2007/06/14

『輝ける女たち』

2006 フランス ティエリー・クリファ監督



ジェラール・ランヴァン カトリーヌ・ドヌーヴ エマニュエル・ベアール
ミュウ=ミュウ ジェラルディン・ペラス ミヒャエル・コーエン



☆☆☆★



シワ万歳! 年輪万歳!



オトナが偉い世界だ・・・フランス。ぴちぴちしてるのも、そりゃ魅力的だけど、それは単に若いだけ。若い子はそれなりに素敵だから。



いいなぁ シワやたるみが、画面いっぱいだよ! 色々ある人生だけど、それを受け入れて前に進んでる人は、素敵なの。オトナも迷うし、辛いこともあるし、でも自分で決めてきたことだから、ね。



ニースにあるキャバレー「青いオウム」オーナーのガブリエルが亡くなった。
息子同様に可愛がり、今は脚光を浴びていた時代からは遠ざかって、彼のキャバレーでショウをするマジシャンの
ニッキー、そして彼の元妻たちのシモーヌアリス
それからそれぞれの子どもたち(ゲイの息子
ニノ、不妊と養子縁組、離婚でもめている娘マリアンヌ)そしてキャバレーの歌姫レア、が集まる。彼の死によって、再び顔を合わせた人々の過去のしがらみ、悩み、未来を描く。



こんな感じかな? 大事件はなくて、ガブリエル、という大きな人を失って、それぞれが自分に向き合う過程が描かれてました。



邦題は『輝ける女たち』だけど、原題のLE HEROS DE LA FAMILLE(FAMILY HERO)のままのほうが、しっくりします。女性たちももちろん輝くけど、男性たちも輝こうとしている再出発の物語でしたので。



モテモテのニッキーの、ちょっとダメ男っぷりも愛おしい。ダメダメってわけじゃないけど、脇が甘いタイプとみた! もうっ マジックの相棒、真っ白ふわふわのウサギちゃんを元妻たちが冗談で「食べちゃったわよ!」って言ったときの顔、ふふふー。本気でショック受け手怒ってるのが正直な人なんだなぁというところ。



ニッキーも悪くないけど、息子役のミヒャエル・コーエンの目はよかった・・・ 一番ねじくれてない役だったかも。父を憎むように母親のアリスに仕向けられてきたけど、お互いを認め合って、キャバレー運営を始めるあたり、頼もしかったです。
フランス風のジャケットの着こなしについて、考えてみたりしてました。イギリス風とは違うよね? フランスのほうが、大きめというか・・・・ 英国紳士は体型のようにすらりピッタリ、フランスムッシュは上半身を大きめに作っているのかと思われます。まだまだ調査の必要あり。



さて、女優編。夜も朝も、完璧なメイクのドヌーヴでした・・・ 朝からそのメイクは濃いのでは? だけど、私の人生は私のもの、と息子に向かっていう場面はとても説得力がありましたね。



対するベアールは、ほぼすっぴんのお顔も拝見。そばかすとか、シワとかいっぱいなのですが、夜ステージで歌うときのゴージャスさを見ると、自然に見せる化粧って(いわゆるナチュラルメイクという技法ですか)つまらないかもしれないとさえ思わせます。



真っ赤な口紅が、しっくり似合ってるお二人。最後には娘のマリアンヌもステージで歌ってくれて、ますます良かったです。



そうそう、ベアールの普段着が、ジーンズによれっとしたニットで、真似っこしたいと思った。かわいかった。



ハリウッドの大作、ドカドカした映画を良く見ていたのですが、最近はこういう人間の話を楽しめるようになりました。やっとオトナになってきたみたい。



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