DREAMGIRLS
☆☆☆☆
ミュージカルっぽくないミュージカル映画になってました。歌手が主役なので、ミュージカルの大問題である突然歌いだす違和感がうまく消されてました(おっと、でも私はもうそのあたりには鈍くなってるでしょうねー)。
ミュージカル映画だと思ってみると、その点では何となく物足りないんだけど、映画としては過不足なくまとめてあると思います。
ただ耳がお疲れのときに見たので、なんだかもう、エフィー役のジェニファー・ハドソンの破壊力満々の声に、オレの耳を壊す気か!と慄きながら鑑賞。実際、鑑賞後は耳がじーんと痛かった。
■モータウン・サウンド・・・?
って良く分かってませんが、当時のアメリカの音楽業界の一端も見せつつ、飛び級していくみたいに上り詰めていくストーリーが潔くて、楽しかったです。
「これからは音楽は車で聞く時代だ!」っていうセリフ、だから、軽いノリ(ノリって今もあり?)の曲が受けるんだ、という戦略が出てきまして、ほほうなるほど・・・と映画館のなかで頷いてしまった。
キング牧師が演説してた頃のアメリカで、黒人の音楽をアメリカ中に流行らせようとしたとか、音楽業界の戦いも激しいのでした。
■で、ジェニファー・ハドソンです。
アカデミー賞助演女優賞、受賞。助演ってことは主演は誰だい?って思ったんですが、誰? ビヨンセは主役っぽいのかなぁ いやー、助演女優賞だったエフィー役・ジェニファーが主役でも驚かないですヨ。
グループから離れる場面のエフィのソロ、もー、コワイんですから!!
あまりの迫真の歌声・・・好きな男に向かって「何があっても離れないわ!」って力の限りで歌う姿、この人とはきっと友達になれない、と顔を引きつらせて拝聴しました。脅迫めいてたっすよ。感情が歌になり・・・この場面は、エフィの魂でした~ いや、すごかった。
さすがアメリカ人・・・ グループが決裂する場面のやり取りも、何様のつもりだ!という女王様発言が飛びかってまして、本当にこの国の人たちの自分勝手ぶりはお見事である。と離れ小島の住民はむちゃくちゃ引きまくりでした。
あ、面白いんですよ!傍観者としてはね。でも、この街じゃあたしは暮らせませんという感じで。
ビヨンセの役は、美貌とスタイルを持つが、歌はきれいにまとめました、という役。
見方によっては、エフィの引き立て役(お互いにかな)です。容姿が抜群ということで、素晴らしいドレス姿でした。彼女もラストに、いいソロがあって、それまでのお人形っぽい歌い方を追いやって、胸に迫るシーンでした。
映るたびに、ダイアナ・ロスが彼女の後ろに浮かぶくらいそれらしき雰囲気でしたねー。
■エディ・マーフィー
吹き替えじゃない・・・んですね? わー、歌手でもいけます。ムード満点の曲から、ラップまで。女好き、舞台でのパフォーマンス、音楽的なジレンマ。自分の音楽を経営者との対立で表現できないツラさも滲ませるという、なかなかふり幅大きな役だったと思います。
■サントラがほしくなる映画。
でも、と思い直して買いませんでした。たぶんですが・・・サントラだけ聞いてもあまり楽しくないかもしれません。あ、モータウンサウンドねってあたりで終わっちゃうかも。
物語を歌でどんどん繋ぐというよりは、物語のハイライトに合う曲をガツーンと歌い上げる感じでしたので。