2009/05/21

『シラノ』5/13-1 何が良かったのか?全部!

1回だけの観劇だったことですし、出来るだけざっくり感想書きたいと思いますー。



シラノ:鹿賀丈史 ロクサーヌ:朝海ひかる クリスチャン:浦井健治
ド・ギッシュ伯爵:鈴木綜馬 ル・ブレ:戸井勝海 ラグノー:光枝明彦 



どうしようかなって思ってる方は行くべきですよーっ 鹿賀丈史が苦手とかじゃなければまず大丈夫だと思うの。あ、あとWキャストの中河内さんの日も見てないですが、でも、大丈夫じゃないかな・・・と楽観。



「シラノ」そのものが求心力のある物語。初めて「シラノ・ド・ベルジュラック」を見た私ですら、すっきりと理解できる構造です。



詩人で剣の名手のシラノ、自信にあふれ男気のある男なのに鼻のことで恋愛にだけは後ずさり。言葉、行動の全てに一本の太い芯があって、最期まで貫くのが最高にカッコいい!切ないんだけど、それがシラノが選び取った生き方。ロクサーヌに打ち明けられなかった大バカだけど、それがまたカッコいい!



シラノに憧れている青年クリスチャンは、美貌を持つ男だけれど心も素直な好青年。
さらに、クリスチャンにひと目惚れするヒロイン・ロクサーヌも、ただの恋する女に留まりません。自分を見守ってくれたシラノへの思いを表現するラストは愛情と知性があふれていて、とても素敵なのです。



イヤなヤツ代表のド・ギッシュ伯爵は、イヤなヤツなのに憎みきれない人間くささてんこ盛りのナイスキャラ。お料理をいかにもおいしそうに歌うラクノーも、さすがおフランスって感じで恋愛を盛り上げます。



音楽。フランク・ワイルドホーン
「ジキル&ハイド」の大盛り上がりの熱血メロディが大好きなので、期待大でした。
今回の音楽は、シラノの膨大な言葉をテンポのいい音楽で盛り上げていく軽快で愉快な雰囲気のパート、ガスコン青年隊との雄々しい歌(これ良かった!)、そしてロクサーヌへの思いをつづる美しいメロディがあります。



フランクに抜かりなし!です。



ジキハイの、どーだどーだという爆発系ではなくて、抑え気味な感じがシラノの人間性とよく合っているんですね。秘めた感じが美しいのです。



あー、「モンテクリスト伯」がスイスで開幕したんですね。こちらは爆発系の音楽のようです。演してほしいなぁ



衣装&照明
とりあえず「騎士」のいでたちです。マントです~っ 活動的な長さではありますが、日生の舞台にたくさんのマント騎士が並んで雄たけびあげる場面など、私にはまさに天国・・・?目の保養? ありがとう!
シラノだけ、ちょっと色合いを変えてたりするのがお洒落でした。ふさふさの飾りをつけた帽子も粋です。



ロクサーヌの髪型が面白かったんですが、きっと当時の流行なんだろうと思って納得。朝海さんの衣装は、恋する女のときの白、喪に服している黒が印象的でした。



照明は、影の出し方がカッコいい。シラノが階段上にあがって背中を客席に見せて立つとこは、フォトジェニック!そのままハガキだなっていうキマリ方です。鼻を気にすること以外、シラノの欠点はなさそうよ。
2幕の落ち葉の場面あたりなどは、赤、黄の落ち葉に光があたって、散りつつも光を放つシラノそのもののような場面構成になっていて、こちらもハガキにしてほしい出来。



役者、特にシラノ役:鹿賀丈史。
もーーーー。カッコよくて参りました。鹿賀さんって不思議なふしで歌いますけど、それが鹿賀シラノの語りとしてうまく合うんですよー。最初に演じる強みかも。山盛りのセリフも言葉から生まれてきたかのように、内から湧いてくるように歌ってしまうところもすごい。たまにヨレてるのも、愛嬌だなと思わせる魅力たっぷり。



ヤなヤツ代表のド・ギッシュ綜馬さんの気取りまくって笑われてるという役どころも、ハマってます。浦井クリスチャンの素直そうな立たずまいもぴったりだし。
友人ル・ブレの戸井さん、再演重ねていくともっとキャラの印象が強くなりそうな気もします。光枝さんもぐっと気持ちを集めるのが上手いですよね。で、みなさんお声が素敵で~





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