2010/10/14

『エリザベート』10月-1 比較鑑賞

比較することでしか語れない私をお許しください・・・石丸さん。あなたも十分素敵で、面白くて良かった。楽しかったです。でも!



10日、石丸トート×瀬奈シシィ
11日、山口トート×朝海シシィ



という順で観たことが、こんなにも衝撃的だったとは。



1 役者の体って思った以上に大事。
2 同じ役だと、表現の方向性や質が分かりやすくなる。



1、体。



これは・・・だってだって、武田トートっていう前例があったので、体格差も含めて各トートの魅力だよねと思っていたのです。



ですが、違った。もー、びっくりするくらい違った。ただし単なるボディの大きさの問題じゃないですね。



ゴンドラから降りて、亡霊たちの間を進むその歩みが、すでに別格です。ブレません。すすすっと動く、またスッと止まる。すっと手を上げる。その時には、私の胸も一緒にすっと持ってかれてましたー。



いやもう、歩く姿といったら、きっと誰にも負けない完成度です。



棺の上を進む足の運びだけで、めまい級の魅惑を醸しておられました。ダンスが苦手(そう)な祐一郎なのに!なぜ!



しかしですよ。何もしてないときが1番すごいかも。



じっと立ってるだけなのに、祐一郎トートからはオーラが湧き出ちゃって大変なことに。明らかに、人間じゃないのが一人混じってるけど!という存在感。
異形とかじゃないですよ、・・・レベルが違うといいますか。帝王とは彼に相応しい(はあと)などとポワポワしちゃうといいますか。



何でじっとしてるだけなのに、目が離せなくなってしまうの? 



そして、このような人間を越えた存在を演じるには、祐一郎の体格というのがとても有効なのだと、ひしひしーっと骨に沁みたのでした。同じことをしても、見栄えがするのですねー。



あと、指が美しすぎます。スッと長くて、白くて。こちらも、ただの手よりも、動きのなかで観ると、断然輝きが違う~っ 



2、演技。


石丸トートってワイルド、ロック、端正。という感じだったので、華奢に見える風貌と少しズレを感じてしまったの。たぶん、再演される頃にはしっくり来るのだろうけれど、まだ借り物の雰囲気があったんですねー。


ロック調な歌い方には少し問題があって、細かな表現が落ちてしまう可能性が。


表情や体の動きでは細かめな演技だったと思うんですが、何せミュージカルなので歌で気持ちを感じとりながら見てる分、イケイケロック風♪だと、いま閣下は何を考えてるのやら?という気持ちになってしまったのでした。


歌い方は嫌いじゃないけど、なぜワイルドに歌ってるのかがしっくり胸に落ちてこないのであった。


黄泉の帝王らしい、この世のものでない存在感は出てなかったな。けっこう人間くさい、というか人間に見えました。


これはこれで面白かったのですが、1で書いたように、祐一郎トートはボディでも歌でも「人じゃない」オーラをぎゃんぎゃん出しているので、石丸トートの「人間くさい」表現よりも物語自体にはマッチしているということに。


というわけで翌日に観た祐一郎トートのほうがより大きな存在として見えてしまったのかなと思ってます。


あ、これは勝手な妄想だけど、石丸トートのお顔は「丸山明宏」だな、という見立てが拭えず・・・美輪様が歌って踊ってる!とか面白がってしまいました。だってメイクが・・・ゴメン。


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