2018/10/15

『生きる』10/11昼 鹿賀さまがチャーミング

@赤坂ACTシアター

鹿賀丈史/渡辺勘治 

市原隼人/渡辺光男 新納慎也/小説家
唯月ふうか/小田切とよ May,n/渡辺一枝
山西惇/助役

川口竜也、佐藤誉、重田千穂子、治田敦、松原剛士、上野聖太
高原紳輔、俵和也、原慎一郎、森山大輔、安福毅、飯野めぐみ
あべこ、彩橋みゆ、五十嵐可絵、可知寛子、河合篤子、森加織
森実友紀、高橋勝典、市川喬之

黒澤明の映画「生きる」がミュージカルに。

あのスーっと品のある鹿賀さんが、どうやって冴えない課長役になるんだろうと思っていたら、いやーすごいね、ホントに普通の役所のおじさんに見えました。

奮起してからの人間的に品位向上するあたりは、さすが鹿賀さま! にじみでる品が似合います。

物語は知ってました。
泣かせる方面で浪花節ってことはないだろうとは思いつつ、そこだけは心配でしたが、杞憂!でしたー。

音楽がとても普遍的で軽やかで、必要以上にかなしさを盛り上げてこないのが、とても良かった。とっても。
癌で死を意識した男の右往左往も、哀しくて可笑しいような。

背中を少し丸めて、ステテコ姿のお着替えを拝見する日があるとは。
1幕はほとんど「あ・・・」「ん・・・」とぼそぼそとお話しするだけの渡辺。無口ねー。
ラストに「二度目の誕生日」で自分の人生を生きようと決意。頑張って!

2幕は次々に鹿賀さまは美しく優しく歌声を聞かせてくれました。じいぃーん。
どの曲も奥ゆかしさがあって素敵だったんですが、「青空に祈った」そして最後のゴンドラの歌からの流れが美しかった! 

鹿賀さまと言えば、たまにお疲れかな?と感じるときがあって、心配してましたが、この日は全く心配ご無用。
一生懸命泥臭くごりごりと公園建設のために突き進む、渡辺課長。
真面目な丸い背中とがに股気味の立ち姿に、控えめで激しさは胸の奥に光る渡辺でした。

市村さん版を見ることはできなかったのですが、愛情をどう表現するかが違うようですね。
息子の光男とのかかわりあい方を見ていると、同じ屋根の下で暮らしていても食事も別で、別個の所帯でした。
病気のことを言わなかったのは、心配して病院に入れてしまうから。何もしないまま死んでいくのが嫌で言わなかったのだとセリフにあります。

光男より父のほうがとっくに子離れしていたんですね・・・死期を思うことで、子離れしたのかもしれません。新しい時代を自分の家族と共に生きてくれと背中で語っているかのようでした。

これから生まれる孫だけでなく、地域の子供みんなを思ってブランコに揺られていたのでしょうか。美しいシーンでした。はらはらと降る雪も、冷たく見えなかった。

CD化も決定とのことで、ありがとうホリプロ!!!

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