2010/09/30

『エリザベート』9月-2 ミラクル禅フランツ

七変化、海賊から皇帝陛下(オーストリアもフランスも)、はたまた職務に忠実な警官、いやいや愛を見つけた堅物学生・・・、あ、研究ばかの教授にまで。



石川禅さーん。



シシィ役の朝海さんが、演技力というか、ううん、力技で少女時代を演じている。その後に禅さんを拝見すると、演技以上だわー。もう化けてるとしかいいようがない!



厳しいママのサポートつきで、生真面目な顔して職務をこなす青年皇帝。シシィとの出会いのときも、とってもお若い。
肌の曲がり角も過ぎた私としては、この輝きの秘密を知りたいものです。シシィよか唇もフレッシュ♪つややか♪ やーん。



○年目・・・とルキーニが言うたびに、登場する禅フランツも年を取っていくのが明らかなのですよ。年数が経っていくにつれ、貫禄が出てまいります。お髭も立派に、衣装も重厚に。体まで大きくなったかのように感じられてしまうのよ。



■いちばんミラクルなのが、声。いかにも年取った風になるのは、晩年の「夜のボート」で、それまでは少しずつ変化させていくのです。どうなってるんですか、微妙すぎて私には書きあらわせません、ごめんなさい。



でも、観た方はきっと分かってくれるでしょう。禅さんったら、ちゃんと少しずつ年を取っていくんですよねぇ



当然、歌そのものはお上手です。そんなの言うまでもないですね。
今回の2回聴いたところでは、最後通告されるところでも、皇帝らしく感情は抑えた態度のなかに、疲れた・・・癒されたい、愛してほしい、という弱気をチラ見せという高度な技を繰り出しておりました。たまらん。



一人にしてくださいって言われた後の様子も、陛下は受け止めている感じです。凹んでもいないし、怒ってもいないみたい。ただ、何が最善か考えていると言った風情でした。



1幕の最後、あの星型アクセでまばゆいシシィに心奪われ、私と共にいてくれるのか!と嬉しくなった次の瞬間、「私の人生は私のものー」とあっけなくフラれちゃう姿に、キュンとしちゃう。
君は強情な子が好みなのかい・・・ママみたいにさ。



皇帝としての責務を果たしたいというのは偉いのだが、女心までは気が回らなかったのよね・・・ 優しくしてたつもりだろうけれど、方法が間違ってます!嫁と姑なら、嫁の味方しなきゃだよ。それだけが残念なお方よの。



悪夢場面で髪を振り乱すまでは、シシィの横にいる人という感じの登場が多いのが寂しいところ。シシィの邪魔をしないように、陛下のお心を表現されてますね。大変に控えめです。



この場面、トート閣下・皇帝フランツ・ルキーニで私としては「祭り」気分。



ゆっくりと上着を脱いでルキーニに渡す姿が、お育ちの良い皇帝陛下らしくて面白いです。
トート閣下は余裕しゃくしゃくですが、何となくずっと皇帝をライバル視してたのかな?と思うような言い方。お前に出来ないことを、俺はできる! けっこうなライバル視では?



陛下の「ナイフだ!」はツライですね。ジャケットを脱いだ仕草と違いすぎの必死すぎる奮闘ぶり、これは愛ね・・・ 受け止めてもらえなかったけど。



何度も思うこと。禅さんのべたべたに甘い恋の歌(もちろん恋は成就ね)聴きたい。若い皇帝でもなく、老人の最後の訴えでもなく、実年齢に近い感じでヨロシク・・・うっとりしたいの。もちろん主人公で。



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