2007/06/14

『MA』千秋楽3 澄みわたる声

1-3 パリのある通り



M7 『100万のキャンドル』



笹本マル。
マリーにシャンパンをかけられたあたりで、ものすごく打ちのめされた感じ、自分のことを可哀相だと思う余地さえないのかもと思うくらいに、深く深く哀しい思いに沈んでいるよう。



舞台上手にセリ出た部分で、胎児のように小さくなったまま、静かに歌が始まります。



歌いだす前のこの姿を見るだけで、身分の差、生活環境の差に動揺して、私もあんまりだわーっ、と泣きたくなる。けれども泣いてもパンは降ってこない!ああ!です。
玲奈ちゃんのこの姿ったら、本当に痛々しくて哀しかったよ。



眩しすぎたの~♪ の歌詞がいつも胸に凍みてました・・・ マルグリットってオトナだ! 一時は憎しみいっぱいの激情にかられるわけですが、基本的にはとても理知的なコですよね~。だからこそ、いきなり怒ってる出だしに違和感があったのかも。
(凱旋になってからは、余計に神に仕えるアニエスとかなり根っこが近くなった。)



完全に希望を失いそうになって、生気が抜けちゃいそうなほどにノック・アウトだった玲奈マルグリット、後半のお怒りモードに入っても、この哀しみを背負ってたような印象でした。



新妻マル
玲奈ちゃんより(似てるけど)堅い声の聖子ちゃん、同じ歌詞でも、ただ打ちのめされてはいない様子。どん底だけど気合あります。哀しみが怒りへと変化していくのが、この時点でもけっこう出てて、言葉にできないけど、「怒った気分」らしい。



何となく研ぎ澄ました刃物っぽい。



そうそう、どちらかと言うと、気持ちで怒ってるのが笹本マルで、理性から怒っているのが新妻マル、という印象です。でもって、新妻マルは、男にうつつを抜かさなさそうだな、とか作品に関係ない想像したりして・・・。ゴメンなさいー。



大楽だし、どういう風に歌うのかしらと思ったら、とても丁寧に大事に歌ってくれました。私のほうが、勝手に感極まってましたね。



M8 『流れ星のかなた』



オープニングからここまでの流れ、最高に好き! つながりもスムーズです。舞台奥にずるずる引きずられる小さな男の子の母親の、悲惨すぎる最期に悲鳴をあげますわ!と慄いていると、聞こえてくるのが天使の声ですもの。



哀れに思うのは簡単だけど、アニエスには信仰があって、そして希望を失ってはいけないのだ、としっかりした土台があるんですよね。素敵。



まぁ、強いて言えばマルグリットと再会するキイになる歌のため、二人が互いに気づくと、今母を失ったばかりの男の子はそっちのけになってしまったのか・・・というのが、ちょっと寂しかった。仕方ないんですが、この子には、最後のフレーズまで歌ってあげてほしかったわ。



笹本マルとの時、ものすごく二人の表情に感情の高まりを見ましたよ! こみ上げてきたらしく、うるうる。安定してた土居アニエスの声が少しうわずってました。本当の先生と生徒か、姉妹みたいに絆がありそう~



新妻マルとのときは、聖子ちゃんが落ち着いた風だったものの、気合200%だったので、土居アニエスもついに千秋楽だわ、と感情をのせて力強い歌い方に。あら・・・激しいシスターは初めて。



というわけで、ハーモニーは笹本マルの前楽のときのほうが美しかったです。楽は、気持ちで歌います!でしたので。



あと、子守唄歌いながら、離れて座ったマルグリットの肩を自分のほうに抱き寄せるところは、なかなか力強い感じでぐいっと抱いてあげてますよね。このあたりの土居さんの仕草も好きでした。



お、次はやっとカリオストロ伯爵・・・長い。本当に終われるのだろうか・・・?



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