2006/02/18

『アンナ・カレーニナ』1

2/17 18:15@ル・テアトル銀座 A席



ネタバレしますのでこれから観劇の方はご注意を。



ル・テアトル銀座はシューボックス型で傾斜があり、とっても観やすかったです。椅子が高いので、足がやや疲れたけど、私がチビッコだからでしょう。



遠い昔に読んだと思っていたトルストイの「アンナ・カレーニナ」
実はあの冒頭の汽車の場面とそのちょっと先までしか読んでいなかったらしい。読んだうちに入らなかった。



だってあんな悲劇だったという印象がないんです。ロシア人の名前が長くて読みにくくて、読むの辛かったの。中学生くらいだったし・・・。




1幕
時代は19世紀末。15歳年上の政府高官で地位ある男カレーニン(山路和弘)との、愛が感じられない単調で空虚な毎日に疲れはじめていた美貌のアンナ(一路真輝)
唯一の慰めは愛する息子セリョージャのみ。



ところが兄の浮気騒動のため、サンクトペテロブルグからモスクワへ行く列車内で、若き将校ヴロンスキー(井上芳雄)と出会うのでした。



当初、ヴロンスキーはアンナの兄嫁の妹キティ(新谷真弓)に思いを寄せていたが、アンナに出会い気持ちが変わってしまう。



また、同じ汽車にはキティに駄目もとでもプロポーズしようとしているレイヴィン(葛山信吾)もいて、4名はキティの部屋でそれぞれの思いを交差させつつ会話を。キティはヴロンスキーが好きだと思い込んでいて、この時はレイヴィンの申し込みは断るのでした。



貞淑だったはずのアンアが、情熱的なヴロンスキーとの不倫に身を投じ、愛する息子まで置いて家出。



義理の妹の恋人と付き合うことになったわけです。



2幕
アンナはヴロンスキーの子どもを産むものの、モルヒネに頼る毎日を送っていた。最愛の息子セリョージャは、夫が手放そうとせず、誕生日に会うことすらできない。
セリョージャを悲しませたくないと、夫は「ママは死んだのだ」と嘘を言っていたのでした。



嫉妬と怒りに襲われる夫カレーニンだったが、息子に会いに夜に駆け込んできたアンナに、帰ってくるならゆるして受けいれようと提案。しかし、それはアンナにはもう受け入れることは出来なかった。



八方塞りと追い詰められたアンナ。死んだ人は、心と天国にいるのだと信じている息子に会うには、もう死ぬしかない・・・ 





感情移入できるのは葛山レイヴィンですね。田舎暮らしがスキで、キティへの愛情を大事にして、最後は幸せな家庭を持つことができます。



アンナは、かのエリザベート様のように、下々には分からないところで人生に歓喜したり絶望したりしています。衣装の雰囲気も近いせいで、うっすらイメージが被りかけました。



もー全部は手に入らないよ、家出したなら息子は諦めなさいよ、ってそれ言うと話が終わっちゃうのですが。短気なので、恋愛モノっていつもそう思ってしまう。
美貌、夫、地位、社交界、息子、すべて持っていたわけですが、心は満たされていなかったんですねぇ。



自分で選んだことだけど、どんどん悪いほうへ落ちていくさまが苦しいです。



印象ですけど、たぶん原作と雰囲気がかなり違うんじゃないかなぁと思います。トルストイって信仰心とか、社会のありかたとか、書き込んでいたと思うので。ヒマヒマになったら、読んでみよう本リストに入れておきます。読めるのはいつだろう。



一路さん、井上くん



息子を見守る母心か。井上芳雄は観るたびにどんどん成長してるのが手に取るように感じられます。まだまだ人生始まったばかりの、青年を素敵に演じてて、そして歌がこんなに安定してきたのね。



これは非の打ちようがないのでは・・・恐ろしい。



軍服マニアの皆さん、ぜひご覧くださいませ。冒頭とラストに着るマント姿なんか、気絶しかけました。似合いますね~ そして、いつのまにか(母心再来)こんなに男らしくなって!



で、アンナとの恋の炎がメラメラ燃えるほどに、シャツの胸元が・・・ボタンがどんどん外されていきました。
えぇ、見逃しませんとも。だからラストはまたカッチリした軍服姿に戻るんですね、むふふ。アンナが何もかも置いてやってきた時は、2/3は開けてたですよ。



一路さんは、(またエリザに似てて)引き裂かれる自分、息子との別れ、という役どころ。



ヴロンスキーに賭けて、「抱いて♪」と歌いだすWaiting for you は井上くんとのデュエットで、まさに今この時、な恋愛を歌ってます。



雪の降る中、追い詰められたアンナが息子セリョージャを想って歌うSERYOZHA ちょっと演歌にも聞こえ・・・え、ます。(曲のアレンジのせいです、きっと)こぶしがまわるかと心配になりました。
歌い上げます!息子への愛!



この後、走ってくる汽車に向かってしまうので、ますます背筋が凍るような気持ちになりました。ものすごい熱唱です。 
やめて~そんなことしちゃダメ~っ と心の中で叫びっぱなしでした。



ともかく、一路さんは舞台にいるだけで美しくて目の保養ですね。細いし・・・ デコルテもきれいだ。衣装もタックたっぷり、レースたっぷり、色もピンク系もあったりして、とっても素敵でした。



まだつづく。



2 件のコメント:

  1. やっと、観てきました。
    美しくて、哀しくて、目が幸せな舞台でした。
    おススメの葛山レイヴィン、とても良いお声でした。見た目もさすがjunon boyステキでした。
    娘その2には、♪やるぞ~ が大うけ。(笑)
    TBさせていただきました。

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  2. セルゲイ2006/02/27 1:04

    おすすめといいますか。なかなか好演だったと思います。わたしも「やるぞ~♪」大好き! 失恋したときってこんな気分になりますよね。
    まぁでも。井上くんのきらきらした姿には適いません。見れてよかったです~

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