2007/02/05

『それでもボクはやってない』

2007年 143分



周防正行/脚本・監督 公式HP
加瀬亮/瀬戸朝香/山本耕史/もたいまさこ/役所広司



☆☆☆☆



周防さん、しばらく作ってないと思ったらこう来たか・・・! 



見る前は、冤罪裁判を扱うと聞いたので、もっとどーんと暗くツライ雰囲気かと思ったんです。



でも、感情を誘導するような演出はほとんど見られませんでした。「やってない」と訴える人が主人公なので、やり場のない怒りとか、諦めてしまいたくなる気分とか、それはあります。
でも、どうだ嫌だろう、裁判なんてひどいもんだ、オラオラ、という押し付けは感じませんでしたね。そこが上品な監督です。



あと、弁護士にも葛藤があり、裁判官の出世レースの話もあったり。



フリーターの金子くんは、就職面接のため満員電車に乗った。乗り換え駅で降車したら、女子中学生から「痴漢したでしょう」と腕を掴まれた。話せば分かると駅事務室に一緒に行ったら、警察がやって来た。私人による現行犯逮捕だと言われ、犯人扱い。その後、無実を証明するための長い取調べ、裁判の日々が始まる。



ただコレだけ。劇的な展開も事件もなく、ふっと作り物ってことを忘れそうになるくらい裁判経過を追っていきます。



容疑者って、すでに罪人扱いなのね・・・ 嫌だよう。トイレットペーパーも付いてないトイレって何だ。痴漢で保釈金200万円って普通? 取調べに第三者が立ち会わないのも嫌。社会で揉まれてない人が裁判官になるっていうのも、危ないものを感じる。



うわぁん、大森南朋がーっ 
取調べの刑事役です。すごく嫌なやつです。最低ですーっ たぶん、大森南朋の役がヘンなんじゃなくて、日本で警官になるとこういう風になっちゃう危険大なんですよ! 南朋の不気味なところが、あますところなく発揮されてます。



きゃーっ 山本耕史
美しい顔に美しいカラダ。いい声だしなぁ 嫌味でなく友達思いのいいやつでした。頭も良さそう。おじさま達ばかり出演してるので、一服の清涼剤ともいう。



正名僕蔵さん 素敵っすね。
公平な視点を持とうとしている裁判官役で、とても良かった。傍聴オタク役でオーデュション受けたら、抜擢されたとか。



小日向文世・・・ いやらしい顔でした。
良い人役が多い小日向さんですが、金子くんを最初から疑いの目で見、陰険な質問を続ける裁判官。こういう人、多そう。いやーっ



他にも、本田博太郎、尾美としのり、光石研、田中哲司! 気になる方たちが多数出演。なかなか見所多い布陣です。田口浩正、竹中直人も当然ご出演。



裁判官もきっといろいろ、警察官もいろいろでしょう。組織のあり方がこういう杜撰な捜査と取調べ、起訴・・・を作り出しているのかもしれない。でも何となくイメージしているものよりも、実際は良くないかもしれないですね。
素敵なオトナってどこにいるんだろう。どこよーー!



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