しているけれどお別れの手紙とギターを置いて出て行った。
可愛らしいマリアン、ロバートとの暮らしでとても傷ついたマリアン。そうだったのね。

愛はふしーぎー(これは貴婦人の歌詞)
本当に不思議なもので、この人だ!見つけた!っていうのは理屈ではなく、ただ分かるのよね。その見つけた!が今この二人に起きてるんだな・・・

2018/03/20

『マディソン郡の橋』3/15.16昼 2 探しているんだ何かを

♪Temporarily Lost
ロバート

家族を見送ったところへ、お隣のマージから電話。
留守の間に何をするの? なーんにもしないの! 種のカタログみるの? 一人きりになる楽しさをちょっと思わせつつ。電話中にうちの私道に青いトラックが・・・・と訝しげに見るフラニー。

そのトラックの方は!どきどき。
下手からゆったり歩いてくる祐一郎、じゃなくてロバートーーーーー!!!!

きゃーーー、普通の恰好してる!
メイクもふつうの人間ーーー!! 
美男子!!

カーキ色のシャツにカメラマン的なベストを着て、ジーンズに歩きやすそうなブラウンの革のスニーカー(コンフォートシューズみたいな)

ちょっと時間を止めるのね。二人ともちょっと見つめる。
恋に落ちた気がする。

ろばぁーと・きんけいど
なしょぉーなる・じおーぐらふぃっく

って言うのー。お名前も歌うようにお話しするの。何でだろう(笑)
祐一郎節よね。私はデヘヘとなる。
はぁ何てカワイイんだろうか。
だいたい祐一郎のすることは何でもかっこいいか可愛いかしかないんだぁぁ

けっこうさっぱり男前な感じでキンケイドさんに話しかけるフラニー、奥さん、と呼ぶロバート。まだ他人行儀な二人。でも楽しそう。フラニーがぐいぐい押してる感じ。

地元の人ではない? と聞かれ、最初Yes、と答えて慌ててNo と。ここの出身ではないけれど、住民ですと訂正。
魂のふるさとはイタリアなのかな。ここにいるけど、ここにいない? 

ナポリに行ってましたと聞いて、わーあ!とすごいテンション高いフラニー、祐一郎もわーあ!(ほんわか)とリアクション。
私も少々引き気味で拝見。ふるさとが恋しいのね。

あれこれ話ながら、ローズマンブリッジへロバートのトラックに乗って案内することにしたフラニー。開放感を感じますねー、楽しそう。

と、運転中に歌われるのがこの歌。
海のそばシアトルのお家を出て、モンタナ~ミネソタ~アイオワのデモイン。
フランチェスカがイタリアからここへどう渡って来たかの冒頭の歌と呼応しています。

東からはフランチェスカ、安全な家を築いて自分を繋ぎとめ、西からはロバートが移動する人生の途中でウィンターセットへ立ち寄った。

探しているんだ何かを~♪
流れる時間が現実味を失い・・・とまどわされる♪

実感がない。水にふれてみないと存在を知ることができない。カメラは時間も止める、自分も止まる(のかな? その一部になったみたいだって意味に聞こえたんだけど

自分自身が自分自身だっていう実感が薄いのかな。現実味がないってわたしも分かるので、そういう感じかなーと想像。
(20歳過ぎるくらいまで、自分と世界の間に見えない膜があって、自分の世界と現実の世界が一緒になる感じがなかったんですよね。あれは何なんでしょう)

追い求め歩くだけなのに、とまどわされる・・・♪
カメラで世界を切り取りおさめ歩くロバート、でもずっと「何か」を探してると歌う。

Mmmmmmm♪ はー祐一郎のハミングが! うっとりー!
ハミングするのは楽しいとき。仕事で素敵な女性に出会って心が高揚してるのです。

会話の声が声が美声すぎて、こんな素敵な人が家の前に来たらよろめくでしょ。当然ですよ。誰がフランチェスカを責められよう!(だれも責めていません)

そうしてローズマンブリッジに到着。撮影は朝焼けが最高、少し見て回りたいというロバート。どうぞ、お気のすむまで。

ものすごい勢いで(動きを止めずに)橋の写真をパシャパシャ撮るロバート。あっという間にフィルム無くなりそう。ちょっと落ち着いたほうがよくない? 写真ブレてないか心配だよ。

♪What Do You Call A Man Like That?
フランチェスカ

分類は不可能~♪
繊細な指♪(そう!)

心に浮かぶ様々なロバートへの感情を歌ってます。仕事中の姿が素敵(指が!)、おとぎ話みたい、とか。瞳がすてきとか。
運転してるロバートをじーっと見てるのよね。見ちゃうよね。
ロバートはハンドルの下を持つのかー、うふー。

冷たいお茶を!とロバートを誘うフラニー。このまま別れてしまうのが嫌だった。

そこで、ありがとう、とか、ありがたいってシンプルに答えるロバートの声がさー、良いのよー。はしゃぐ声じゃないけど、とても感じがいい声なの。

フィルムのために氷を分けてほしい。と。
まずはお茶、ずっとクーラーボックスの紐を肩に掛けたままお茶も飲んでるロバート。すぐにお暇するつもりだったんだよね。

そしたら、あ!忘れてたーとフラニーが慌てて製氷皿(アルミ製と思われる)を触って手がくっついちゃった。

あーあーあ大変とキッチンへ駆け寄るロバート、
自分の手もくっつけちゃったロバート。だぁぁカワイイ! 
蛇口(上下ハンドルだったけ?)で水を出して掛けてあげるロバート。
ガラガラガラーとクーラーボックスに氷を流し落として、二人は楽しく笑っちゃう。
氷もらって、車に置いてくるロバート。

なにーなにーきゃぴきゃぴしてー。もうー。もうー。

そこへガソリンスタンドにいる家族から電話。うわぁー、ウルサイ・・・愛すべき思春期のウルサイ子供たち。
これがフラニーの日常なんだものね。
赤いシャツ、どうしてもっていうならキャロラインが着ればいいとアドバイス。

電話を切られたところへ、ロバート戻って、子どもの話を伝える。
優勝、優勝、優勝!(な、なぜに急にハイテンションなのかしら)と元気よく跳ねるフラニー。

クーラーボックスに入っていたというビール。瓶ビールをぐいっと飲む祐一郎、貴重だ。そんなラッパ飲みするところ貴重!

井戸を借りて汗を流し、シャツを着替えてきたロバート。
ぎゃーーーーーー。身だしなみ整えたのね、やだぁ(喜んでいる)
このまま(氷をもらったまま)帰ろうかとも思ったが、失礼かと思い戻って来たという。
着替えたのに? 着替えたのに?

2018/03/18

『マディソン郡の橋』3/15.16昼 1 我が家は安全ピン

ロバート・キンケイド/山口祐一郎
フランチェスカ・ジョンソン/涼風真世

マリアン/彩乃かなみ
マイケル・ジョンソン/石川新太 キャロライン・ジョンソン/島田彩
others/加賀谷一肇

チャーリー/戸井勝海  マージ/伊東弘美

リチャード・“バド”・ジョンソン/石川禅

翻訳・訳詞・演出/荻田浩一
音楽・詞/ジェイソン・ロバート・ブラウン

♪To Build A Home 
フランチェスカ、カンパニー

物悲しい弦楽器の音色からスタート。
淡いブルーのコートにブーツ姿のフランチェスカ。アイオワまでやってきた道のりを語る歌。
NY、ペンシルベニアステーション、バッファロー、シカゴ・・・、トラックに乗ってやってきたアイオワ、
300エーカーの未開の土地(開拓したのか!)

フラニーの衣装はジーンズに長ぐつ、シャツ姿へ。

トウモロコシ♪ トウモロコッシ♪ 
この歌い方が可愛い涼風フラニー。
十分よ~我が家がある♪ 
我が家が安全ピン、安全な家が安全ピン。

戦争で破壊つくされたナポリからアメリカ兵だったバドと結婚して、アイオワの未開の地を開拓して家を建てた。ここが私の家、安全な家。息子と娘がいて、夫がいて。でも、私がどんな人生を送ってきたら子供たちは知らない。苦労をしらない。

あ~あ~あ~あ~あ~あ~あ~あ~あ~あ~♪
これが最高にいいの。いいよねー。用語がわからないのですけど、ハミングじゃないしね。ロバートとフラニーの場面にも使われてるけど、とても印象的で効果的です。
言葉にできないすべてのこの思い! 
15日は2列目センター(当然、燃えカスになった)のため、禅さんのぶ厚い声が響くのがよく聞こえました。

英語、縫物、諦めを覚え、苗字が変わって、トラックに詳しくなって、アメフトと・・・(なんだっけ?) 
とにかく、フラニーが自分の土台の故郷イタリアとのつながりを絶って(この時代にこんな田舎に嫁いだらそうなるよね、お手紙くらいしか手段ないもの)生きてきた歩を楽しそうに、これでいいの、いいのって楽しく言い聞かせるように続く歌。18年耐え抜いた、胸を張ろう♪って。苦労もあるけど、可愛い子供と頼れる夫がいるのね?

あ~あ~あ~あ~あ~あ~あ~あ~あ~あ~♪
泣いた泣いたって書くのも何ですけど。マイ初日、すでに感情が勝手に高まっており、これ聞いてる段階から涙が溢れて、いつ祐一郎が登場するかというのにダメダメと目を見開いていたのだった。

♪Home Before You Know It
バド、マイケル、キャロライン、フランチェスカ

品評会に出かける三人のドタバタ。キャロラインはキイキイとムズがってて、マイケルは運転したい16歳でバドとケンカ、赤いシャツ探してた?

3日だけ留守にするよーと、フラニーに歌うバド。
フラニ―を大事に思ってるのね、ちょっと寂しいのはバドの方みたい。塀も直したし、何かあったら(何もないけど)お隣に助けてもらえ、とか。気にかけてるの。

・ところで禅さんキラキラ・・・ すっごいヅカ的なアメリカ人メイクなの! 扮装って言葉がホントにぴったりな出来栄え。禅さんがメイク講座ひらいたら、受講したい。
そして子供を叱る声がたまに「アブロンシウス教授(TDV)」でフフってなる。

ラストのアイスクリームの場面で見せる怖さ、ここでは見えないから、わりと優しい家長という感じでしたね。で、バドの寂しいなぁって仕草に比べ、フラニーのそうでもない感じが。そうなんだねーと後々響くわ。

※そうなんだねっていうのは、バドはフラニーを愛してる、んだけど、フラニーは家族としての情なんだねという差です。

洗濯モノを抱えて家族を見送っているフラニー、お母さんってところ。ムズがってる娘を叱らずやさしく抱きしめるフラニー。

・バドをてっぺんに(統率者)子ども二人、子どもじゃないけどバドに(愛情というもので)保護されているフラニー、という関係が見えます。

・この場面から、涼風フラニーがかなり可愛い系奥さんというのが意外でした。まぁ涼風さんならそうなるのかーと驚く。お茶目な奥さんなのだった。原作や映画と比べるのも意味ないの分かるけれど、こっちか!と。

子どもを叱らず優しいのですが(とても心が広いのだろうか)、もしくは叱れないのかな?とも。波風を立てずに生きたいのかも?
のちに、バドがこのことについて歌ってます。何も言わないから我慢しているのかも、と。

2018/03/17

『マディソン郡の橋』0 わたし生還

すごいものを見てしまった・・・・!
再演いつ? もう決まってるんですよね??

3/15.16のマチネを見てきました。

幕間では受け止めきれず(腰が抜けたみたいに)立ち上がることができなくて、しばし茫然としていたのでした。そして、やっと今みたものに気持ちが追い付いたと思ったら、時間差で涙が溢れてくるという初体験。幕間でずびずび泣いてた・・・ああ。

真剣に見すぎて座ったまま眩暈を起こすし、とにかく凄かったの。

プレビューから皆様のレポをドキドキ拝見していると、めろめろになって干からびて(もしくはテンション爆上げとなって)帰ってくるマダムたちがたくさんでした。

で、わたし。
私も半死状態ではありましたが、なんとか生きて自宅まで戻れました! 生還!

ただ精神は倒れ込んだままかも。仕事は浮ついて手につかず。
耳の中では祐一郎ロバートのあ~あ~あ~♪ ハミングが響きつづけ、綺麗な手、優しきまなざし、輝く笑顔、かなしみに襲われる表情、などなどが次々フラッシュバック。

苦しい・・・胸が!くるしい! 

これを癒すのは、再演決定のお知らせ。
または、DVD化決定、もしくはCD化決定のお知らせ。
あるいは以上の全部。

1曲ずつ思い出していこうかなぁ でも、夢中で見ていたのに記憶がテンパってる感じなのよねー。ネギになって摘まれたかったんだよ。フラニ―の立場になったら死ぬと思うので、庭のネギに生まれ変わって洗ってもらいたい・・・

とりあえず、いまはロバート祐一郎が恋しくて。ロバートと共に行かなかったフラニ―の心と同じ、引き裂かれる思いだわ。
会いたいよう~しくしくしく。

・日本語訳詞がなかなか良かったと思います。
原詞もシンプルでまっすぐ届く言葉が使われている印象だったのですが、日本語訳詞も難しい音によく載せてシンプルでした。

・あと、わたし演出の荻田浩一さんと和解(というか、理解?)できました。
王家の紋章でも、心象ダンスにいまいち乗り切れなかったんですが、今回はダンスが素晴らしい効果をあげていて、歌詞や音楽、役者の表情に加え、加賀谷さんのダンスがさらに心の中を表現
これかー! 荻田さん、これは良いです。納得しました。

・セットや背景も奇をてらわず、シンプルで役者さんたちが引き立っていました。

・祐一郎がシャツ腕まくりとか、ボタン1個(ウィンターセットが熱い熱い言ってたので2個くらい開けたらいいのに)外してるシャツで、ほぼ死。足も長いよね。

・一瞬、バルジャンの死みたいに魂が天上に上りそうな照明効果。まぁ死にそうな瞬間でもあったのですが、祐一郎は死にそうな演技が最高に上手だなぁと思います。
ホントのホントに死にそうに思えるんだもの。ずびずび。

何とか生きて帰ってこれたから、思い出していくね・・・

再演!再演! 円盤!円盤! 

2018/03/01

『ブロードウェイと銃弾』2/19.20 3 それは好きじゃない

たぶん、私は笑いのセンス筋があるとしたら、全然鍛えられていないと思います。

相手をなじったり叩いたりするのは嫌いだから見ません。大声で騒ぐテレビも疲れるのでほとんど見ない。落語のほうが笑えるし泣けるし安心して楽しめます。

感想1、でも書いたけど、WOWOWのグリブラで浦井くんがあほの子扱いなのも、たまには違う面も出してよって思う。昆ちゃんが腹黒女子をするのも(そんな役ふられて大変ね?って思っちゃって)心地良くない。演じてるご本人がどうっていうんじゃなくて、見てる私の気持ちがもやもやします。

主演の二人、チーチとデビットの二人が絡むときに、中の人=素っぽいところを出すとか、城田トートを出すとか、好きじゃない。

浦井くんが城田くんに頭をぺしっとされて、「素の浦井としてウケてる」風のやりとりするのは見たくない。自分の脚本で上演目指してる男は、チンピラに叩かれたら怒りませんか? 怒らなくても嫌でしょう、笑わないと思う。

そういうの、好きな人はきっと好きなんでしょう。私は好きじゃない。

こういうのは、素人芸というのではないのか。
福田さんが笑いのプロなら、作品世界をきちんと成り立たせた中で筋書上も意味の通る笑いを求めて欲しいものです。や、別に「笑い」のプロでなくて、仕事としてどうだろうと疑問。
「素(風)」なのが良いねっていうのは、使い古されてるし、日生劇場では見たくない。

その点で、浦井城田トム、以外はストーリー上の世界からはみ出ず出来ていたので、なぜ主役二人でも同じように、きっちりと練り上げなかったのか、残念です。

祐一郎さんと「エドウィン・ドルードの謎」やったときは、あくまでも演じられてるキャラクタで笑わせてもらって、これは楽しかったのに。

そもそもですけど、この作品って大笑いする馬鹿作品というより、バックステージものでブラックで作者の自己像を客が見て、あああ(フッって笑う)というよなものじゃなかったのかしら。

そしてショウ部分がきらびやかで楽しい作品じゃないのかな。

楽しかったし、個々の俳優良かったし、音楽良かったよ。
でも、と上記のような面も残ったな、という感想。

『ブロードウェイと銃弾』2/19.20 2 プロに徹した綾ちゃん良かった

配役はみなさんぴったり。

オリーブ役の平野綾ちゃん。
アニメ声を駆使した気に障る系あほの子を演じます。最後までブレずにまっすぐあほの子に徹していて、素晴らしい。チーチの脚本書き直し夢コーナーで、くるくる回りながら一本調子でセリフをしゃべるオリーブ。最高に腹が立ちます!(もちろん褒めている)

自分史上、最も布が少ない衣装だと言ってましたが、部屋着という名のキャミソールのことかな。それで床に転がって足を開脚もじもじしてくれてました。ソーセージ頂戴。何てあほすぎる歌・・・(これも褒めてる)

うっかりすると上手く歌えちゃうところ、隙なく「オリーブはダメすぎる」のスコアを出し続けた綾ちゃん、お疲れ様です。

芝居できなさ過ぎてチーチに殺されちゃって残念。すごく長生きできそうだったのにね・・・

ブラザートム氏。
自宅でくつろぐときはヘアネット姿なの? それともお洒落なの? あれ何?
誰もつっこまないし、分からなかったよー。

オリーブのことが好きなのは分かるし、お金あるのも分かるし、でも死んだあとは仕方ねぇ、って言うのも分かる。そこは良かった。歌もいいよね。

ただ、ちょこちょこした笑いどころの作り方がどうも私と合わず(面白ろいとこ?と微妙な気持ちに)強面なのに端から見ると可笑しなことになってしまっている、というがっちり王道で笑いたかったです。福田さんのセンスだろう・・・・むー。

前田美波里さん。
まさにデビットと同じ気分になれる、伝説の大女優さま。
貫禄があるし濃いにも関わらずカンパニーと良いバランスが取れていて、昔は凄かったけどね、とバカにされそうでいて、しかしやはり現役の女優のオーラの出し具合が素晴らしかった。キメるときはキメる。それ大事。

あと美脚も披露されてて、ありがたや。
浦井くんともブチューしてましたが、これまた嫌らしくなく明るい。
衣装見てるのも楽しいしね。

壮麻さん、徐々にお腹が出てくるのが可愛いし、股間に手を当てる仕草(ってかくと変だよね、MJのアウー!ってポーズと同じの)とか、でも良い声だしとか、女好きのイケメンおじさまでした。
チャーミングだけど、ダレてないのが良いです。

知寿さーん。可愛いわぁ
カウンセラ通いしてるセレブ?犬を連れた女優役。わりと普通なのに、犬周りだけちょっと変なのね。もっとがばっと歌って欲しかったです。美波里さんと美脚対決でもいいしー。

プロデューサー役の加治さんは、間合いが良くて安心。他が役としても濃いので、わりとほっとする人でした。

男子ダンス部、カッコよかったんですが、田村充宏さんと思いますが、赤いチーフの方がきびきびしてて、なかでも目を引きました。チーチの下で動いてる方です。
ターンのキメ方が私の好みー。軸が綺麗に回ってます。

城田さん含め、スーツ男子が踊るのはたいへん良かった。中心でデカい城田さんがジャケットひらひらさせてターン! 良い良い。

女子ダンス部、ショーの花。派手目なメンバーが揃っていた印象。トニー賞授賞式だぁと思いながら見てました。声が揃っててすごいなあと思ってたんですけど、歌いながら踊ってるんです・・・よね? 良い。

舞台セットはシンプルで雰囲気出してます。お金があればもっとネオンぴかぴかなクラブになったんでしょう。ぴかぴか好きなので、期待してましたが。

ただ当時の雰囲気が衣装ですごく表現されてるので、全体としてはまとまってました。

2018/02/24

『ブロードウェイと銃弾』2/19.20 1 撃ち抜かれたマイハート

@日生劇場

デビット/浦井健治 チーチ/城田優
オリーブ/平野綾 イーデン/保坂知寿 エレン/愛加あゆ
ニック/ブラザートム ワーナー/鈴木壮麻 ヘレン/前田美波里
ジュリアン/加治将樹 シェルドン/青山航士

脚本/ウディ・アレン
オリジナル振付/スーザン・ストローマン
演出/福田雄一

映画は大昔に見たものの、特に印象にのこってない程度。
禁酒法時代の音楽をベースに作られていて、明るく弾む曲調。生オケで上演される楽しさを感じながら見てました。いいねー。

売れない脚本家の小難しい作品に、マフィアのニックがスポンサーとなって、愛人のオリーブをスターにしてやってくれ、と押し付けられる。悪い虫がつかないように見張りに来たギャングのチーチだったが、稽古を見ていて発した脚本への言葉が的確すぎて、ついにこっそりデビットと共に脚本の手直しをするように。
いつしか、それはチーチにとって「俺の作品」となり、今度はひどい大根役者のオリーブが邪魔になってバーン! チーチもニックに返り討ちにあい、バーン! 
ラストはニックがほっこりバナナ話を持ち出して、バナナないよバナーナ♪ 

話は簡単だけど、展開のテンポもいいし、役者さんたちもぴったりで、楽しく見ていられた。

【ハートを撃ち抜かれたの】
結論から言うと、浦井くんを応援しに行ったはずが、
チーチ役の城田優に心臓撃ち抜かれて、帰り道、ふらふら山野楽器に入って『エリザベート城田盤』DVD買ってたよねという。
この感動を課金で示そう的な・・・?

や、たぶん以前トート城田を観劇した時点でも撃たれてたんですけど、認めないぞと頑張っていたのだった。なんで頑張ってたのやら・・・素直になればよかった。

カッコいい以外の言葉が出てこなかったわー。やだー、超カッコいい。立ち姿が惚れ惚れします。
タップも良かったし。それに、どんどんいい声出てきてますねー。良い声-。
でもってデカい。浦井くんよりデカい。舞台人は、大きいのは良いことです。

ニックにオリーブ殺しを探られて胡麻化してるシーン、わざとらしくなくて上手かった。殺されるって分かってるのに、どうしても初日に駆け付けたいところとか、芸術コワイね。

【福田さん、浦井くんそれだけじゃないからね】
よくある感じだと、浦井くん演じるデビットに同調してみるんだろうけど(映画版もそうなのか、全く思い出せませんが)、どうにも共感できそうで出来にくいタイプでした。
自分で思ってるより才能がいまいちで美女にも弱く、恋人も浮気してたと言えばあっさり引き下がるし、もやもやするわー。ウディ・アレンだからだろうか。そうかも。

キュートな浦井くんベースで演じられてたけど、アーティスト気取りの雰囲気をもう少し前に出してくれても良かったんじゃないかしら。こじらせインテリ風の。
浦井くんはそれ出せたハズと思うんですが、捻くれた感じ、全くなかったです。

可愛い巻き込まれ君でした。くるくるヘアも可愛いし、歌も可愛いし、友達が死んでもボスと歌いあって結婚申し込んでるあたりも、やっぱり君あほの子でしたか?って感じで可愛いのだった。

瀕死のチーチを助けようとしたとこだけ、かっこいい浦井くんの風が吹いてきました。
かっこいいは城田チーチの役なんだろうけど、だったらもっとデビットを面倒な感じの人物にしておいても、いい対比になりそうと思ったり。でもエンタメに徹するなら拗らせすぎないほうが物語が進むのかしら。

もともとそういう役なのか、福田演出なのか? ここ知りたいです。

福田さんと言えばグリブラ(WOWOWで放送中、グリーン&ブラックス ミュージカル俳優たちのコントと歌の番組)での、浦井くんの扱い! あんなに、あほの子一直線ってちょっと! ひどいわ・・・ いい子なのに・・・

さて、アーティストでいたいけど、現実問題、お金は必要だし、スポンサーの意向もある程度受け入れねばならないし、という板挟みになって、押し切られていくのがデビット
だけど、意外と逡巡しすぎず、自分で演出できて主演はヘレン、ワーナーも!と上演できればオリーブも受けいれてやるぞと方向転換。そこらへん、妥協できるのが100%アーティストではないところなのか。

最高の最高を目指すチーチは我慢できず、銃の力で押し切っていくのでした。殺しちゃだめ。

一人の命より作品だという話、最初にデビットも支持してたけど、イザとなれば人命は大事になる、というのが良い人の証でありアーティストになりきれなかった優しさなんでしょうか。

2018/02/06

祐一郎グッズ入れにしたい

こちらモロゾフのチョコレート。

祐一郎さまが山口正義さんに差し上げたという、例の(正義さんFacebookにあげてくださいました)

この時期は雪まつりもあり、インフルエンザ猛攻の時期なので人混みは避けるのですが、無事に購入してきましたー。
(折り紙の犬は関係ない・・・エヘ)

私も祐一郎がくれたと言い張りながら頂くことにいたします。
何を容れようかなぁ 小さいから、可愛いものですね。