2009/05/23

『シラノ』5/13-4 心意気さぁ!

■鹿賀丈史@シラノ・ド・ベルジュラック



軽妙な語り、軽やかな足と剣さばき、ガスコン魂で生き抜くシラノ。



男じゃないけど、想像するに男が惚れる男って感じなの?
いや、もちろん女子も惚れるけど、女子としては
好きなら好きって言ってよね!(ロクサーヌを代弁してみました、というか私の気持ち)」だと思うので。



死の間際にこれだけは奪えない!と言うのが「心意気」 こころいきって何ですかねぇ 江戸っ子みたいなものか?
英語訳にはmy panacheとあるので、もうちょっと気取った感じなのかもしれません。「威風堂々, 見せびらかし, かっこ良さ(新グローバル英和辞典)」。



カッコつけも実力を伴った文武両道で、しかも皮肉屋というイケイケな男なのに、ロクサーヌに対してだけそのへんにいる男のように、遠慮がちになる弱点が何とも愛らしい。
若い頃は周囲とぶつかっていてもそれもカッコよくで、年をとると敵だらけになってて、というの、良くわかるなぁ

だけど「お兄様ならクリスチャンを危険な目にあわせないように出来る!」という、無茶なお願いには頷いちゃう。彼女が望むなら。にいちゃん、頑張れ。
さらに素敵なのが、恋敵(表明してないからライバルじゃないですけど)のクリスチャンから尊敬されてて、かつ、彼を見守ってあげるという器の大きさ。



鹿賀さんの年齢もあるのかしら、とても思慮深くて愛情あふれるシラノです。情けなくてロクサーヌに愛を伝えられないというよりも、もっと大きな愛を注いでいるようでした。
たぶん、シラノ本人はそう思って喪に服すロクサーヌに毎週会いに行くわけですよ。



でもねー、死ぬ前に告白するってヒドイ!黙ってるなら、墓場までだぞ!
↑送り続けた手紙を暗唱するというのがシラノの男としての気持ちの表れなんだろうなと思いますが、それに告白しなきゃドラマティックにならないですしね。その後のロクサーヌが気の毒だったりします。喪服は脱げそうもないですね。



恋愛モノはあまり興味が・・・と以前呟いてたんですが、これを観ながらちょっと違うなと思いなおしました。
私はラブいっぱいの幸せな人よりも、叶わぬ恋だの運命に翻弄される愛だのという障害あると、俄然燃えるらしい。シラノの心中を想像しては、心臓が痛い!と切なく悶えておりました。たまらないー。



■綜馬ド・ギッシュとぴょんぴょん



こっそり戦場に行かずにあなたの側に!と戻って来た腰抜けド・ギッシュが、いそいだ夜の結婚式を邪魔しないように、シラノはド・ギッシュを足止めしてあげます。優しすぎだー。



ここの歌、面白かったな。月から落ちてきたぁ!とか言いながら、ぴょん!ぴょん!と。おじさま二人が・・・・可愛いのう。



■鼻のせいか、衣装のせいか、とても見栄えしまくり。



鹿賀さんは、スーツ姿ばっかり見てたので(「ジキル&ハイド」「ペテン師と詐欺師」「ラ・カージュ・オ・フォール」)、いかにも扮装は初めてでした。似合います。
いつも猫背気味なのは、本人のクセかしら? 役柄かなぁ 普段は猫背気味、という感じで喋り倒してますね。



確かにセリフ噛んでるところとか、声が渋くなってるとことか、挙げようと思えばいくつかありました。でも、全体を見れば鹿賀さんがどれだけ全力で作品に向かい合ってるのかが感じられるし、共演者さんたちもぐいぐい引っ張られていい感じになってるんですよー。
さすが主役のオーラでした。



カッコつけで、カッコいいシラノにまた会える日を楽しみにしてます。







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