2007/09/20

『ミス・ポター』

MISS POTTER 2006 クリス・ヌーナン/監督



レニー・ゼルウィガー、ユアン・マクレガー、エミリー・ワトソン



日本公式サイト



☆☆☆☆



ネタバレしてますので、ご注意ください。



4つつけだけど、傑作だとか、映画史に残したいとか、そういうのじゃなくて。小さな映画だったけど、湖水地方の風景とか風の音とか、100年前に自分を表現しようとしたビアトリクス・ポターの生きかたに4つ。



この時代の洋服とか家具とかインテリアがこれまた素敵♪で、その点でもオトメ心が刺激されます。レースにリボンにー。ビアトリクスの子ども時代の服がまた可愛くて、目からハート光線が出ます。



それから、ほんの少しだけ動いてくれるピーターたちも可愛い。予告を見た感じでは、もっと2人に語りかけたり活躍するのかしらと思っていたんですが、ビアトリクスにちょこっと動いてみせたりするくらい。そのさりげなさ加減が上品で良かったです。



さて、ほのぼのしようと思って見に行ったら、たぶん場内でいちばん号泣してました。



親のすすめる縁談(上流階級の、魅力のなさそうな面々)を断り続けて32歳。当時、育ちの良いお嬢様は32歳で独身にはならないものなので・・・大変にちがいない。しかし、納得できないものはできないという態度が素敵です。



でも、いままで身分だけの相手と結婚しなかったのは、『ピーター・ラビット』を出版してくれた会社の3男(兄弟会社なの)、ユアン・マクレガー演じるノーマン・ウォーン氏に出会うためだったんだわ、という素敵な恋が始まります。



プロポーズのくだりから、駅での見送りまでのところ、素敵すぎ。ダンスの場面も、うっとりでしたー。ユアン・マクレガーの素敵な生歌まであるんなんて、やられました。



ロマンティックにしようとしてなさそうなのに、抑制のきいている時代だからこそかしら、プロポーズの言葉が純粋で、いいなぁ



はじめてちゃんと手と手をつないで、見つめ合う2人。思いあっているのが溢れてて、私もシアワセの絶頂。
駅でのキスはロマンティックで~ プロポーズしてイエス、って言っても「ミス・ポター」「ミスタ・ノーマン」って呼びあう2人が、初めてファーストネームで呼ぶとこなんか、シアワセで泣けてきます。



それが、あんな悲しい別れになるなんて! 神さま、ひどい!
事前情報なしで見てたので、湖水地方で一緒に住むのってノーマン氏だとばかり思ってたんですよー。違った・・・
あまりのショックに涙がぼろぼろ。



だけどノーマン氏のお陰で、人を愛する気持ちや愛される幸福を経験したし、本も素晴らしい出来となって世界中の人に読まれてるんですよね。若くして亡くなってしまったけど、ビアトリクスにもノーマン氏自身にも、素晴らしい人生の輝きをくれたのでした。



じっと受け入れよう、乗り越えようとしてるビアトリクスを見ると、また悲しくて。耐えた先に自分らしくできる場所と友人たち、夫となる人との出会いがあって、本当に良かったなぁと思います。誠実に生きてる人には、ちゃんとした人生があるのね。



久しぶりに、『ピーター・ラビット』を読もうかなと思います。



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