2010/08/02

『レベッカ』5/23-22 ダンヴァースの不安のもと

サスペンス度が上昇するなか、片隅で不安感を募らせている人がいます。ダンヴァースさん。



1、イッヒが奥様らしい態度に出た。屋敷の主人はレベッカ様だけなのに!
2、レベッカ様の秘密・・・ お医者のことなど聞いてない、私にも隠していたなんて信じられない!



イッヒが天使の置物を床に打ち付けて完全に割ったところのD夫人。
シルビアD夫人はまるで壊れたのがレベッカそのものかのように、いとおしげに欠片を拾う姿が切ない。ずっとクールな鉄仮面だっただけに、悲しい表情を見せるとしおれている気持ちが見えて、こちらも切ない気分になります。



涼風D夫人は、対照的にイッヒの行為への怒りに燃えている表情です。積極的にイッヒへの対抗心を燃やしているのを隠さないので、レベッカと自分の間に隠されたものがあったことで、ずっと支えていた自信ががらがら崩れていくのがすごく激しかったですね。



イッヒがD夫人の追い出し作戦に負けなかったというのも、当然居場所を失っていく感覚を強くした原因でしょう。それでも、いずれの夫人も、事故か事件かの問題より、レベッカのことで自分が知らないことがあったということのほうに、動揺しているようです。



おお、さすがD夫人、レベッカ命!だけあります。審問会でも無表情を崩さなかったのに、手帳のドクター・ベイカーに表情を硬くしてました。


一方のイッヒは、マキシムとの間の障害がなくなってひとつになれたと感じているところで、一方のD夫人は、全て知っていると思っていたレベッカについて知らないことがあることに衝撃を受けている。いやいや、上手いー。ニクイのう


秘密の共有が愛ですか・・・知らないことがあったら、絆を失った気になりますか・・・。原作者の意地悪い目線を感じてしまうんですが、どうでしょ。


その秘密は病気だった。
余命宣告されたいたことを知る一同、マキシムは当日のレベッカの行動の意味を推測し、なぜ挑発してきたかを納得。ただでは死なない、怖い奥様です。


電話を取って聞き、フランクに問われて答えるマキシム。フランクの「病気・・・・・・・だったんですね」が絶妙で、意味深だよなぁとまたまた禅さんにブラボー。


「・・・・・・」のタメが! やっぱり忠実なフランクも何かの疑いを持ってたのかも知れない、という微妙すぎる「・・・・・・」、間がいいわ。


勘ぐれば、フランクとしてはレベッカを崇めながら憎らしいような思いがあったであろうと想像できるので、真実はどこかにあるのかも知れないけれど、病気を苦に嵐の夜に海に出た、というのが公式見解。友人であるマキシムに問題がないと言える証拠が出たことでほっとしたでしょう。
マキシムは徐々に自分なりの解釈をしたっていう表情をしてました。イッヒのいない屋敷で、少し寂しそうにも見えました。


マキシムの罪は明かされるのか、ドクター・ベイカーは何を知っているのか、どうなるの?という緊張はこの場面で、ぐっと抑えられ、気づかれないようにほっと息をつく気分に。


わりとマキシム、自分のせいで野心家のあばずれを妻にしちゃったし、事故の隠蔽をした後ろめたさからイッヒにもツラく当たってるし、いい人じゃないんですよね。
イッヒが好きならいいけどさ、とも思います・・・。


ダンヴァース、崩壊。
それでも、ここはレベッカのものだー!と心の限り叫ぶD夫人、痛々しい。


シルビアさんはすっかり弱って小さく見えます。涼風さんは、落ち込んでいるを超えて発狂寸前みたいな目で、そんなにゾッコンだったのか・・・身も心もささげていたのね。シルダンには同情しちゃったですが、涼ダンはとにかく怖かったなぁ


愛の絆でダンヴァースは吹き飛ばされた、ようでもありますが。実のところ、レベッカの隠し事によって自信がくじけたんですねー。どこまでも影響力の強いレベッカ、でした。



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