2007/08/10

『あやつられ文楽鑑賞』三浦しをん

☆☆☆☆



ポプラビーチの連載も読んでいたけど、本になったのでゆっくり読みなおしました。



文楽の面白さ、というか演劇的効果について何カ所かで指摘してて、そのいくつかは私も同じように面白い特徴だと思うところでもありました。



生身の人間に一番できないことが、出来る。=完全な死。死んだフリじゃなくて、人形から魂というか命が失われたところってかなりの衝撃です。あ、もう完全に死んだ、表現できてしまう。



あと、感情が役者がやるよりもぎゅうぎゅうに凝縮されて表出してる気がします。



しをん節、ともいうべき文体の楽しさで笑いつつも、文楽の世界を垣間見ることができる本。



ただし、「文楽入門」のガイドブック的な紹介本ではなくて、あくまでも三浦しをんが好きな文楽について書いてるということで。その中で役に立つ知識もちらほら、という程度でしょうか。



文楽から歌舞伎でも上演されたものを比較するために歌舞伎も見たり、ついに床本にあたるところは、面白いだろうなと思います。
歌舞伎的表現と文楽的表現が交錯してるところを見つけたり、役者ならではの表現も見たり。



出来れば文楽の舞台写真がカラーであれば気分がもっと盛り上がるかな。



ああ、文楽見に行きたい!





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