ここに林アキラさんと石川禅さんがいらっしゃらないのが、とてもとても残念です。お二人は、そう近所でフランス革命に翻弄されてますので。
アキラさんの殺され方、好きだったのになー。ハイドに会ったときに、恐怖のあまり心臓発作で「何もしないのに死んだ」のです。これが一番の見せ場だといわんばかりの死に様で、妙なおかしみが。
■さて、鹿賀ファイナルのアターソン役には、戸井勝海さん!
やっと、戸井さんに会えました。CDなんかでは聴いてるのですが、その印象よりも力強くて優しくて、素敵な歌声でした~っ きゃーん。(これを池田成志がやったとは・・・かなり驚き。プログラムのコメントも、技術的にも精神的にも大変だったらしいことが伺えました。お疲れっす)
前回の禅さんのアターソンよりも、すっきりした感じになりました。禅さんは、硬軟使い分ける小技が効いてて、歌よし笑いよし、芸達者でしたけど、戸井さんは娼婦のところにジキルを連れて行く様子でも、男っぽい感じで、全体的に男同士の友情をより強く感じさせてくれました。
『仕事をするだけ♪』での四重唱、今でも耳の奥で鳴っているような。舞台下手から、蘭々-鹿賀さん-戸井さん-浜畑さん、と並んで歌うんですが、バランスがよかったんですよぉ ソロもそれはうっとり聞き惚れますけど、重唱ってがーっと血圧が上がるわ。
ラスト、銃を持つアターソンの苦悩が迫ってきて、辛かったです。ここで鳴る!って知ってるのに、(いつもこうだ)びっくりして、客席で銃声が鳴るたびにびくびくっと飛び上がってました。
■蘭々
蘭々、ものすごい成長した! 前回、知念さん御懐妊のため急遽のキャスティングだったのに頑張ってました(悪くなかったけど、まだまだって感じ)。しかも、役以前に、鹿賀さんはじめ、周りへの遠慮も感じられたんですが。
今回は違う~ちがーう♪
育ちがよくて(ドレスの着こなしレベルが上がった)、ヘンリー・ジキルへの献身的な愛情を持って、大きく包み込む、聡明な女性に~
相変わらず腹筋はなさそうではあるけれど、蘭々の声っていいなと思います。声量では負けても、歌に込めたものは負けてませんでしたよ! よかった。
■マルシアは出稼ぎなのですよね、ね。
えー、お友達が言ってたんです。マルシアは乗りに乗ってくると、発音が怪しくなってくるのを指して。「いや、出稼ぎに来てると思うことにした」と。それ以来、私もルーシーは出稼ぎに来て、娼婦に身を落としちゃったのね、としか思えませんっ
別に設定上問題はないですし。あ、それに私は訛ってても、全然気になりません。むしろ役柄に合ってる(出稼ぎ?)なぁと。これまた、前回よりも訛り炸裂、それより気持ちよ!って感じでした。
場末の娼婦宿、ショウ仕立ての『連れてきて♪』
音のいい日生劇場ですが、反響し合って耳がぐわんぐわんしてました。たまに何言ってるのか聞き取れないくらいッス。テンション高くてすごい。大声コンテストしたら、出演者のなかで一番です。おみ足が美しい・・・ほーっ
マルシアはブラジル仕込みのカラリとした色気で、すがすがしいくらい。スジっぽいラインなので、全然じめっとしたいやらしさがないのですわ。
でも、ひとつ今頃発見したことが!
私、鹿賀さんがセクシーだと思ってました。そりゃ、素敵なのですが。この作品に関しては、お色気担当ってマルシアなのかも。
マルシアが恐ろしいハイドの前で、恐怖におののきながらもどうしてかアナタに惹かれてしまう!っと、セクシーに振舞うので、相手である鹿賀ハイドもさらにセクシーに見えているんだなぁと感じました。
ルーシー/マルシアがいない鹿賀ハイドを想像したら、許容範囲内のお色気。だけど、二人が組むと、悲鳴上げちゃうくらい色気が漂うノス!
□刺される前から流血
ルーシーが希望を胸に抱いたとき、そこにハイドが!キャー!! と、とてもコワイ場面です。真っ白の下着で寝てるんですが・・・その背中にハイドはナイフを刺します。
ルーシー/マルシア、希望に満ちた歌を歌って、喜びまわってぴょんぴょん跳ねてたら、あら・・・まだ刺されてないのに、お背中の刺し傷が見えちゃってましたわ! 大丈夫??
(からくり:真っ白のドレスには最初から刺した鮮血の跡、そこに白い当て布をして隠しておく。ハイドがマントで抱きしめながら、刺すときに布を取ってスカート側に倒す)
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