2007/04/17

『マリーアントワネット』2 それでどうだったのか?

そう、凱旋公演、どうだった?と、観劇のお友達にけっこう聞かれてます。



良くなった!



というのが、素直なところ。東京に住んでたら、B席通いしますよ! 耐えた甲斐がありました。時間をかけるって大事よねー。



カリオストロの新曲



あれー。今まで時を超越した存在だったなんて知らなかった・・・ そうだったんですか。だから誰とも目をあわせないんだ。ごめん、今さらで。



2幕後半、物語先行になり、暗く暗くなっていくところに、がつーんとバズーカが入るので「ミュージカル見た!」気分になれます。やっとびりびり祐一郎の声だぁ もっと歌ってもいいのに。忙しいか。



あと、あぁそういえばカリオストロがいろいろ実験したからこうなったんだったな、と思い出せます。幻か・・・それでも、追い求めてしまうのよね、黄金を。



一息入れることで、マリー寄りの悲劇の物語になってしまっていた頭の中が、ちょっとリセットされました。マリーの死も、たとえば農民ひとりの死も・・・ カリオストロには同じなのかもね、などと思いながら聴きました。これ、彼の実験ですから~



歌詞の変更



いいんじゃないかなと思います。合唱部分では、本当に何を言ってるのか聞き取りにくかったので、それは割と改善されました。でもまだ良く分からない部分もあります。



訳詞の方のセンスだと思うのですが、うーん・・・もっときっといい表現、いい言葉があるはずでは? まだ「訳」の範疇の日本語であって、物語の核心を貫く言葉にはなってないように思います。



たとえば、2幕のフェルセン「マリー・アントワネット・・・あなたの王妃としてのプライドは・・・」のあたり。ものすごく取って付けたようで、最新の短くなったバージョンですら、せっかくのフェルセンの慟哭、後悔、絶望感があれれ?と落ちて行くような気がしちゃう。下手な字幕みたいで好きじゃない。



今フェルセン&綜馬オルレアン公



この2人が加わって、役者によって全く違う人物に思えるんだなぁ・・・と驚く。嬉しい驚き。井上くん、高嶋さんがダメっていうんじゃなく。ただ私は今回の新加入の2人のほうがしっくり来ました。



アダルト~ えへー。



涼風さんとは、外見でも、声質でも今さんのほうが合ってるな。ふふ、そして抱きしめる感じとかが、いやぁオトナですから! あ、いま髪の香り嗅いだよね、ってふと思うような(私がそう思うってことで、実際に嗅ぐ演技はないので、お間違いのなきよう・・・)雰囲気なんす。



綜馬さんについでは、もう、野放しの初日からはやや落ち着かれたということですが、まだまだ変身しそうな余地があるのでは、と期待。社長、やったね!



マルグリットの行動の動機付けが明確に



去年の初演のほんとに最初、2人のマルちゃんズは、冒頭からすでに怒りモードで訳が分からなかったんですが。
「9年前のストラスブールで・・・」王妃を見たと歌うマルグリットは、生まれながらの身分による境遇の差へのねたみを持ちながらも、プリンセスのきらびやかな馬車とか衣装への憧れもあり。このあたりのねじれた感情が、うまく出てましたねー。



マダム・ラパンから愛情と食事を受け、希望を見出したところへの、恩人の死。そこで初めて、殺された怒りとずっと持っていた惨めさや不満が混ざって、爆発したんだね、という順序が際立つようになってました。うん、それなら分かる。



今回見た限りでは、新妻さんのほうがこの展開がくっきりしてて、ラストの「自由」まで、ただ正義を振りかざしてた感じから、悩みながらも怒りで飛び出していくようでした。



照明は本当にきれいで、計算されてます。



しかし1階席からは良く分からないんですよね。何てもったいない! 2階B席で離れて物語の動きを把握し、チャンスがあれば舞台に出来るだけ近づいて、たとえば綜馬さんのダンスでノックアウトされる、という2段構えが必要なのか。客席と舞台に角度のあるところなら良かったものを~っ 



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