2007/06/04

『MA』千秋楽1 プロローグ

5/29ソワレ、5/30マチネの感想をー。



もう公演も終わってしまったので、しみじみと思い出しながらメモしておく。※数字は台本(東京凱旋公演)にそってます。のんびりしてるので、レミも開幕しそうだ。



プロローグ
M1 「1779年」
このまま、時よ止まれ、と何度念じたことか。



だってーっ こんなに綺麗な人がいていいのか? 
この画像をポスターにしてくれたら買うのに! 



私に人形師の才能があれば間違いなく作ったとも。プロローグのカリオストロ、ひらひら袖口と美しい手と、マントのドレープに心血を注いでさ。しかしその才能のない私と友達は、『スター・ウォーズ』のシスフィギュアを買えば、それっぽいねと手抜き発言だった。とかく、マントに弱い。



舞台を覆うパネルが、斜めに割れて左右へ。暗い舞台にまさに刃のようにすーっと入る直線が、美しくて恐ろしい予感。そして奥にはカリオストロ伯爵~! するするーっと前に出て、お盆の回転とともに何かをまぜまぜしたり、念を天に向かって飛ばしてたり。



初演時の歌詞より、変更後のほうが(説明調ですけど)いいような気がしました。



これは一貫してました。「それはカリオストロ伯爵!」と言ってくれるボーマルシェですら、伯爵と目を合わせることはない・・・さみしい。



この世界とは違う次元からやってきたんですってねー。新曲「Illusion」でもって、初めて理解したのは、この私・・・遅い。でもね、カリオストロがあまりに美しくたっているので、歌詞の意味を確認したくても右から左だったんです。



そんな彼はいろいろ画策して、パリの情勢を怪しく動かそうとしてるらしい。



ささいな原因ほど大きな結果を生む!」の「うむーっ」のとこで、いつも脳がへろへろに。ヒィィ、だ。うわあーって叫んで、そのへんをぐるぐる走りたいくらいに、やられてました。



奥のスクリーンに映す「若き王だ ルイ16世 そしてマリー・アントワネット!」ふふ、ここの山路さんの言い方ってものすごくアタマに残るみたいでした。歩いてるときに、ふっと浮かぶのは「マリィ・アン・トワ・ネッッット!」って言う山路さんの声~



で、カリオストロは長いマントをこれまた美しくざあっとなびかせて、舞台中央にでてるパネル(やはり真ん中あたりが斜めに切れている)の隙間から、闇に消えていくのでした。さよーならー。長いマントの裾がひらひら流れて消えていくのも(パネルに引っ掛けないのかしら?と心配しつつ)見事でした。



1-1 パリの路上
M1 「もうなくすものもない」
始まりの、「ドォーン!」という低い音、暗くて絶望してるのが分かります。メロディは切なくきれいだけど、重唱になるとどちらかのパートしか上手く聞き取ることはできません~ それは残念。暗いハミングも、どんどんキレイに重なってくるようになった。



M2 「なぜ」
世界初演の初日から、半年。深く深くこの曲、役に向きあってきたんだなぁと感動してました。
私が観劇できた昨年11月、この歌は「勝手にものすごくマリーを憎んでる子」だったんだもの。なぜ、革命に走ったか? 舞台上での動機付けがないまま、この時点でえらく怒ってたんですよね。唐突に感じてたけど、半年後、共感できる社会の底辺から、マリーを見る女の子になってくれました!



笹本玲奈(5/29)
聖子ちゃんに比べると、変化が遅かったということですが(友人談)。歌詞にあるきらきら輝くお姫様(たちのいる世界)への憧れ、みじめさ、嫉妬、漠然とした憎しみ、複雑な気持ちをマリーに持っていることを、見事に歌に込めましたよ!
「かなしみ」の気持ちが前面に出てた。



新妻聖子(5/30)
で、こちらの千秋楽は、あちらのキラキラした世界をまぶしく見ながら、自分との距離の遠さに、漠然と言葉にならないような「嫉妬、怒り」のようなもやもやしたものを、隠し持っているように思いました。玲奈ちゃんよりも、理屈から怒っているような印象。歌い方が硬いせいもあるかもしれない。



12月に観劇したころ、聖子ちゃんはわりとこういう複雑さを見せる歌い方になってた記憶が。いま、お二人ともに本当にマルグリットという役に奥行きを与えている姿に、努力をひしひしと感じます。



怒りの頂点って、マダム・ラパンの死のトコなので、ここで目いっぱい怒ってると、本当に怒髪天をつくのココがくっきり見えなくなってしまう。まずは、「なぜ」あの子だけなの?と素地はすでにあったんだ、と分かるだけで十分でした。



M3 「もう無くすものもない(Rep.)」
ボーマルシェに向かって、ろうそくの明かりなどで下からあおるライティングの貧民たちがぐわーっと手を伸ばす演出、こわかった・・・ ひいい、だったっす。



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