2007/05/24

『ブラッド・ダイヤモンド』

Blood Diamond (日本語サイト



エドワード・ズウィック監督
レオナルド・ディカプリオ ジェニファー・コネリー ジャイモン・フンスー



☆☆☆☆

1999年、内戦が続くアフリカ、シエラレオネ。
メンデ族の漁師ソロモン・バンディー(ジャイモン・フンスー)は、愛する家族とともにつましいながらも満ち足りた生活を送っていた。自慢の息子を医者にすることが、彼のささやかな夢。しかし、そんな穏やかな暮らしも、反政府軍RUFの襲撃によってたちまちのうちに崩れ去る。
家族と引き離されたソロモンが連れて行かれたのはダイヤモンドの採掘場。そこで掘り出されたダイヤがRUFの資金源となっているのだ。厳しい監視のもとで労働に駆り立てられていたある日、ソロモンは驚くほど大粒のピンク・ダイヤを発見する。このダイヤがあれば、家族を救い出すことができる――。彼は危険を覚悟で監視の目をかいくぐり、ピンク・ダイヤを誰にも知られない場所に隠した。
一方、そのダイヤの密輸を生業にしている男がいる。ダニー・アーチャー(レオナルド・ディカプリオ)だ。自分のしていることが紛争を長引かせ、その結果、多くの命が犠牲になっていることなどお構いなし、それが彼の生き方だった。ある時、密輸に失敗したアーチャーは、投獄された刑務所で思わぬ話を耳にする。巨大なピンク・ダイヤがどこかに隠されているらしい。そして、その場所を知っているのは、ソロモン・バンディーという男だけ。その刑務所には、政府軍によって捕らえられたRUFの兵士たちとともにソロモンも収監されていたのだ。
ほどなく釈放されたアーチャーは、行きつけのバーでアメリカ人ジャーナリストのマディー・ボウエン(ジェニファー・コネリー)と出会う。彼女が追いかけているのは、まさにRUFの資金源となっている“ブラッド・ダイヤモンド”の真相。アーチャーがダイヤの密売人であることを知ったマディーは彼に情報の提供を求めるが、アーチャーは固く口を閉ざす。(略)
アーチャーは暴力と悪事にまみれたこの暗黒の大陸から抜け出すため、ソロモンは息子の行方を突きとめるため、そしてマディーはアーチャーから決定的な証拠を引き出すために、3人はピンク・ダイヤに向かって過酷な道を進み始めた。 ~公式HPより

過剰なハリウッド的な演出はほとんどなく、レオとフンスー、この二人は演技以上の演技で、ドキュメントかというくらい緊迫した物語が最初から最後まで続く。ほっとする場面なんか、ほとんどなし。もう、どうなるの?どうなってしまうの? と常にがけっぷちでラストまで行きました。でも飽きることはなく。



いかにも演出だと、レオと記者役のコネリーは、危機的状況下で互いを感じ、カラダを重ね・・・とか、なるところ。そうだったかもしれないし、なかったかもしれない。心は引き合ったけど、抱き合うところは映画上ではなかったのです。偉い。偉い。よくやった!そんなシーンは不必要だったので、ホントに良かった・・・ 



というわけで、ラストの哀しくて美しいまとめは、ヨシとします。あれで問題が解決したかというと、そうでもないんだろうな、とちゃんと伝わってたと思うし。



辛すぎて、「辛い」という表情にもならなくなるんだよね。血にまみれた生活から逃げることを諦めているように見えて、それでも諦めきれない楽園の暮らしへの希望とか、私がいくら想像してもその端くれも分からないくらい、厳しい世界に生きているのです。内戦にともなう強姦、残虐行為、少年兵。人間の性善説は信じるか? こう聞かれたダニーの答え、実感がこもってたな。最低の悪人にも善人になる瞬間がある、それはその場その場で現れるもの。



残酷で悲惨な出来事が山ほど。慣れるでもなく、目をそらすでもなく、ただ同じ空気を吸ってる人間なのに、こうまで違うことに、凍り付いて見ていた。ダイヤはきれい。でも、バンバンバン、とゴミを払うみたいに殺人が行われた結果のダイヤなんか、要らないーっ



小さな子が、機関銃で人殺しをさせられている国があるなんて。久しぶりにいつまでも影響が残る映画でした。アメリカ製作にしては、骨があった。



レオの演技



『タイタニック』以後、『ディパーテッド』の間のレオの作品は見てないので、この間に何があったのか非常に知りたい。男らしくなっちゃって! あのレオが傭兵の役を・・・



両親をレイプ、惨殺、で亡くしたあとは南アフリカで傭兵となる。ずーっと心がすさむというか、共感とか思いやりの感情が欠落した人間なのかと思っていたら、終盤にちょっとだけ自分について話すシーンがある。



このシーン、人殺しを仕事にしてた人間の、底の底に隠されていた子どもの心がふっと見えた場面で、感情があふれそうになるのを抑えようとするダニー(レオ)の表情といったら、



うひゃーっ フォーリンラブ。



こういう表情、レオは最高!  レディ・キラー? あ、マダム・キラーかも。あたしが守ってあげるからー!とスクリーンに向かって思念を送ってしまった。たぶん、ガラガラの館内だったけど、女子はほとんど送ったのではと推測します。これに参らない女子はいるのかしら? 甘えてるのじゃないのに、守ってあげたくなってしまう・・・恐るべし。



服装とか、ものすごくダサいのです。アフリカ育ちなので英語の訛りもすごいし、ダサいカッコながら、人殺しの動きは最高。セクシーとはちょっと違うなぁ、でも色気はあるの、あるけどあまりに日常が危険すぎなので、人間相手に色気を放出するヒマなんかないって感じでした。



何となくアフリカについて調べたくなりました。



資料が少ないです。英語ならいろいろあるかもしれないです、うーん。シエラレオネは平均寿命の世界ランク、低いですね。2006年WHOのデータだと「39歳」。 日本人の半分ですよ・・・ 利権争いで起こる内戦やHIV感染など。



学校にも行けない子どもの労働によって、安く手に入るもの、それで私は幸せにはなれないでしょうね。戦争も同じ。ダイヤも・・・(唯一あるダイヤは婚約指輪ですが、産地なんか分からない)



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