■ファンテーヌの死
渚あきさん、声量は少なめだけど楚々とした感じはもちろんのこと、案外良かったのが娼婦になっちゃってからのすさみっぷり。非常に哀れ、でもってコゼットに向かって歌う最期の母性は聖母かというくらい、浮世離れしたような感じすらあって良かった!
えー、前に見た祐バルがどうだったかが定かでないのですが、さとバルにはすごく印象的なことがいくつか。
女子憧れのお姫様抱っこ、は当然、軽々とファンテをベッドへ優しく連れて行きます。
このシーンでは、いくら素敵なさとしさんでも祐一郎以上のバルジャンは私にはいません・・・。うぎゃーっ いいなぁ・・・っ
それで、「命かけてコゼットは守り通す♪」と誓ったあと、すぐにここを出なきゃならないのだ、という仕草を。いつジャヴェールが踏み込んでくるか分からない、とドア(下手側)のほうを気にしてます。そうよね、法廷からそのまま来ちゃったんだし。
あまり祐バルでそういう印象はなかったんですよね~ 祐一郎はもっと、いまはファンテのためにここにいる、という雰囲気がしてたような。
そこにファンテの「この手冷たくなるわ・・・♪」が重なるので、行こうとしたのを止めて温めよう♪と移ってました。
うんうん、さとしバルジャン、ファンテに対してはパパ風じゃなくて、市長とかよき隣人って態度かな。
さらに「抱いて眠るまで~♪」・・・いつも、すごく羨ましい気分でこのセリフを聞く私・・・フゴフゴ。
ふふふ、よしきた!、とぎゅっとハグしないあたりが素敵なバルジャンでしたよー。もう、命の火が消えかけていることと、女性を抱きしめることの両方に戸惑ってるに違いない。ウブよね、バルジャンったら。
ぎゅっとハグしたのは、ファンテが目を開いたまま亡くなったあとでした。ううっ、さらにコゼットを守るのは自分だけだ!と決意したんですね。
■対決
私の記憶が正しければですが、さとバルは逃亡しようという素振りをすぐに見せてました。ちょこちょこ、動く感じがあったような。
この、バルジャーン、ついに~ また出会ったな! のトコは傑作!
いや、二人の対決シーンは、2幕も含めてほんっと傑作だと思います。まさに鏡、お互いに引き合ってしまう関係が、メロディにも歌詞にも、動きにも表れてます。
「必ず戻るさ」「お前みたいなやつ・・・死ぬまで変わるものか♪」
うわぁ、幸二郎くん、↑こう言いながら、さとバルの胸を警棒でぐりぐりぐりーっとねじ込みましたよ! 全くもって、厭らしいやつ!
岡ジャベの特徴としては、非常にプライドが高そうだ、というのがありますよね。いつもアゴをぐっと上げて、上から見下してます。髪はくるくる巻。方向を変えるときは、かかとで華麗にターン♪。
まだこの時は、「ついに見つけたぞ!」と情念を意気揚々と発散させながら、ぐいぐい、ねちねちとバルジャンを追い詰めていくのです。
お二人は歌いながら、ファンテのベッドを挟んで行ったりきたり。
あら?岡ジャべ、相当余裕があるようです。ばたばた動きません。ゆっくりとベッドの足元(下手側)を左右に動くのみ。ものすごくバルジャンを薄汚いものでも見るかのように見てますね! キーッ、ほんとにいやなやつだ。で、警棒を横にして、体の前で美しく保持しながら、お歌も歌います。なぜお供を連れてこなかったんだろう、怪力バルジャンを捕まえるのに!
さとバルも、お前なんかに負けはしない~!とジャベールに捕まる気なんか少しもない。
椅子を壊して残った棒切れを手にもつバルジャンと、警棒を構えるジャベール。
すぐに、バルジャンは棒を打ち捨ててまっすぐジャベールの横を通り過ぎていこうと・・・バルジャンは、ばっと手を振り払い、ついで追いすがるジャベールの背中を殴って勝利! どうなったのか見もしないで、「コゼットー!」ってな感じで颯爽と、大股歩きで去って行きました。カッコいい~
岡ジャベ、それでも追いかけようとしたけど、ダメでした。お盆はくるっと回転。
哀れ、床に転がるジャベール。いい気味だ、と思ったのは前回でした。今年はちょこっと可哀相かもと思った。職務なんだもんね・・・
帰ってきてから気づいたのですが、橋本×岡、はこの日が初だったんですね? そのせいだったのかもしれないけど、まだ一歩引いたような抑えた感じでした。お互い、どこまでやるのか? どういう組み合わせなんだ?って、さぐってたのかも。
まだコゼットを引き取れない・・・ ここもさとしさん、良かったんです!
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