2007/09/12

『レ・ミゼラブル』8/26昼-5

あいつはすべて信じている!



脱獄犯ジャン・バルジャンの汚名を着せられる囚人がいると聞いて、葛藤する場面。



築いたものを捨てられるか!
見るたびに、今日のバルジャンはどうだろう、ととても注目して聞いてしまうところでした。「捨てられるものか!!」って思える日、または「捨てられるか??」とほぼ疑問形に聞こえる日。同じ役者さんでも日によって違ったり、面白いところだなぁと思います。



どちらも、合ってるというか。どちらでも、バルジャンの本心。それに、どちらの理由も自分のためじゃなく、町のためか身代わり男のためかです。
それから、疑問文ぽく言うのは、捨てたくないから疑問形になってるんじゃなくて、そういう疑問を持つことを躊躇してる感じなんですよ。 



さとしさんは、私が観たときはほとんど「捨てられるか?」という感じで歌ってたと思います。祐バルは、一度捨てられない!って言ってから、お悩みループにおちいってることがほとんどだったはずー。



と言うわけで、さとしバルジャンは本人が決意する前から、自分と間違われた無罪の男(といっても囚人だった人ですけど)を救う、と思ってたようでした。



24653ーーー!(サーン!がとても高音ロングトーン。気持ちいい・・・)



ここんとこのさとしさんは、ますますいい人。
法廷にずりずり後ろ歩きで入って来て(ナイスタイミングですが、毎回ドキドキする)、俺は、ジャン・バルジャン!と名乗って禅ジャベをびっくりさせておいて、間違われた不幸な男を立たせて家族のそばに帰らせます。紳士です! 
それから、まだ???という表情のジャベール君に向かって、再度、俺は24653!
胸の焼き印の披露具合は、まずまず、がばーっと。祐バルのように出し惜しみいたしません。よしよし。



呆気に取られているジャベールの前を、ジャベールなんか気にならないさ、という態度で横切って法廷を出て行くバルジャン。おおー、屈辱的ですね。しかし、ジャベールもすぐに動けないあたりが、本当に権威とか肩書きとかに弱い人っぽいよなぁと思います。素直すぎです。



温めよう。



温めてーっ という女子の絶叫が渦巻くなか(違う?私は死にそうなファンテの次は、私ね!と念じます。通じてないらしいのが、とても残念だ)
やさしくファンテの手を包んであげてます。



6月だったかな、さとしバルジャンを観たときは、かなり追いかけてくるジャベールを気にしてて、「命かけてコゼットは守り通す」って誓ったあと、すぐ立ち去ろうという動きでした。
でも、この日(8/26)は、全然追っ手のことは気にしてない態度でした! よりファンテとコゼットのことを一生懸命守ろうと思っているバルジャン、ということに変化してきたのかしら。



立ち去るしぐさがないことで、ますますファンテの余命が風前の灯火なんだわ・・・という感じまで出てくるのが面白いです。ファンテが、誰かの優しいぬくもりを必要としてるんだよね、ってすごく伝わりますね。



はー。 どの場面でも、橋本バルジャンの優しさに参ってしまう。弱い優しさじゃなくて、しっかり根の生えた優しさ。ただし、それを自己肯定しないところが苦行僧のようでもあります。満足しないの。できないんですね・・・ 



対決は、禅ジャベのところでしつこく思い出し済みです~。コチラ



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