2007/11/24

『モーツァルト!』猊下覚書-3 恍惚

『神よ、何故許される』 まさに恍惚、の猊下。



まるでヴォルフの死に追い討ちをかけるように、衣装はブラック。しかし巨大キラキラ十字架を縫い付けた肩掛け(何て言えばいいのでしょうね? 左肩に長く垂れ下げた飾り布です)で、キラキラは忘れません。おしゃれです。膝上ブーツがさらに偉そうで、権威に取り付いてるヤツですからね。



最晩年に手がけたオペラ『皇帝ティトの慈悲』序曲が猊下の頭のなかで鳴り響いてます。



信じられない・・・ 完全、無欠だ・・・ 



音楽を理解できたという点では、猊下はとても啓蒙君主であられせらる、でありますが。ヴォルフを我が物にしようとした点で、欲深いのでした。



アルコ伯爵がいそいそと持ってきた「フランス人画家の脳みそ」の話は聞こえてません。さんざん伯爵が話しかけたあとの「なんだ」の言い方が無感情でナチュラルで素敵! 
怒ってもいないというのは、本気でアルコ伯爵の存在に気づいてなかったってことですものね。



そんなものはどーでもよい、・・・と、レオポルドを呼ぶように言いつける猊下。この才能は私だけのもーのーっ、と思ったらしい。



今、悟った!(本を読んでも研究しても、分からないってことを悟ったらしい。大変ご苦労さまでした)
・・・音楽の魔術に 神の摂理が 敗北するはずはないーっ! 



リウマチが悪化して、痛々しいレオポルド。「わたしのために!」音楽をつくるなら、恩赦を与えよう、という猊下に対して、「あんなたわけもの」に恩赦は要らない、と悔しさをだすパパ。



だが、音楽の才能はある
ここの言い方、初演のCDだと感情込めて「(称えるかのように)ある!」と言ってますが、今年は再演の2005年よりもさらにさらにいいなぁという言い方になってました。



ヴォルフガングはたわけ者だと分かっているけど、それも含めて了解済み、レオポルドも分かっているように、才能はあるやつだから。



↑取り立ててパパに向かって才能を賛辞せず、かなり普通に「や、才能はあるでしょ」と言ってのけてる感じです。なので、この後の市村パパのヴォルフより孫のレオポルドを!っていう叫びが、より悲痛に聞こえると思うんですよ。



で、孫の話をだしたパパを苦々しい表情で追い出させます。愚か者め!とでもいう顔。



じゃーん♪じゃーん♪ おお、来た来た。猊下オンステージ後半です。猿でも調教できる、ってあまりにヒドイお言葉ですが、ヴォルフ以外の作曲家は猿の調教程度だと見てるのね。ヴォルフの才能を最高に評価してるってことで!



この私を笑い見下した・・・ 
ここ、神に向かって問いかけてるんですが、「この私」と言いながら、右手で右胸のあたりをちょいちょいっと突いてます。怒りやらを表現するなら、ドンドン叩けばいいのにと思いつつ、猊下ったら自分が可愛くて痛くないようにちょいちょいっと突いてるのかなぁとも。どちらでしょう? ともあれ、猊下の仕草が可愛いです。



猊下としては(自分は堕落した権力志向だっていうのにねー)神の摂理に反する(つまり自分に反抗する者)くせに、どうしてこんなに神の音楽とも言うべき曲を作り出すのか? 自分の築いたものと、ヴォルフの才能のあり方が対立してるので葛藤が治まらない模様。



私を惑わす無礼で傲慢うぬぼれ愚かな男が作り出っす!



かなり勇ましく神に対峙してきた猊下。天を見上げ、いろんな感情を煮えたぎらせてお怒りの様子です。



ところが、その最低の男が作り出す音楽を脳裏に浮かべちゃったらしいのですね。あの奇跡の音楽を♪ そしたら、顔がほにゃっと恍惚の表情に・・・ とろけて白目剥いて、両手は胸の前で組んじゃって。オトメのポーズよ!



何秒くらいうっとり静寂になってたか、カウントしてませんけど、けっこう長くじいっと恍惚に浸っておられました。
それって、いま祐さまを見上げてる私の仕草とおんなじかも! きゃーっ



(ブレス!)音楽のほぉ~ まぁじゅうぅ~つぅ~~~~~~っ!!



きゃーーーーっ
(もう、私のなかに言葉は浮かびません。たぶん脳にエンドルフィン?出てたと思います。いま思い出してても、幸せでいっぱい。ウキャーーッ!!)



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