2007/07/20

『アイ・ラブ・坊っちゃん』

7/19
音楽座ミュージカル『アイ・ラブ・坊っちゃん』@札幌市教育文化会館



まるで予備知識ないまま観に行きました。良かったぁ~☆ 漱石ファンとしては見ておかねば、と行ったのですが、じんわり胸が熱くなりました! 



夏目漱石の『坊っちゃん』の物語と、創作中の夏目漱石自身の物語が同時進行していきます。たまに重なり合ったり、漱石の現実と物語が微妙に入り組んでたりで、凝ってました。



場面転換がおやまぁ・・・うーむ、という印象だけど、役者さんたちがカバーしたかも。
縦か横に移動してばかりだったので、舞台奥にはけてみるとか、そういう動きも欲しかったような。奥行きが足りないのか・・・



ラストが、あー・・・ええええ??? メルヘン?何? で、唐突感は否めず。悪くないけどさぁ、大正沼、昭和○○(忘れました)、平成●●(忘れた)へ!と叫ぶ列車に乗り込んで終わりって、困っちゃう。




「山嵐」役の安中淳也さん、ムフフフ。背も高そうですが、お顔も大きくて(失礼)舞台栄えします。いわゆる美声ってわけじゃないけど声質も好きだし、ダンスが素敵でした。袴が風を含んでふわっとなるのもうまく見せてましたヨ。



それから、漱石役の松橋登さん。漱石か!というくらいに格好が馴染んでます。かんしゃくもちで、優しくて、気弱。でも意地っ張り。夫としては、苦労するなと思うのだけど、妻の鏡子役の秋本みな子さんが明るく助けてあげてました。たまにケンカしてるけど、なかなか良い夫婦のように見えます。



坊っちゃんの吉田朋弘さんは、やや声に疲れがあった感じ。だけど、一本木ながら清を大事に思っているあたり、なかなか爽やかです。



清の大方斐紗子さんの演技に歌、とっても可愛らしい。清が坊っちゃんに下書きに4日?かけたという手紙の場面、泣けてきます・・・・ 



■坊っちゃんを鏡にした、漱石の物語。



いわゆる『坊っちゃん』をミュージカル化したのかと思ったら違ってました。漱石の物語です。周囲の人たち、自分のこと、夫婦の関係、いろんな周囲のこととどう向き当っていくのか?考えていくお話でした。



漱石が早世してしまうことを知っているだけに、鏡子さんが「いつまでも」とかって言うだけで、泣けてきそうになります。「ぶたれても♪けられても 平気だわ♪」という歌詞がありまして、本当に平気なのか?心配。それだけじゃ、DVだよー。



親友の正岡子規だって、舞台上でも亡くなっていて「山嵐」と二重写しになっています。はい、『仰臥満録』を思い出しました。キャッチボールを人間関係に例えながら、ボールを投げあうの良かったな。どんな球でも、取る。



■これは恒例なの?



カテコでは、北海道(しかも札幌市)出身の二人、を紹介。
上演中はほとんど歌に対しても拍手などはなく、静かに観ていた札幌の観客。しかしラスト付近では、号泣を超えて嗚咽状態の方を筆頭に、私の周囲では涙の洪水が。わーっ 私はふにゃーっと涙ぐむくらいで我慢。



客電がついてロビーに向かったら、あら。役者さんたちがロビーでご挨拶してくれてました~ これって恒例なんですか?
漱石先生と、山嵐さんを探して、どうにか山嵐氏には近づけたのでご挨拶。あと、かわいいかわいい清にも。ほんっとお歌が可愛らしかったのです。漱石先生はいらしたけど、人垣で近づけない感じだったので心の中で「素敵!」と叫んでおきました。



あと、広田勇二さんも出てらしたので『MA』(べメール/エベール)だわと思ったものの、見つけられませんしたー。
で、当然坊っちゃんにもお会いしたかったのですが・・・・ 人の流れがあって、近づけず!またまた心のなかで「ありがとー」と言って帰宅。







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