2007/06/26

『レ・ミゼラブル』6/22昼1 さとしバルジャンに心奪われる

1階S席 センター
バルジャン:橋本さとし ジャベール:岡幸二郎
エポニーヌ:新妻聖子 ファンテーヌ:渚あき コゼット:辛島小恵
マリウス:泉見洋平 アンジョルラス:岸祐二
テナルディエ:駒田一 テナルディエの妻:瀬戸内美八



ジャ、ジャーン♪



この最初の音を聞いた瞬間、わけのわからない興奮が襲ってきて、幕が下りるまでレミの世界にどっぷりでした。水分も抜けたー。



さて、野獣っぽく荒々しいバルジャン、というのを橋本さとしさんご本人も、インタビューなどで「期待されていると思う」と言ってました。それが! 違うんですよ!
非常に思慮深く、かつ包容力があり、過去の過ちをいつも感じながら光を求めて生きている、あ、「求道者」ってイメージかもしれません。



意外でしたー。そして、そんなさとしバルジャンに惚れた。



それで、声がホント素敵。特にファルセットとかは、祐一郎さんに近いかもって思ったのでした。すごくきれいに伸びます。叫んでも、ダミ声にならずちゃんと聞き取れるっていうのがさすがの舞台俳優です。



オレは、ジャン・バルジャン!



岡ジャベをぐっと睨みつけるさとしバル。パンひとつだ!に、知性を感じます。已むに已まれぬ理由があるんだ、という感じで。



このあたりの岡ジャベのツンツンした表情、いいですよね。最後ににらみ合うとこ、効果音でもつきそうなくらい。



シャキーン! 永遠のライバル、いま、まさに誕生。



司教の館



今年の司教様、お二人ともに美声派。力強くて優しくて良かったですね(この日は中井智彦さん)
パンは恥ずかしさ半分、って感じで食いついてます。左右の手のパンを交互にお召し上がりだった。



オヤスミ、の挨拶のあとの「真夜中に・・・げっへっへ♪」は、あぁ本当に良心ってものを持っていては生きていけないくらいに、ヒドイところにいたんだね!というすさみっぷり。ただ、生きていくことだけを考えてるんです。お可哀相なり。



捕まって、取り囲まれるところではすでに茫然自失、どうにでもしろよっていう気力すらなさそうにぐったりのさとバル。
司教様が優しく鞄を持たせてくれてもぼーっとしてます。呼びかけが白熱し、あなたの魂私が買った~♪ の手前くらいで、はっとして「この人なに言ってるの?」って顔に。ふう、すでに私の目からは水分が・・・防波堤決壊注意報。



司教様が去って、ふらふらっと歩いていくうちにガツン!っと脳天をカチ割られたらしい。あまりの恥ずかしさに、自分を消してしまいたそうに見えました。



石のように心を閉じてっ! そうしなければ生きてこれなかった、と過去の辛さを振り返り。でも・・・
生まれ変わるのが 神の御心か・・・? ♪ 私は、「なのか?」と天に問いかけているように聞こえたなぁ この世に、自分に手を差し伸べてくれる人がいることに驚き、その愛にヒドイ態度をとったことへの深い後悔。そして、魂の叫び、決意を。



生まれ変わるのだ! 私の涙・防波堤は決壊~ああ、バルジャーン!! あなたの人生は苦難の連続なのよ! 



私の工場だぞぉ、市長だ~



舞台中央奥から、さっそうと登場するさとしさんに、私の心は完全に捕まってしまった。いやーーーっ たぶん、顔が「きゃーっ 市長様、ラブ」になってたと思う。



それでですね、一番参ったとこは、「君が解決したまえ~」とエロエロ工場長に指示して出て行くときに、ファンテが「あの・・・」って助けを求めてますよね。それを「あの男に任せたからお話しなさいね」っていう身振りをするんですけれど。説明長くてゴメン



この身振りが、とっても優しいんですっ どこぞの王子様かってくらい、とても上品に手をすけべ工場長に向け、ファンテに「大丈夫だよ」という目くばせをして、出て行くんですよねー。ああん。市長様、その男は最低なのに!
ちなみに、別所バルは早足のままぐいっと人差し指で工場長を指して、偉そうでした・・・ あまり尊敬されてる市長っぽくなかったのよねぇ 野獣バルだからか!?



馬車が・・・



ふふっ 岡ジャベの語り。信じられない~♪ コートとお帽子の持ち方がきっちり、きっちり! 胸には焼印がある♪ってジャベが言ったときに、正直バルジャンは自分の胸のあたりに手を動かしちゃいました。そんな、うろたえちゃダメよ!



名乗れば牢獄、黙っていても地獄・・・♪ この逡巡、見ているのも苦しいわ。バルジャンが正しい道を選ぶのは知っているし、そうすべきだとも思うけど。しかも、悩んでいるのは保身のためっていうより、町の人のことを考えて悩んでいる、というように見えました。いい人だ。



恥ずかしくはないのか!/かわりに得たのだ 生きていく力を♪



この表現もすごく真摯で切なかった・・・ 焼印も、しっかり描いてありました。優しく身代わりになりかけた男を立たせ、家族に渡してから、ジャベールに向かって「24653~♪」とぐいぐい宣言です。
あら、今年はサーン♪は上がっていく歌い方なんですね? オリジナル・キャストのコルム・ウィルキンソンさんに似た感じで、美しい高音になってましたよん。



もー、さとしさん、ホント素敵なんだから
(丙午だし!→私の愛する人の多くが丙午1966年生まれ。豊作年よねぇ うはは)



次はファンテ&リコトゼちゃんにも優しいさとしバルジャンのお話・・・。長いの、ごめん。



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