2006/06/15

『プルートで朝食を』

Breakfast on Pluto 2005年 イギリス



ニール・ジョーダン監督・脚本 パトリック・マッケーブ原作・脚本



キリアン・マーフィー/リーアム・ニーソン/スティーブン・レイ/ブレンダン・グリーソン/イアン・ハート



日本公式HP



☆☆☆☆



ニール・ジョーダン・・・『クライング・ゲーム』の監督。うぶだった私はずーっと女だと思って見てたのよねー。チラシの写真がきれいだったのと(ピンクだし!)、タイトルが気になったので、ふらふらっと入って見てみました。



IRAの活動が激しい70年代のアイルランドとロンドンが舞台。



主人公は教会に捨てられていたパトリック “キトゥン” ブレイデンやがて養子に出され、成長。



小学生の頃には、女性の服、メイク、ふわふわしたもの、きらきらしたものが大好きに。女装してる、というか、男性が好き、というか。



そして養母とケンカしたある日、ついに彼は「ロンドンで見かけた」という情報と名前を頼りに、女優のように美人だったというまだ見ぬ母に会いにロンドンへ行くことに。



最初に恋した相手はIRAの活動に協力しているロックバンドのヴォーカルで、ままごとのような付き合いをして、隠れ家に置いてもらったものの、彼らが隠していた銃を勝手に湖に捨てたため、彼氏は報復を恐れてトンズラ。
置いてけぼりのキトゥン。



さらにロンドンに辿りついてからは、いい人、悪い人に出会う。
仕事についたかと思えば合わずに辞めたり、街角に立って体を売ったり、傍目にはどんどん落ちていっているのでした。最後にはテロの犯人かと思われ厳しい取り調べを受けます。



母親に会いたいとロンドンに行き、ラストの故郷では父親(父親だって誰か知らなかった)に会え、和解もし、ようやく帰る場所を見つけたのでした。



ただ書くと、ダラダラしている映画のようですが、BGMは70年代の音楽で賑やかだし、物語の構成もよかった。



キトゥンが自伝を書いているように作ってあって、第1章「私は捨てられる」から、第36章「体が引き裂かれそう」となってます。彼の苦難の毎日を追体験してるような感じ。



登場人物がただの「悪人」だけじゃないのも好きだし、とりあえずハッピー・エンディングかなと思えるラストだったのもいい。



主人公キトゥンの登場がよくて、気に入ったな。
ピンクのフェルト素材の帽子を被って、完璧に化粧して道を歩いてくるところ。これをコマドリちゃんたちがピーピーと話すのが、かわいい~



化粧なしだと普通に男の人なのに、女装して化粧すると女性らしくなるのがすごいなぁ 美人に見えてしまう自分の目がこわい。



リーアム・ニーソン/神父



素敵~ 神父の服って素敵~ 憂いのある目元、真面目そうなのにいきなりヘンタイ男の顔にもなれる幅広さ、いい人なのか悪い人なのか、よく分からないあたりも謎でいい。



愛を求めた青年が、実は幸せは身近にあったのね、と冒険から帰ってくる話→乱暴に書くと。



貪欲に求めるんじゃなくて、ただ人と人を繋ぐ絆とか、愛情を信じていようと彼は思ってるみたいでした。バカなのかフリなのか・・・両方かも。



キトゥンのように見も心も美しくなろう、と握りこぶしを作ってしまいました。





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