2007/12/11

『椿三十郎』 いい子だ!

2007 森田芳光監督 公式HP

椿三十郎:織田裕二 室戸半兵衛:豊川悦司 井坂伊織:松山ケンイチ



茶室の三悪人:風間杜夫、小林稔侍、西岡徳馬
押入れ侍:佐々木蔵之介



睦田(城代家老):藤田まこと 睦田夫人:中村玉緒 千鳥:鈴木杏
こいそ:村川絵梨

黒澤明監督の『椿三十郎』は未見、比べる相手がないのでこれはこれで楽しく。
織田裕二は、もうすぐ40歳、の中年の一歩手前の積み重ねを感じさせ、なかなかよかった。思ってたよりヨレてたのもよかった。



織田裕二が好きなんだよ・・・ というわけで、見に行きました。あまり周囲に「織田裕二いいよね!」って同意してくれる人がいないんだけど。
なんでか分からないけど、好きだ。顔もいいけど、顔よりも、背中がいいのよ。あ、手とか腕も。ヒップも感じも素敵。あー、きっとカラダに魅力☆があるのね。おほほ。



三十郎さん、なかなかコ汚くて、もしかしたらいい匂いとかしてそうだなぁ・・・(久しく風呂に入ってない匂い) 宿敵、室戸はまずますこざっぱり(腹黒そうだけど)で、無臭かも。



そんな二人がじーっと見つめ合ったり、肩を並べちゃったりする場面があり、やー、どきどきした。腕を認め合った二人には通じるものがあって、言葉にしなくても分かるぜ!って感じのアイコンタクトだったんですものー。どきどき。
ほんと女っ気のない映画だったわ。うふふ、こんなに素敵な男が二人もいるのに、ヒロインなし!やった!二人の目には宿敵しか映ってないのよー。正義感だけの若造たちには、このオトナの辛さ、まだ分からないだろうよ。



織田裕二にも、こういう人生の澱みたいなものが出せるようになったのかと思うと感慨深いです。プロフィールみたら、織田裕二と蔵之介は1967年度で同級生になるんですねー。



斬って斬って、の場面より冒頭の鞘に入れたままの刀で倒していく場面が力があるんだなぁというのが伝わりました。斬ってるとこは、イタそうで怖い。



めっぽう強くて、斬っている最中は、アドレナリン噴出で後悔も欲もなくなるくらいに無我。だけどそれが終わったら、人を1人斬るたびに、重石とか、見えない膜みたいなものが彼にくっついているような感じでした。つらいわ。



室戸、豊川悦司
予告で見たとき、オデコちゃんなトヨエツはいかがなものか・・・?とやや不安がよぎったものの、似合う似合わないより、当時はみんなこの髪型なんだしね。すぐ見慣れました。ほっ だったら、織田裕二だってオデコとか耳とか出せばいいのにさー



少し猫背気味ですすっと走っていく後姿がカッコよかったです。身軽でした。「茶室の三悪人」が右往左往してても、静かにたたずむ姿、ふふふ、いい役です。
相変わらず良いお声でした。美しい手がほとんど映らなかったのが残念。



伊織、松山ケンイチ
人を素直に信じるあたり、真面目な長男っぽい。血気にはやるというよりも、筋を通せば不正は暴かれ正義が行われると信じている若造くん。いい男になってくれい。
障子をばっと開けた瞬間に閉じられたとこ、とても良いリアクションでした。かわいい。



若侍たち
小柄でいつも目を見開いてる保川邦衛役「一太郎」ー、顔やら動きが煩くて、見てると疲れました。他の若侍たちはセリフが下手でもすがすがしさがあり、ヘナチョコぶりもそのままで、ま、いいと思います。



押入れ侍、佐々木蔵之介
中村玉緒の天然を除けば、蔵之介のボケぶりが最高です! これは相当、おいしい役。



立ち回りなしで、一張羅の着物にお膳もついて、しかも押入れに入ってるだけ!真面目にやってるんだけど、可笑しくなっちゃうというパターンで。ひょうひょうとしてて良い。テレビでも映画でも、もっと蔵之介の魅力満開の作品を誰か撮ってほしいです。



三悪人
風間杜夫が心配のあまり心臓がきゅうきゅうしてる顔色の悪い竹林役、この方も蔵之介と同じ雰囲気のとらえどころがない役者ですね。
西岡徳馬、面白いくらいの悪人顔になってて、悪人型にはまってました。頭が良いとうぬぼれているが、悪人になりきれない脇の甘さあり。
小林稔侍、最初は悠々と落ち着いていたが最後はひいひい言いながら椿の花を切りまくるお茶目さん。



ラストシーンは、オリジナル版でも語り草になっているらしく、監督は苦心したよう。



私の好みだと、スロウでもう一度!は要らないような気もします。そこだけテレビドラマ風に見えたので。親切ではあるけれども。
とにかく凄い気迫がぶつかって、椿三十郎が少しだけ強かったというのが分かればよかったんじゃないでしょうか。



なかなか哀しい決闘シーンになっていました。この先、こんなんで三十郎さんは幸せになれるのだろうか、というところまで心配になってしまった。だって、助けてあげた伊織くんは千鳥と結婚して家庭を持つだろうしさ。



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