魔笛 /The Magic Flute ケネス・ブラナー監督 136分 イギリス2006
タミーノ ジョセフ・カイザー
パミーナ エイミー・カーソン
パパゲーノ ベン・デイヴィス
パパゲーナ シルヴィア・モイ
夜の女王 リューホフ・ペドロヴァ
ザラストロ ルネ・パーペ
☆☆☆☆
■好き。
好き嫌いはあるだろうけど、私はわりと気に入りました。英語で歌ってくれるせいもあって、クラシックな歌唱のミュージカルとして楽しめたから。そう、今でもアタマの中で魔笛の音楽が鳴り響いてるくらいです~
シカ様(エマニュエル・シカネーダー☆様、私のなかでは圭吾さんのくるくるヘアとステッキ)がお書きになって、もうすぐ死んじゃうモーツァルトが自由と平和のために書き上げた曲が、今の時代でも輝いてて、感動を与えてくれるってことに、感動してしまう~。
「魔笛」の全曲を使って、しかもほぼ原曲通りだというのに、舞台をエジプトから第一次世界大戦くらいのヨーロッパにしてます。
移さなくても、移してもどちらでも良かったと思うけれど、衣装が現代風なのでその点では身近に感じられるのかも。
もともとがきっちりとした筋の通った物語になっていないのを現代の戦場にアレンジしてるので、いろいろ?と思うところもあるものの(だって、戦争の相手のとこで、どうして「沈黙の行」とか「水」の試練とかに耐える必要が・・・)
でも元が元だけに、まぁいいんじゃないの、と思う。楽しさのほうが勝ってたから。
でもって、ヨーロッパでは悪い母親ってひどいことになっちゃうのよねぇとつくづく思う。何があったの?! パパとママの間に。
そして、花嫁は父親から渡されるものなんですね。うむうむ。クラシカルです。
■映像マジック!
一番喝采をおくりたかったのが、超有名な夜の女王のアリア、「復讐の炎は地獄のように我が心に燃え」 空をぐるんぐるん飛び回りながらこれを歌ってます。怒りくるってるのがビジュアル効果ですごいことに。
こんな怖いママがいたのに、よくパミーナはカワイイ子に育ったものよ。
それからタミーノが歌うアリア「なんと美しい絵姿」 これも映像が夢のようでよかったな。全体的にはパパゲーノのところが、一番ファンタジーでかわいらしかったです。いい役ですね。
風景も、普通のリアルじゃなくて書き割りっぽい色合い。ラストのメデタシメデタシの場面での緑や花が復活してくるところは、ファンタジーで素敵でした。
意外と奥行きを感じない映像になっていたのは、監督の趣味なのかしら。目の届く範囲で全ての物語が進んでいってる感じ。ここの世界って・・・うーん、私には新宿御苑くらいの範囲でした。だからこそ、ファンタジーをより強く感じるのかもしれません。
■各ソリストたちのうまさといったら、
ほぇぇ、と天に昇っていく気分でした。
ザラストロ役のルネ・パーペの堂々とした歌声には指導者のカリスマ。なんか、カラダが震えてきたし。あ、歌うと耳がぴょこぴょこって動くのがカワイイです・・・うふ。
魔笛をもって王女を探すタミーノ役、ジョセフ・カイザーのピュアで誠実な声もよかった。ほんと正統派の美声です! 恋する若者そのものですね。そして応えるパミーナの可憐で一途なこと~!
パパゲーノ役のベン・デイヴィス。
とってもいいなぁと思ったらミュージカル俳優でもあるんすね。艶もあって、表情豊かな声でした。えー、ミュージカルの舞台で見たいものです。
あとは、3人の童子(天使みたい)たちのボーイズソプラノにやられました。うっとりですー。私も困ったらこんな美しい童子がやってきて、素敵なダンスを踊りながら忠告してくれないものか。
サントラとか、DVDが手元にあってもいいかも。
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