2006/03/29

『天保十二年のシェイクスピア』

DVDにて。



作:井上ひさし 企画監修:鴻上尚史 



演出:いのうえひでのり(劇団☆新感線)



上川隆也/沢口靖子/古田新太/池田成志/阿部サダヲ



橋本じゅん/西牟田恵/村木よし子/高橋礼恵/粟根まこと/山本亨



小林勝也/森塚敏/熊谷真実 ほか/   2002年





蜷川幸雄演出のものは、先日WOWOWで放送されてました。蜷川演出版を先に見て、こちらを後になりました。



どちらもそれぞれで甲乙つけにくいですね。どっちも悪くない。



音楽は、蜷川版のほうがメリハリあり。いのうえ版だと、統一感があるけど、1曲1曲が際立つ感じが少ないです。



物語は、いのうえ版のほうがすっきり分かりやすく親切設計でした。三姉妹がどういう立場でからむのかが、冒頭の父親とのやりとりですんなり頭に入ってきます。



お色気度と、役者の派手さでは、蜷川版が上。
ストーリーのすっきり度と分かりやすさでは、いのうえ版が上。



あと、セリフは大丈夫なんですけど、曲になるといのうえ版はロックなんで詞を聞き取るのがちょっと大変でした。テンポも早いし。その点、蜷川版だとギンギンじゃないので聞きやすかった。





役は、もうこれはそれぞれで。



例えば「きじるしの王次」 蜷川版は藤原竜也、いのうえ版は阿部サダヲが。この二人を並べてみても・・・ねぇ 
ってか、サダヲちゃんと誰かを比べるのって不毛。



相手役の沢口靖子が受け止めきれてない~ 



沢口靖子さんの歌はワザと外してるんじゃないんですよね?・・・?? 調子っぱずれってこんな歌のことをいうのでは。うーん、これ本気でこうならかなりマズイですよ。お遊戯会レベルだよ。



あと、人形のような顔で壊れても、面白くないというか。うわべだけって言う風に見えちゃうんですよ。美人も大変。ただし、御嬢の役になると、本当にかわいらしくてうっとりです。可憐! 甲高い声で啖呵きっても迫力がでないんだもん。



リチャード3世な「三世次(みよじ)」。は、上川隆也。蜷川版では唐沢寿明でした。



せむしで顔に火傷のあと、足も引きずっていて、性格もへびのよう。不気味さは唐沢三世次かな。上川隆也は若くてもうちょっと明るいギラギラでした。



言葉をうまく使う役という点でも、唐沢さんのほうに説得力がよりあった。上川さんは意外と暗くなかったんですよ、ほんと意外。



登りつめた頂点で、鏡に映った自分に激突するところは、上川さんのほうが良いかな。まわりに張り巡らせた仮の権力とか、自信とかがぼろぼろっと崩れていくのが伝わります。





シェイクスピアの書いたものを盛り込みまくった脚本。人の名前くらいまではわかるけど、物語だと断片でしか分からないのが悔しいです。



一とおり読まないとね、という気分になりました。



この間、『マクベス』読んだので、次は『リチャード3世』かな。





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