2007/06/17

『見仏記』いとうせいこう みうらじゅん

ISBN:4-12-002239-0 1993 中央公論社



「海外編」が面白かったので、最初の回から読み始めた。



京都、奈良、東北、九州のブツを見て歩く二人の初めての旅。



文章のほとんどはいとうせいこう、イラストがみうらじゅん(以後MJ)なので、これはいとうせいこうのモノサシなのだけど。仏像への目線は、非常に素人。一番面白かったのが、二人の関係がまだ初々しい感じだったことー!



お互いに好ましいと思っているけど、とりあえず、いとうせいこうはまだ、MJを観察中って感じ。旅の最後に握手して別れたっていうのが、なぜか泣けるー。じーん。



九州は大陸から新しいものが押し寄せるところで、交通の要所。でもって、東北は京都あたりの仏像を模写した仏師が記憶にたよって北国でつくったから、パースが崩れているとか。アテルイとのかかわりがあるのでは、という黒石寺の薬師如来についての考察も、歴史学者じゃなく、見たまま、感じたままに書いているのが面白いところだ。



仏像への思い入れがまだ、花開いたばかりの1作目だった。そういえば、京都の「三十三間堂」見に行ったことがなかった、と思い出す。行って見たい。



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