2006/03/24

『12人の優しい日本人』

WOWOWで生中継したものをビデオで。



舞台中継というのは、たぶん生で観る半分くらいしか楽しめないですよね。自分が見たいところにフォーカスされなくて、製作者の意図でズームインしたり、アウトしたり。



だからこそ、せめて「生中継」することで、一緒に観ている雰囲気を味わってほしかったのだそうです。お芝居の前に三谷幸喜が出て来て、そんな話をしてから、始まりました。



あと、生瀬さんが本番途中で(自分のセリフが無い部分)1分抜けてトイレに行ったという話も。ホントですか? 「トイレに行っとけよ生瀬!」と叫んでました。



陪審員1号/浅野和之



一応、司会役のはずなのに、決を採るしか能がない役。



浅野さんって情けない中に厭らしさをにじませたり、憎らしさの中に小心者を混ぜたりってのが、天才的。この役では、想像してたよりもいやらしさは抑え目でした。



陪審員2号/生瀬勝久



「トリック」で聞きなれた関西なまりが引っ込んでて、新鮮だなー。



全員一致でなきゃいけない評決を、「有罪」とひとり言いつづけるキー・パーソンです。「悪い人に見えない」から無罪、というほかの陪審員に対して、論理的に議論をしかけていくわけですが。



最後に、なぜ有罪と主張し続けているのかを、コーフンして言うところがあります。来る来る、と思って見てたんですが、分かってても私もコーフン。君も私情がらみじゃないか、と。



後半、無罪というひとたちを有罪側に誘導し、それを決まりかけのところで江口洋介にぐっと無罪に持っていかれるところ、面白いですよねぇ 人の意見なんてこんなもの・・・と恐ろしい気持ちにもなります。



陪審員3号/伊藤正之



ひたすら栗を剥き、巨大プリンパフェを食べ、みんなのオーダーを取る役。白熱した議論になると、怒鳴ったりするの嫌なんです!と半泣きで逃げ出しかける・・・平和主義者。でも意見も日和見だったりして。



陪審員4号/筒井道隆



朴訥なのか、バカなのか。こういう役が似合うわ。なかなかセリフがないので、いつ喋るのかとドキドキしました。



何時見ても変わらない。けっこう好きなので、じーっと見てました。機会があったらお芝居を見に行きたいです。



陪審員5号/石田ゆり子



論理的を装う、ただのメモ魔。



石田ひかり・ゆり子姉妹は足がキレイじゃない、ということで観ていた人たちと合意しました。あんなに顔が細いのにね・・・きゃーっ、ぞうあし。美人にもウイークポイントがあるのかと思うと、ちょっと嬉しかった。えへ。ごめんなさーい。



陪審員6号/堀部圭亮



お金かけたらしいピンストライプのスリー・ピースで登場。 もみ上げ最高! 舞台初めてだったんですって。それにしては落ち着いてました、顔の濃い人。



陪審員7号/温水洋一



お腹かかえて笑いました。ホント、こういう人いるよー。



有罪でも無罪だな」Tシャツ欲しかった・・・(三谷幸喜/絵)



何で脱ぐの!脱いじゃダメだよう~ とみんなの視線を一身に浴びながら、お怒り顔でシャツを脱ぐ。その下には素敵なランニング。



へんてこな丈のズボンといい、ハッと気づくとネクタイを助六みたいに鉢巻してるし、あぁもう、可笑しすぎ~っ



陪審員8号/鈴木砂羽



一生懸命だけど、いまいち話をじっくり考えるのは苦手。頑張るポイントがずれている役です。砂羽さん好きなので、楽しく見ました。かわいい。



陪審員9号/小日向文世



お誂え風のダブルのスーツを小柄な子日向さんが着てます。それだけで怪しい。お笑い担当じゃなかったから、意外な一面な気がしました。カテコではいつものほにゃーっとした感じで出て来てましたけど。



成功者らしい自信満々なところと、冗談めかしてるけど案外本気で審議をリードしたそうなところとか。いつもの役どころと違うので、面白かったです。



陪審員10号/堀内敬子



自分の意見がない主婦の役。四季で鍛えたキュートな声も、わめき声もよく通ってました。最初はイライラさせられる人なんですが、彼女の「何かがヘンなんだ」という気づきが、この評決を左右します。



陪審員11号/江口洋介



映画版では豊川悦司。まだ舞台慣れしてない感じ。テレビ向きの演技といいますか。



観客と共演者でつくられている、劇場にある呼吸に乗り切れてない。セリフが先に行ってて、あれだけ紛糾しまくってた審議の流れをぐっと変えていく説得力が・・・まだ足りないのでした。これからですね。



その点では、トヨエツの方が胡散臭かったくせにみんなの信頼を集めていく様子が分かりやすかったです。
江口洋介は、かなり爽やかにさらっと見えました。



陪審員12号/山寺宏一



山寺さんの美声が聞けたのは、カテコ終了後の場内アナウンス。「本日は・・・」ってやつです。



妙な(ヨン様風・・・)カツラ被ってて、気になる。サラリーマンじゃないし、どういう設キャラ定だったんだろう。いろんな点でビミョウな立ち位置な役でした。





これって日本に陪審制度があるのは有り得ない、というのが前提にありますよね。それが現実になりつつある時の再演って、なかなか面白かったと思います。



「日本人」らしい情に流されやすいところとか、自分の意見を言うのが苦手とか。これらは笑い事じゃないかもしれない、と思うと面白くコワイお話になりますねぇ



観たかった・・・



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