2006/11/16

『MA』11/15夜 マリー様、素敵に

何だか文句ばかり書いてるのって嫌。B席というかなり客観視しやすいところから見て、またいくつか気づきました。



首飾り事件の前までが、進行がとても良い。好きだ!



主要キャラクタがみな登場し、各立場が浮き彫りに。場面転換といい、物語の流れといい、全く問題なく進んでくれます。



マルグリットがシャンパンかけられ、100万のキャンドル♪を歌い、マリーはマリーで享楽の毎日のなかでも愛で満たされぬ空虚な生活を送っている。泣きのツボです。



アニエスの清潔な歌声にも、心が動きます。「間違ってるわ」という言葉、そのときは受け入れないマルグリットだけど、最終的にはアニエスの教える「人を尊重すること」を叫んでいくんですよね。



ただの修道女じゃなく、時折、天使のようにも見えます~ 声もとても美しくて、けがれなき女性、好きなキャラです。



Q、どこで私はつまづいてたか?
A、首飾り事件・・・ しくしく



ハイ出た! 上から下まで真っ赤! がとても好きではあるけど(これは、ボーマルシェがロアンを指して言います)。



王妃を失脚させるために首飾り事件を仕組んだのか、オルレアンの依頼でやったのか、謎なり。やはり「カリオストロの妖術使い度をどこまでにするか」が問題なんじゃないかしら。



超越した存在の影の主役にしては、事件への介入が小さいじゃないか! まぜまぜ~
あるいは現実の存在として介入したとしたなら、誰かと絡んでほしい・・・・ボーマルシェとたくらみ合うとか。
と、はっきりしてよーっという気持ちに陥ってしまう。もやもやがありすぎるのです。



涼風さん



お買い物三昧してるところから、孤独感とかやりきれない感じがよく出てます。
ルイを軽んじてるようにだけ見えたけど、今回はなぜ軽んじているのかってことも表現されて、悲しい王妃でした。つまり自分すら軽んじてるんですよね。



罷免して!の後の「テヘ!」っておどけてたのもなくって(なくなって良いと思う)ため息のような・・・ すかすかの人生って感じ! 



フェルセンとは王妃ではない部分で引き合ってたのに、お互いに身分から逃れられない閉塞感がありありと出てます。ここから逃げたいって言うけど、その選択肢は彼女のなかにはないんですね。
ルイが無邪気に「鍛冶屋になりたい」っていうほうが本気だろうなという感じです。フェルセンが「王妃としてのプライド・・・それに見合うのか?」って叫ぶほど、マリーは王妃であることが自分の最後の支えだった。



マリーは最初から最後まで抑制されてるんだなぁとつくづく思いました。はしゃぐのも、抑制されてるウラ返しだし、首飾りの場面ではすっかり落ち着いた雰囲気になってしまってますよね。



収監されてからは、なんだかとても雄雄しくて、いい。「王のお側に」って言ったあとから、ずーっとしゃんとしててまさに王妃の風格が。遅かったけど・・・



裁判から断頭台のラスト、王子のため逃げないで立つ姿に心打たれました。



涙も凍る演出で、可哀相、とかすら思えません。ただただ、王制を転覆させるのに憎しみを利用した革命だったのかしらと恐怖を感じるばかりです。



今回のマリーは、ずっと孤独を感じていた女性でした。フェルセンを想いながらも、その想いよりも「王妃」である私、から離れられなかった。強さと哀れさが同時に見えるような感じですね。



0 件のコメント:

コメントを投稿