2019/02/10

『レベッカ』3 マキシムと呼んで。キャーっていうか、ギャー!

ぜーったい風邪よぉ、寝込むわぁ~と言いふらして去っていったヴァン・ホッパー夫人でしたが。

♪崖の上で
翌朝、やはりお風邪。イッヒひとりで朝食をとりに。舞台中央のテーブルには新聞を読むマキシム。はぁなんと見目麗しいお姿

イッヒに椅子を引くウェイター氏、イッヒには椅子を押してくれないのよね。これは前からだった? なんだか前よりあからさまにイッヒに冷たい気がした。
で、不用意にテーブルの花瓶を倒してしまうイッヒ。ドジっ子! マキシムは、昨日の子だ、一緒に食事にと軽く誘う。

右も左も良くわかってない女の子をこう慣れた感じでさりげなく誘うマキシム、しかし有無を言わせぬ感じが。むむむ。世慣れてて!どきどき。
ホテルのお客さまも噂を始めちゃう。

座ったと思ったら、崖からの眺めが素晴らしいから、そちらで食べようとか、クリームもうまく頼めないイッヒと比べ、命令しなれてる。イッヒとは住む世界が違うんだよって感じちゃうしかない。

綾イッヒは、わりと前方眺めてましたかね・・・うろ覚え。
ちーイッヒは、下を覗くような仕草もあり。

ホテルの外へ出たがらないヴァン・ホッパー夫人のせいで、素敵な景色を初めてみたイッヒ。カモメの鳴き声、波の音。

素敵!はしゃく声が耳に入ってない様子のマキシム(後の告白より。新婚旅行でレベッカとここへ来たときに、あたし好き勝手にするから!と宣言されてショック受けた場所のため、それを思い出してた) 顔がわずかに苦しそうになるのね。お辛そうです。

そんな様子を見て、寒いので車に戻りますと言うイッヒに、スーツのジャケットを×マキシム。はぁ(もう何回目)カッコいいとか、言う前に私の心臓が持たない。かっこいい!!!
イッヒもキュンとしたの! 人として大事にされるって安心するし嬉しいもの。

♪幸せの風景
細かな部分わからないけど、最後が「君が愛しい」から「不思議なひと」になりました。まだ好きかどうか自覚してないことになったってこと?

イッヒを見つめる優しい表情に、私の顔はとろけてしまう。うへへー。

父親が画家だった話しをしてるときの、お父上が恋しい? が、今回は自然にイッヒが年上のマキシムを思う気持ちに重なるように見えました。
父性を求めてる面もあるんだよね、このときは特に。

海辺でキスとかー! ゴロゴロゴロ(床を転がる気分) いやーん素敵。
まったくマキシムは基本、自分のペースだよ。初心で若いイッヒなんか、イチコロですよ。もっと優しくしてあげて!

だけどいきなり貴族の屋敷の女主人とか、明らかに無理なのに放置気味になるのが悪い・・・悪い男(優しくないのか?プンスカ)だ。

♪永遠の瞬間
NYに明日帰る!と叫ぶV・ホッパー夫人の言葉に衝撃のイッヒ。
ちーちゃんは爪噛んじゃう。いじいじ。耐えてるけど涙が出ちゃう。
綾ちゃんは、わりと子供っぽくお別れしなくちゃ(ウワーン)

ちーちゃんは付きあうほどに味わいが出そうな可愛さで、綾ちゃんはもう見た目からカワイイ感じ。

颯爽と登場するマキシム。何でここ首尾良く登場するのか私は今も良くわかってないけど、恋のアンテナか?
しょげかえる様子のイッヒを「カワイイ!」って顔して眺めてないで、早く話しかけて(演出上の都合)

この歌は本当に、CD化やDVD化されない作品と我々の心を表した名曲で(違う)

「泣かないわ♪」からもう泣いちゃう。
好きな時に会えるように瓶に詰めて~あなたとの思い出されあれば きっと生きていける 明日から一人で
そのままでいいと言ってくれた

そのままで良い、鵜呑みにしないほうが良い台詞だよ。フフ。俺好みでいてくれってだけの意味だったりするよね?

「気を付けてお嬢さん、瓶の中身は悪魔かもしれない」

マキシム!

NYかマンダレイかを選べとまたまた爽やかに提案するマキシム。秘書か何かで雇ってくださるの?と確認するイッヒに、
「結婚してくれと言ってるんだ」「なんだとおもった」

だぁぁぁぁーーー

なんだとおもった!!
(押すと言ってくれるキーホルダーとか欲しいなぁ 作ってほしい)

何となく、この瞬間に客席はイッヒの味方になれる気がするんだけど、どうかな。
好きなのは分かるけど、この人ちょっと・・・アレだわ的な。頑張ってね?って本心から思える。

イッヒに好きと言わせて(マキシムは愛してるって言わない。愛してくれていると思ってた、って言うだけ)、やっぱり問題ある人なんだけど。
私は祐一郎のファンなので、いちいちカッコ良いから、毎度ですが「死ぬ!死んだ!息するの忘れた!」命の危機。

涙をやさしくぬぐってあげてさー、はあ(放心)
美しい手でねー。
言うこと酷いけど、微笑みはとても柔らかくて、この笑顔のためにマンダレイに行くと言ってしまうの、分かる・・・って思ってる。

ここも、ちーちゃんは安心したのとびっくりしたので、放心して泣いてる。
綾ちゃんは、びっくり&嬉しい涙、に見えました。

NYによろしく!ってあれは何デス? 私はあんまり好きじゃないよ。
すっごく素敵なシーンなのになぁ

ただ、その直後のV・ホッパー夫人の的確なアドバイスは効いてる。やるわね~っていうのと、レベッカと張り合うことになるんだっていう示唆。

ここのモリクミさん、素直にやったわねって感じてる風だし、貴女には厳しい世界だと言ってるのも大正解なので、意外と後腐れない人なのか?と見直すシーンでした。
カラっとしてる・・・?かもと。

2019/02/06

『レベッカ』2 コート受け取ってるの、貴女だったの!

♪プロローグ 夢に見るマンダレイ

最後列から見た日のみ気づいた。開演前に流れてる音、ぴちゃん、ぴちゃん、水音がしてる。前はザザーンと波の音だけだったような気が。レベッカの情念なのか・・・コワイわ。ぴちゃん。

ゆうべ、夢を見たの・・・♪
落ち着いた歌いだし、マンダレイで出会う人々「影たち」がイッヒとゆっくりと静かに行き交う。フランク、ファヴェル、ビー、そしてミセス・ダンヴァース(以後、ダニー)。正面を向くファヴェルがすでにエロいんですけど。

それぞれ、交差するときに少し立ち止まり、イッヒに視線が行くような行かないような。だって彼らは今の彼女には過去の人々だから。

イッヒの衣装は直線的な襟のデザインのクリーム色のコート、揃いの大きめの帽子を深く被っている。特別、年を取った雰囲気は醸さず。

このコートと帽子をダニーが受け取ってたのに驚いた。これまでもそうだった?  
黒いドレスだから一番黒子に相応しいけれど、それもまた意味がありそう。全て過去、もはや恐れる相手ではない、と。使用人扱いできてるー!
知寿さんなんか、イッヒの髪を直してあげたりしてて、おおおーと。

イッヒの語りから始まる物語、これから語られるのは既に起こった過去の話であって、コートを預かるダニーも過去の影として扱われているのか・・・

あの日私は21歳、1926年・・・♪
初演時、大塚千弘さん(ちーちゃん)は21歳でこの大役をしっかりシングルで演じたと思うと、ちーちゃんの素晴らしさが分かる。21歳! 子供だよね。
落ち着いていたし、丁寧だった。演技を自分の可愛さでごまかしたりして逃げなかった。
ちーちゃんのためにあるような適役。そして10年を経て、各キャストが深化させたもので更に盛り上げるレベッカになった。感慨深い。

♪レディなんて柄じゃない
ヴァン・ホッパー夫人=モリクミさんの押し出し力よ。衣装のキラキラが霞むボディ。お胸にくぎ付け。
彼女のパパが成金って感じの・・・・アメリカ人に見えた。歴史ある英国貴族との対比で見ちゃう。

ウェイターには命令するの、とか堂々としてろとか、エレガンスがどうとか。言ってることは間違いじゃないけど、言い方!! 言い方が・・・ずけずけと品はない。噂好きな所とかも。お金は持ってるがそういう人。前任の寿ひずるさんが、カラっとした雰囲気だったけど、モリクミ夫人は意外と湿度を感じた

なぜここにいなかったのと聞いて、頼まれた雑誌を取りに、と答えるイッヒを見て「あ、そうだった」って顔するの可笑しいんだけど。ここの時点ではイライラしてるし可愛げのないモリクミ夫人。
タバコに火をつける動作がガサツなモリクミ夫人。吸い殻をミルクピッチャーに放り込むモリクミ夫人。見事に下品な。

マキシムを呼び止める時のアローハー!って。どうしてアロハになったのか気になってしまう。最後はドス効かせて呼び止めました。
止まり方が、可愛いんですけど良いのかしら。当時の40歳くらい(勝手にマキシムがそれくらいの年じゃないかと想定してます)は、もっと落ち着きがあるのでは?
・・・いいか、だって祐一郎だもん。ってことでいいのか。

コぉーンウォールの発音がもってまわった感があっていいわぁ、あなたのエレガンスも付け焼刃では?と勘ぐりたくなってみたり。
モンテカルロに来るためなら何だってする・・・に対してそっけないマキシムの答えに、「ですわよねー」とか、そういういちいちは可笑しかったぞ。

そしてマキシムとイッヒ。
あなたは? モンテカルロは作り物みたいで。

その前からもチラチラとイッヒを見てるマキシム。この押しの強い夫人と一緒にいるには楚々としすぎて可憐だなぁとか何とかですか?
こんなに前も見てたっけ? 初対面から気になったんですね、と分かりやすいマキシムになった

自分のことは自分でせよと言いながら、来たほうにまた戻って去っていくマキシム。あなたのせいよ、変なお返事したから! と夫人。ムキィ! けっこう迫力あってコワイ。

冒頭は上流のしきたりになじめず、夫人からは理不尽な扱いを受けてるイッヒが描かれます。
ちーちゃんは、オロオロ。あと、マキシムのことも見惚れてたよね。
綾ちゃんは、オドオド。マキシムはチラチラっと見てたかな。

社会的に上流の人間だとされてることと、人間の品格はまた別だよねって話。イッヒにマキシムが惹かれる訳、フランクが力説する訳がここに。

♪その名はレベッカ
ホテルの客やボーイたちが、噂する。マキシム・ド・ウィンターの妻「レベッカ」が去年、船の事故で亡くなったと教えてくれます。男性キャストたちがダンディ衣装(今さん渋い)

2019/02/05

『レベッカ』1 3公演を胸に刻んだ 

@シアタークリエ
1/20昼 わたし/大塚千弘 ダンヴァース夫人/涼風真世(おけぴ鑑賞会)
1/31昼 わたし/平野綾  ダンヴァース夫人/涼風真世(イープラス貸切)
1/31夜 わたし/大塚千弘 ダンヴァース夫人/保坂知寿

マキシム・ド・ウィンター/山口祐一郎
フランク・クロウリー/石川禅 ジャック・ファヴェル/吉野圭吾
ジュリアン大佐/今拓哉 ベン/tekkan
ジャイルズ/TENTARO ベアトリス/出雲綾
ヴァン・ホッパー夫人/森公美子

朝隈濯朗 奥山 寛 後藤晋彦 武内 耕 田中秀哉 福永悠二

池谷祐子 樺島麻美 河合篤子 島田 彩 柳本奈都子 山田裕美子

脚本・歌詞 ミヒャエル・クンツェ
音楽・編曲 シルヴェスター・リーヴァイ
原作 ダフネ・デュ・モーリア
演出 山田和也
衣装 前田文子

海外でのイザコザを目にしてもう見れないと諦めていたレベッカ上演は、3公演しか見れなかったけど、すべてを刻むつもりで見てきました。結果、素晴らしい出来栄えに茫然として帰ってきた感じ。東宝はDVDに詰めて寄こすように。そしたら生きていけるわ明日から一人で・・・

プログラム、左がシアタークリエ10周年記念の文字入り(裏にもマーク)の公演写真入り1800円。
右は、文字なし稽古場写真入り1600円。

イッヒ(=わたし)の衣装、かわいらしさがアップしてて私好みでした。ラブリー。あわいパステルのブルー、イエロー、ピンク。ミセス・ド・ウィンターを自覚してからのワインカラーも地味すぎず良かった。衣装で地味さをアピールしなくなったのかな。そこより彼女の誠実で優しい雰囲気を伝える感じです。細かな模様や織りの生地も増えて、小さな劇場仕様の繊細なものに。

マキシムも颯爽とした雰囲気が上がった気がしたけれど、衣装のせいか中の人のせいかは判断しきれなかった。とにかくカッコ良かったので衣装だけを観察する余裕なかったの・・・

セットは木目の重々しいものから、ダマスク織りの壁紙とカーテンへ。ダマスク柄好きなので嬉しい。乙女度があがった。
部屋を仕切るのは、上部から降りてくるパーテーション。これもダマスクで。奥行きを感じさせます。

過去の2回上演で思わなかったことが、たくさん。

前までは、ダニーvsイッヒ。そして圏外のマキシム(ちょっと何考えてるのか分からないDV男だったから)に見えてたんだよね。むしろ主人公はダンヴァース(とレベッカ)かなと。
今回は早い段階で、ダニー(ダンヴァース夫人)vsマキシム+イッヒ。という構図へ。

フランクの態度もあからさまにダニーと敵対してるし、ダニーの孤独が強くなって、イッヒとマキシムの物語、として見れた。

あと、圭吾ファヴェルの立ち位置が鮮明に。
ゴルフをご一緒しない身分なのねーというのがくっきりした。何でかな。下衆度が増したのかな。
それから、R指定つきそうなエロを発揮。圭吾さん、ムフー! ありがとうございますー!