2005/12/30

『ジキル&ハイド』千穐楽

12/28  13:30@日生劇場 A席



2階の真正面最前列でした。こりゃ観やすいです。当日券もキャンセル待ちがあったようで、満席です。

ヘンリー・ジキル/エドワード・ハイド:鹿賀丈史
ルーシー:マルシア  エマ・カルー:鈴木蘭々  アターソン:石川禅
ダンヴァース・カルー:浜畑 賢吉  ストライド:宮川浩
ベイジングストーク大司教、スパイダー、市民、物乞い、客:大須賀でひき
伯爵、市民、客:林アキラ ほか

冒頭の気が触れた父に語りかける場面から、びりびりした気迫がありました。セリフがやや早めで、美しく歌うんじゃなくて情熱で歌っているような。



技術的にジキルとハイドを演じ分けている印象が強かったけど、今日は技術よりも気持ちが先にあるみたい。



というわけで、ジキル博士の時の鹿賀さんの裏声(もはや裏声!)は、さらにヒートアップ。理性の人?なジキルですが、フツウの人が狂気に走りそうな一歩手前風、に見えなくもないです。



今日のS席前方には熱烈鹿賀ファンが多数いたみたいで、わぁぁという声やら、Bravo~!! の声も。



最初の群集シーン、いろいろな雑念もぶっとびました。一人一人の方の声と、うしろに隠れているオケの音がするどくキレてて、私も心の中でブラーヴォォ!



理事会メンバーのいやらしい演技もいかにも高慢で、あ、今日はみなさん、死にっぷりがますます良かったです。



なかでも林アキラさんの心臓が!の演技はサイコーでしたねぇ 
「私は助けようとしたんだ!」と言いながら、もう息も絶え絶え、セリフも迫真にせまる爆発モード。



何もしないのに死んだ」が今まで見た中で1番コミカルに言ってました。私はハイド風のままダークに言うほうが好きでしたけど、最後なのでサービスかな。



アキラさんは、死んだ直後にロンドン市民になって復活するわけですけど、コ芝居(ゴメンナサイ・・・褒めてるの)が味わい深かったですねぇ





ハイドの暴力、殺人は恐ろしいけど、それ以外のどろどろしてそうな人間性はわかるような気がするなぁと思えてきました。



ルーシー殺害場面の「あいつにあって、俺にないものは何だ!」(スカー@「ライオンキング」でもありますね。嫉妬?)という問いかけは、かなり人間らしいです。



マルシア・ルーシー。マルシアも情熱をぶつけたようで、お国訛りが・・・ でもそれもそんな気になるものではなくて、彼女の魅力のひとつかも。鹿賀さんもそうだったけど、ソロで歌ってる時はぞくぞくっとします。天国の師匠も喜んでるよ。



声量強化!の蘭々、か細いだけ、ではないんですよね。丁寧に歌うので、音符をなぞってるだけのように聞こえがちでしたが。高音は裏声だけど、低音はけっこうがっつり歌えるみたいだし。ルーシーと二重唱する In his eyes、この日はあまり枠をつくらないようにガン、と歌ってくれた気がします。



禅さんも千穐楽は飛ばしてました。やはりセリフのスピード早めで、テンション高い。「どん底」でルーシーを見ながらにこにこしてる顔もしっかり確認。



Your work 歌ってくれる数少ない場面なので、出来るだけ聞き取れるように集中です。今日もいい声! 長めのジャケットの裾をぱっとひるがえして去る姿も見事です。



アターソンはこの中では1番、明るくて健康的な人格の人。でもって、狂言回しの役目もあります。それをさらっと好ましい人物に演じてくれて、とっても素敵でした。ありがとう!



さてさて。ほとんど雑念なしで舞台を楽しんでたものの、やはり「飲料問題」は確認したくて、ずっとビーカーと試験管を見てました。



ビーカーに入ってるときは、赤も青もシャバシャバしてます。



最初の変身の時に確認できたのは(赤い方)、スポイトで入れた試験管の隣のものを、実際は手にとってました。で、飲んだようにみえる仕掛けになっているんでしょうね。この仕掛けはイマイチわからなかったけど・・・



青い方は、この前後になってるのを使ってます。最初に前側の試験管にスポイトで入れて、アターソンが来たときに隠そうと、後側に入れます。で、また隣にある仕込みありのものを飲む場面では手にしてるんだと。



別にどうでもいい話でしたけど・・・ 気になってたので。結論としては、とりあえず飲んではいない、でした。



お待ちかね千穐楽のカーテンコール。



おお、万雷の拍手。上演中も、次のシーンに移ってるのに鳴り止まずにセリフに被ってしまったりするくらい拍手が賑やかでしたね。



4-5回、普通に全員で出てきてくれたあとに、鹿賀さんから挨拶がありました。



新しく加わった蘭々、役が変わった(禅さん)メンバーともに、素晴らしいチームで作ることがでできました。ムフ、このとき紹介された禅さんがぐいっとガニマタ(ひげダンスの足・・・ね)で客席にアピール。いやー、お茶目さん。伯爵夫人の荒井さんと、ぎゅっと抱き合ったりも。



で、千穐楽を迎えられて嬉しい、・・・このあたりで隣にいたマルシアが涙。もちろんオーケストラも最高です、とずっと舞台後にいたメンバーが登場。黒ずくめで、何人かは「ジキル&ハイド」Tシャツでした。うーん、オケも少なめに感じますね。精鋭で作ってたんだわ。(千穐楽については演出の山田和也さんブログにも記事があり)。



そして、クールにお話していた鹿賀さんが、近いうちにまたやりたい!と嬉しいことを。客席からはうぉー、きゃーっ!と悲鳴やら拍手やら。



その後も幾度か拍手に応えてカーテンコール。はけるときは、ルーシーとアターソンが上手側、ジキルとエマが下手側。アターソン禅さんが、ちゃんとルーシーをリードしてました。エマはダンヴァース卿と一緒なので、あら、鹿賀さんは一人・・・



最後の最後は、鹿賀さんが下手の端っこで丁寧なお辞儀をして終りになりました。



暗い音楽、暗い話だけど、メロディがキレイ。蘭々の声量意外は、とっても満足で楽しかったです。欲を言えば、もう一回り小さい劇場でムンムンの熱気の中で観てみたいかな。



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