2006/02/09

『屋根の上のヴァイオリン弾き』2

2幕



キエフでの集会に行かなくては、というパーチック。では・・・さようなら、勝手に。と言う次女ホーデル。しかし二人は思い合ってることを確かめ、結婚の約束をします。手を取り合う二人にバッタリ会うテヴィエ。あぁっ・・・もしや。



長女は「結婚を許してください」と頼んだが、お前たちは「祝福してください」と言う、「しきたり」は!と怒るテヴィエ。進歩的なパーチックにとって、結婚は男女の気持ちが第一なのです。
しかし娘が好きな人と結婚するのは神様もお許しくださる、と二人の結婚を認めるテヴィエなのでした。優しいパパだ・・・。



この驚いたり、怒ったり、悩む市村テヴィエが最高~ いじらしくて、かわいいのです。



新しい言葉・・・「愛」。 自分はどうだろう?と ゴールデに do you love me?♪ 愛してるかい? と尋ねます。



ヘンよ! 私は妻なのよ!と照れてるゴールデ。結婚式の日に初めて会ったけど・・・
愛してる」とちゃんと言ってくれました。娘たちも親も幸せを噛み締める一瞬。
またまた、じーん。このあたりが、日本のお父さんたちもじーんとくるポイントでしょうか。



長女には子供が産まれ、夫のモーテルはミシンを買います。
次女のフィアンセ、パーチックはキエフの集会にでたことで、捕まり、シベリアへ送られます。
三女チャヴァは、ロシア人青年と知り合い、(こっそり)交際するように。



far from the home I love♪ シベリアのパーチックのもとへ、家族から離れて向かう決意のホーデル。初冬の冷たい風がふく駅で、テヴィエとホーデルが歌います。



ホーデル役は剱持たまきさん(細い・・・)。静かな曲なので、難しいところです。
彼に会いに行く決意と、家族や育った土地から離れる辛さを歌にしていかなくちゃならないので。
えぇ、私がわりと絶唱系がスキなので、もうちょっと歌を聴かせてほしいなぁ・・・と。



汽車がくるまで待たずに、逡巡する様子のホーデルの背中をぐいっと押して、手放すテヴィエ。テヴィエの偉いところは、こうやって背中を押してやる父親であることですね。



しょんぼりしてるところに、三女チャヴァから、ロシア人の青年フョートカのことが好きなの!と衝撃告白をされます。



ユダヤ人じゃないのはダメだ! 宗教が違う者とは結婚なんかできっこない! こればっかりは受け入れられないテヴィエ。
思い余ったチャヴァは、家を飛び出してロシア人の教会で結婚式をしてしまうのでした。



chava ballet sequence♪ 幼い頃からのチャヴァを思い出す場面。
かわいいチャヴァ・・・ 親なら(あ、親じゃないけど)涙腺が危険信号。娘の幸せを誰よりも祈ってる、でも受け入れられないこともあるんだ! 娘は死んだ!と叫び、引き裂かれる思い。びぇーん



Anatevka♪ ロシアの政府は、ロシアにいるユダヤ人排斥を決め、3日以内に土地を出ろと命令を出します。紙切れ一枚で! 3日で何ができる、家も売れない。



怒るものの、ここは神様の約束したところじゃなかったんだ、新しいところでその日を待ちましょうというラビの言葉に決心する人々。
テヴィエ夫妻は四女五女とともに、アメリカの親戚のところへ行くことに。



移住の準備が終わる頃、チャヴァがロシア人とともにお別れにやってきました。目を合わせようとしないテヴィエ。



チャヴァはさようなら、と、ユダヤ人排斥をするロシアを好まないロシア人もいる、だからフョートカとポーランドへ移住します、と告げるのでした。
しかしチャヴァを心配しつつも、最後まで和解できないテヴィエでした。



そして悲しさで泣き崩れる妻をしっかり抱き、勇気付けるのです。それでこそパパ!



それにしても辛い運命だわ。どうしたらいいの~! あまりの悲劇に席でかたまる私・・・。



馬が引くはずの家財を積んだ重い荷車を、テヴィエが引き、後ろを妻と娘二人が押していきます。



テヴィエの心を表してきたヴァイオリン弾きも、哀しみで弾くことができません。



夕日をバックに荷車を引くテヴィエ一家・・・ もの悲しいヴァイオリンの音色とともに。



幕! 



うわぁーん。悲しいよう。拍手を送るものの、呆気にとられてました。
もういちどテヴィエ父さんの笑顔が見たい! このまま帰れない~っ



Finale♪ で、もう一度幕があがり、村人たちが出て来て笑顔のテヴィエもいました。よかった・・・ ほんとよかった・・・









この笑顔がなかったら、寒風吹く外になんか出て行けないところだったよ。





奥さんの浅茅さん。歌謡曲風な歌でしたけど、母親役としてはよかったです。



長女役の匠ひびきさん、歌もよかったけど(駅での別れの歌はこちらの歌で聞きたいかも)、ダンスがきれいでした。ちゃんと身に付けてる人っていう踊りできれいです。



どんな感じかなぁと思っていた三女の安倍麻美さん。好演かも。可愛い声が剱持さんとカブるのが、お互いにもったいない気がしてならないです。政治活動家を追いかける次女は、もう少しきりっとしててもいいかなぁ



初代が森繁さんで、西田敏行と来て、市村正親。前の二人のもきっとそれぞれいいパパぶりだったでしょうけど、市村さんは身軽で素敵でした。



文章にうまく書けないんですが、動きがかわいいんです。べたべたした愛嬌じゃなくて、さっぱりした愛嬌。娘たちよりもかわいい。



まだお席に余裕がありそう。新テヴィエをぜひご覧あれ。土台は哀しいけど・・・テヴィエは元気ですから!



そうそう、ことあるごとに聖書の言葉を引用するテヴィエですが、ユダヤの格言というのもあり。タイトルの「屋根の上でヴァイオリンを弾く」ように冷静でいるのだ、というのもそうなんですって。



原作も読んでみようかな。

テヴィエ:市村正親 
妻ゴールデ:浅茅陽子
長女ツァイテル:匠ひびき 
次女ホーデル:剱持たまき 
三女チャヴァ:安倍麻美
モーテル:駒田一 
パーチック:吉野圭吾 
ラザール:鶴田忍 





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