■ゲスで食えない感じ。駒田一テナのほうが、さらにさらに上を行く気がしますが、かなりの人物でした。
それにしても、三波豊和テナルディエ、DNAでしょうか ステキに良い声で動乱のフランスを生き延びていましたわ。
キャラ立ちしすぎているキャラ設定にもかかわらず、すごくリアルな人物として演じておられるのが好きですよー。
テナ最初の「へい、ただいま!」の返事をするときの顔、最高にイイっす。
声は陽気なオヤジで、表情はくそ食らえ、すごいですねぇ 私もこれくらい表情のコントロールが出来たらいいのにと羨ましいくらい。
テナルディエのオヤジの脳内には、雲の上のような妄想世界は一ミリもないでしょう。全て現実のなかで人生は展開、神の視点など気にならず今日を生きることに全生命力を惜しみなくそそぐ、したたかさ。
・・・私にないものばかり!
バルジャンは神の国に行ったし、ジャベは神にそむいたために天国へは行けなかった。あら? じゃ、テナルディエはどうなるのか、ふと考えてみました。
たぶん、天国の不良門番に袖の下を渡そうとしてますね~ いつもどこでも、最高のコスパを求めて行動していることでしょう。
■笑わせようとしない。
笑ってくれよ、とか、笑うシーンだよっていう方向を客席には強要しないテナでして、いいバランス感覚をお持ちだなぁと感心。この加減が私の好みと合わないときは、しらけてしまったりする。
何せ、どんなにおどけても、私はバルジャンが幸せになってほしい一心で舞台を見守っているので、テナルディエに共感するなんて余裕はないわけですよ。
でも、テナに求められる役目って、神の心だの法律だ、市民のためだ・・・とお題目を唱えるバルジャン、ジャベール、アンジョルラスらを尻目に、
生きるってこうだ、命を大事にってこうじゃん、というたくましい人間として彼らの対極に位置しなければいけません。
かといって、大人物のような貫禄はなくていい・・・ ね、難しい。
これまで、テナルディエはお笑い担当のように見えてたことが多かったけれど、ここ数年のテナ役者さんたちは、この役をより面白く、深く、重要な人間として表現されてきてますねー。
ブラーボー!
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