2007/09/08

『きみはポラリス』三浦しをん

☆☆☆☆



『世間の注目も原稿の依頼も「恋愛」のことばかり。なら、とことん書いてみようじゃないの! ということで生まれた ただならぬ「恋愛短篇集」』(オビより)



エッセイは本当に大好きでよく読むのだけど、作品は好きなような、普通くらい?なような。今回の恋愛短篇集、は失礼だけど意外ととてもほっこりできて良かった。



いろんな関係、いろんな立場の、いろんな愛、恋、愛情。結婚してる人とか、結婚を考えている人がわりと多いのは、しをんがお年頃だからか?



この人たちはこうです、とか、○○とは●●である、と言い切ってしまう型にはめることが嫌なんだろうなと思う。入りそうで入らない、それが生きてるってことだ。
どこかにたどり着くかも、あるいはどこにも着けないかも。だけど、日々は過ぎて行って人は(人間関係は)変化しつづけていく・・・そういう揺れている人たちを書くのが好きなのかなと思う。



それから、誰も他人を自分のものにできないっていう前提があって、それは正しいよなぁと思う。自分のものにしようだなんていう不埒者も登場してこないし。
他人と暮らすことを冷静に見てるものだなぁと感心だ。ねちねちしてないのもヨシ!(江国香織とかはだから苦手・・・ 愛が重くて逃げたくなる)



とことん書いたかといえば、まだまだ! まだ、キレイに書いてると思う。ねちねちが嫌と言いつつ、でも奥の奥までいってさらりと書けたらいいのに。人間の観察はすごくいいと思うので、これからも精進していただきたい。



風が強く吹いている』でも、とにかく襷を渡すこと、全力を尽くすこと、ゴールすることに燃えに燃えているのが素敵だった。結果は結果としてついてきたわけだけど、走れてよかったよ!と素直に思えたからー。





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