2018/06/02

『モーツァルト!』5/31 新ヴォルフガング

ヴォルフガング/古川雄大

コンスタンツェ/木下晴香 ナンネール/和音美桜
ヴァルトシュテッテン男爵夫人/香寿たつき
コロレド大司教/山口祐一郎 レオポルド/市村正親

セシリア・ウェーバー/阿知波悟美 アルコ伯爵/武岡淳一
シカネーダー/遠山祐介 メスマー/戸井勝海

アマデ/加藤憲史郎

@帝国劇場

日本初演から16年目、コロレド猊下とヴォルフの対決曲「破滅への道」が追加された新演出版。

巨大なグランドピアノが舞台に据えられ、鍵盤が階段に、蓋は壁になり、音楽というギフトを受け取ったヴォルフの短い人生そのもの。

1公演のみの鑑賞だし、幕が開いたばかりなので今後どんどん良くなるでしょう。

・ところどころ曲がカット(短縮)されてた。
・コロレド猊下のお手洗いがなくなった。(道行場面はある)
・かかわる人々と、時代に天才も影響されていることが分かりやすくなった気がする。
・猊下のお屋敷がゴージャスになった。衣装もキラキラ、マシマシ?
・猊下、ウィーンで謎のお散歩!!!(猊下が徒歩で移動するなんて謎すぎる)
・シカネーダーが普通の男子に見えます。遠山さんこれから来るんだよね?

■古川ヴォルフ
背が高い、意外と体は細マッチョ系なうえに、お顔が、顔が小さくてオカシイです! なんなんだ、人間か。ちょっと違うかもしれない気がする。女優さん泣かせですね・・・

舞台に上がる俳優として、舞台映えする肉体を持っているのは本当に強いと思う。そして普通の歩き方が出来るのねー。素晴らしい。普通にするの、案外難しいですよね。

声は良いです。音もテンポも捉えてた。鬼気迫る感はまだこれから。メリハリがうまく使えるようになると、もっと魅力が増すでしょうねー。

歌声の強弱を演技とまだしっかりリンクしきれてないのだろうけれど、それはそのうち出来るようになる。新曲、すごいキーになる良い曲でしたが、消化しきれてないというのか、手探り感が激しい。育三郎どう歌うのかな、気になる。

発展途上の人を応援しつつ見るのも、歴史を重ねてる作品ならでは。そう、全然ダメとかじゃないのですよ、もっと良くなる期待を感じる姿なのは悪くない。今でも及第点はしっかりクリアしてるので。

演技は良かった。歌の不足を補っています。なのでトータルとして「雄大ヴォルフいいね

アマデとの関係
新しく参加する人のほうがくっきり役割分担してるのが分かりやすいのかしら。育三郎も最初の年は、そんな風に感じたような記憶があります。

雄大ヴォルフは父世代に比べ感覚が新時代の男の子で、野心があって、女の子も好きで、でも支配的な父親もただ愛していて(愛されたくて)、そして強くて弱い人間でした。自分の中にいる「アマデ」との距離を取ろうとしたり、終盤は一体化していく流れが良かったです。

アッキーが完全天才型モーツァルト、
芳雄くんも徐々に繊細天才型にシフト、
育三郎は・・・普通の男子を残しつつ天才のエキセントリックさもあり(今回見れないのが心残り)

雄大ヴォルフは最も普通男子。
まったく別人格の天才アマデを持っている際だってた。
なので、自由を手に入れ、父が死に、自分も病となる終盤のアマデと不可分になるところで、
これ巧く言えないけど、アマデを自分自身として受け入れるというのか、ついに完全人間になれた瞬間に死ぬんだぁーーーっ!と見てて急に思ってびっくりしたのでした。そこ、とても良かった。

神の恩寵、アマデが居る意味、古川くんが大役にもがく姿と引き立て合えてました。そういう意味では、この役は若手ならではのものかもしれませんねー。
アマデへの憎しみの表現も、もっと広がるといいです。

コンスタンツェとは。
相手役の木下さんが硬いのが痛かった。まだまだまだ。

(松さま見てないの)私のなかでは、ソニンコンスが一番。
すごいだらしなくてダメなところろか、親に認めてもらえない苦しさとか、ヴォルフのミューズになりたいとか、全部良かった。というか、他のコンスは↑こんな風にしっかり伝わってこなかったもんね。
次点で平野綾コンス。甲乙つけがたいけれど、ダメ人間度でソニンが1位です。

ダメ人間同士で結婚したのか・・・っていうのがあのバカップルの良さなので、硬いのはいけないわ。歌うので精一杯なのだと思います。でも、この公演中に化けそうには無いような。

あと、個人的な希望ですけれど、コンスとベッドへGOするときは、がばっと体重かけてほしい。お願い。
芳雄くんががーっと行った年は、大人になったねと思ったものだ。雄大はひとりの時は色気が自然に出てたけど、コンスとのベッドシーンはからくり人形みたいになってしまって色気消えかけたのでションボリですよ・・・

死にそうな演技良い。
細いせいか、仮面舞踏会あたりからの追い詰められていくところ、いい。

ふらふらになっていく雄大ヴォルフ、死んでいく感じがすごい。
演出変更のお陰なのかな、雄大ヴォルフの力なのか、あらゆる人に搾取されていった人生感が強かったです。ほんと、幸せは一瞬しかなかったみたいに思えた(そんなこともないのでしょうけれど)

公演の後半も見たかったわー
皆さまのレポ、待ってる。

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