2018/09/25

『ゴースト』9/9 音楽も素直に泣けてくるし、イリュージョン素敵

曲も素直。
奇をてらった感がなく、キャラクターの感情が素直に流れてくるメロディ。

UNCHAINED MELODY は二人の心の表現の肝で使われます。


もう、何も考えずに! 泣いたらいい! 泣いてすっきり!

ひのあらたさんの曲はジャズエイジなのかな?と時代を彷彿とさせて、地下鉄のゴーストの西川大貴さんはラップ、とタップ。オダ・メイはいかにも怪しげなゴスペル風。
キャラ分けも音楽ではっきりあるもの、分かりやすい。

上記の三人、すごくおもしろいキャラでした。しっかりサムのために助言くれるだけじゃなく、各人の背負ってる業みたいなものを感じさせるのでした。妻を待っている男、死ぬはずじゃなかった青年、そして母と祖母にはあった霊能者の血筋が自分にはない・・・と詐欺師になった女。濃い。

地下鉄の青年、あんな風に音楽と光でカッコよく霊力(何ていうの? ゴーストのパワー??)を見せるアイデアがイイ~! パシュ!シュ!パン! 面白かった。怒りがダイレクトに爆発してる感じ。

オダ・メイ、モリクミさんのためにあるような役。スニーカーでダンスも頑張ってらっしゃいました。膝の調子は大丈夫でしょうか。とりあえず、踊るとかわいい。汗もかいて大変! ゴスペル風なありがたそうな適当そうな曲が楽しい場面です。

ズルそうなところと良い人そうなところのミックスさがいい塩梅。銀行をだましに行く時のいかにもな豹柄ツーピースとか、分かりやすくて最高です。

小切手の額に夢が広がるシーン、楽しいシーンありがとう。シロクマさん(ふわふわ白いファーコート着るから)出没してました。こういうの、ミュージカルぽい♪

浦井くんが歌う、I Had a LifeRain/Hold On 切なさ全開、オケもぐいぐい盛り上げて良かったな。また聞きたいなぁ・・・・再演待ってるーーー!!!
モリ―に言い寄ろうとしかけるカールに対して 二回殺された!って歌ってるのも、ひりひりして良かったんですLife Turns On A Dime かな? 写真バーン!ってしたシーンね。

セット
建物の外壁になる4つのパネルが最初は舞台の最前まで来ていて、始まるとタイミング良く音に合わせて開いてセットになります。モリ―とサムの部屋はロフトある作りで、玄関ドアが2階、で下に降りるようになっている。

コンパクトな劇場ですが、動きが出て良かった。お掃除大変なお家だなーと思ったけど、若者がアトリエを手に入れた、かっこいい!な感じが伝わります。

インテリアはグレイメインのモノトーン。趣味がいいっていう主張。

イリュージョン
ゴーストさんたちは、基本グレイの衣装。モリ―とサムの住まいと同じ。グレーのグラデ衣装、なかなか見ものでした。各年代取り揃えたようになってます。
浦井くんだけ、白シャツに黒パンツです。

初見の日は床面が全然見えない位置で観劇して、浦井くんがゴーストになったところをどうやったのか、わかりませんでした。

翌日は良く見えたので、ナルホド!! 見えなかったはずですね・・・
(演技で撃たれたサムがそこに倒れているのを見ている、というフリをしてただけだった。でも自然で良い)

ドア抜けのは、スリット入りの布地が貼ってあるだけだけど、ビリビリーという効果音と光で雰囲気が出ます。

基本、ゴーストっぽい感じは出さず、ドアノブが握れない、憎い相手を殴れない、見えない、で解決。むしろ生きてるように動くことで、ゴーストたちのここに留まりたい思いの強さを感じられる気がしました。

大がかりな装置も使わず、省エネ・イリュージョンがいい。

黒いゴースト、あれが一番気に入りました。地獄行きの死神の使者みたいな人たちが、ウィリーやカールを連れ去る演出。けっこう怖かった。

カールが黒いゴーストに連れ去られるとき、追い詰めて復讐したはずのサムが手を伸ばしてしまうところに、友情の欠片が残っているのが垣間見え。憎いけど、だからって完全に見捨てられないところが。

全身黒の衣装と黒い布地だけなのに、音楽と照明と躍動感で、有無を言わさない力がありました。引きずられていくのが恐怖。
いい子にしてようと思うわ。あんなのに連れ去られたくない・・・

家の階段も、最後にサムが天に召されるときの階段に。照明って偉大だ。現世に別れをつげて想い残したことから自由になって行く瞬間が見えました。

レミで祐一郎さんが天に召されるのも、最高になんと神々しいと思いますが、今回の浦井サムの召され方は明日へ続くサヨウナラで、清々しくもありました。綺麗でしたね。

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