『死刑執行人サンソン-国王ルイ十六世の首を刎ねた男』安藤正勝著
集英社新書 ISBN:4-08-720221-6
『MA』でフランス近代史に興味が湧いたので、読んでました。これがなかなか良かったです。
フランスでは、処刑人の一家は代々、家業として処刑を仕事にしていたのでした。国、国王、法廷が認めた「死」の執行人でありながら、差別を受ける生活。学校にも行けず、結婚もフランス国内の処刑人ネットワークの中で行われたそうです。
さて、サンソンの回顧録というものがあり、それら(3種ある)を準拠に書いたそうですが、読みやすいし、ルイを処刑したサンソン氏の内心についても、回顧録をもとに書かれてて、読んでると胸が苦しくなりました。激動のフランスの歴史を、処刑人の立場から見た歴史として捉えられます。
そもそも、彼ら処刑人たちは国王陛下の決めた処刑、をかわりに執行していたはず。なのに、その国王をギロチンにかけるとは!
サンソンはルイと3回会っているので、会見したときの様子とかも分かります。ルイは善意の啓蒙君主となれたかもしれないですね。しかし、革命は起こるべくして起きてしまったもの。魂よ安らかに・
人道的配慮から、苦しみを少なくしようと開発されたギロチンは、処刑のスピードが上がったことで殺戮機械となってしまた・・・・
処刑の方法についても、書いてありましたが、八つ裂きの刑だなんて気持ち悪かったです・・・うう。
0 件のコメント:
コメントを投稿