2010/09/07

『イリアス』ざっと感想

言葉にするのは難しいな、イリアス、じわじわーっと時間をかけてよかったなぁと思えた作品でした。



何せ、イリアスについてまるで知識がなかったもので・・・ 観ている間はセリフや動きの伝えるものを見逃さないようにと気が張ってたようです。



名前がとっつきにくいのが難点だけれど、衣装は色分けされているので、視覚的にはすぐにどちらの陣営か分かります。



ギリシア連合は赤系、トロイアは青系の衣装。
兵士、女神、といろんな役割をする女性たちは白(戦いの血にまみれています)。
そして、不吉な予言しかしないと避けられているカッサンドラが黒。



栗山民也演出。
『MA』での演出を髣髴とさせる、鋭角な舞台装置、シャープなライティング、生々しい人間の扱いが見られます。布も投げちゃってます!これ、印象的な使われ方でした。



で、気づいたのは、けっこう好きかもってこと。『MA』では、それまでハッピーエンディングのミュージカルに慣れていたせいで、かなり拒否反応だったのでしたがー。
こういう物語で観ると、シンプルさが良いと素直に思えました。もしかして、『MA』再演になったら見方が変わるかもとも思います。



さらに舞台上で演奏される不安定な弦の音が、この世界の理不尽さを表してました。メロディっていうより、「音」なんですね。



出演者たち。
豪華、豪華。私は内野聖陽&新妻聖子というので観にいったわけですが、平幹二郎さんが観れたのがとても良かった。特に派手な演技をするわけではないのに、全身から老王の風格が漲っていて、役者ってすごい世界だなとびびりました。



あと、アキレウスは前半は怒ってスネて闘わない分、ヘクトル役の池内博之さんが1番戦闘してました。とーっても、似合っていてステキ! 流血、心配でしたけど・・・



ウッチーは後半に見せ場がたくさんです。ヘクトルとの闘い、遺体の引渡しの場面までの迫力ったら。神がかった雰囲気なのに、肉体は人間という不思議なバランスでしたねー。



あ、ネタバレですが・・・
上手側の通路を歩きますヨ。ちょうど通路席だったので、キャー!っと見上げてしまいました。手の爪がね、短く切っているのが男の人っぽい。
太ももーっ(毛がない・・・いつも思うのですが役者さんたちはお手入れされてるのね? 私、もじゃっとしてても平気なんだけど



プロテインで肉体作りに励んでいるそうですが、もう少し日焼けたほうが良かったよー。白い!ウッチー、日焼けに弱そうだから塗ってもいいのでは。ただ、ものすっごい汗かいてたから取れちゃうかしら。滝ってくらい汗が流れてたのです。暑いものね。



それから聖子ちゃん、とても美しいカッサンドラでした。心の嘆きを歌にしたり、慟哭を叫びにしたり。長い黒髪と白い肌、赤い髪飾りが彼女の張り詰めた感じをよく見せてました。



とりあえず、さっと感想。



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