2008/12/02

『エリザベート』11/11-12 10 災いの種はお前自らがまいたのだ

ちょっとねじを巻かないと。次の観劇が来ちゃう



■キッチュ、カテドラル
ルキーニ高嶋お兄さんの変化も見逃せない2008エリザとなってまして、狂言回しの部分はしっかりと引きつけて、他の役者さんたちやオケとの間もしっかり取ってます。しかも、ご自分のお歌のパートとなれば、いい声が出るんです。
私は高嶋政宏さん、というとオルレアンかルキーニか、いいとこピーチャム(ベガーズオペラ)という位で「歌」よりも「セリフ」なイメージが強いし、そのセリフもテンションがおかしい・・・というイメージ。
今回は、セリフも歌もうまい! 気負い感がないけれども、緊張感があって、集中してます。慣れてきた、その先に進んでいる感じというのでしょうか。



■エーヤン
きゃーーーーっ コスプレイヤー閣下、御者バージョンです。もこもこファーがついた上着が活動的。1幕に引き続き、余裕あり気な表情で「あ、いい気になってるよねぇ・・・今のうちだけだぜ!」、上手からご登場~♪ 金髪と茶系の衣装がいい感じだなぁと思うんですが。どう?



災いの種は お前自らが蒔いたのだ!
もう誰にも歯車を止められやしないさ!

↑すごく好きなトコなので書いてみた。字数が多いですよね。舌も噛みそうだけど、当然のことですが閣下は一度も噛みません。ふふ。
たたみ掛けるようなメロディと、歌詞。最後の「止められやしない さぁ~」のさぁ~で、いつもバッタンと倒れてます。座席に座り続けているのが奇跡だというほどに、頭のなかは真っ白ですよ! キターッ!とか?そんな気分です。
そして、何故だか私ったら、ついつい笑顔になってしまうんです・・・・息子を見守る母ってほどじゃないなぁ、近いけど、ちょっと違うような。ついつい笑顔って、つまり嬉しすぎ?



ところで「お前自らが」ってどのあたりかなぁと思いつつ、何だかはっきり分かりません。皇后になったことでしょうか、息子の教育を人任せにしちゃうことでしょうか、閣下を選ばないその態度でしょうか?



今だけだぁ~とさらにたたみ掛けるルキーニの歌声も、明るいメロディにだまされそうですが残酷です。華やかになるほどに、シシィは大事なものを失いつつあるのですよ。



■私が踊る時
全く、2幕は怒涛の展開(話がというんじゃなくて、見所いっぱいってことね)で、心臓がコーフンで疲労困憊してしまうな。
「私が踊る時」、御者のフリしてる閣下に気づいたシシィの顔がたまりませんよ!「勝ったのね!」って! 自信に満ちたシシィと、ますますそんな彼女を手に入れたくなった閣下のデュエットです~っ



掛け合いで進むデュエットの面白さと、歌詞の面白さ。
飛ぶがいい/飛ぶわ/鴎よ/私/嵐の夜もそばにいよう・・・
こんなに愛されていながら、「命果てるせつなも一人舞う」とは。もったいない。ああもったいない。嵐の夜もそばにいるのかぁ(死にそうだから?)~いいなぁ
邪魔しないで!」とかさ。仕事中にヘンな人を見かけたときにも使えますよー。手袋を嵌めた手で振り払うと尚良し。



そんなに強く拒んでみせても いつか俺を求める
手を取って俺と踊るんだ俺が望むままに好きな音楽で

↑でへー。ケンカ越しのような二人ですが、閣下の強気な愛の言葉はさらに自信に満ち満ちておるのでした。



シシィがいつ「死=トート閣下」というものを認めたのか。この場面が「死」を認めたところなんじゃないかしらと思います。
けんか越し、というか会話を成立してる(お互い言うだけ言っててかみ合ってるワケじゃないですけどね)のは、認めたから。その上でまだ自分には無関係なはずだ、と振り払ってます。
いつかの死の際であっても、すべて思うままにする、と思い上がっているんです。シシィが「誰でもよかったんだ!」というルキーニに暗殺されることを思うと、思い上がっちゃだめよぅ~と哀しくなるわ。



馬車の上で面白い腕の運動する閣下、カッコよいです! 御者にあんなに見詰められたらどうしますかー。馬車から落ちるでしょう・・・
いつの間にか、舞台は二人きり(そっと去っていく皇帝陛下が寂しい)
仁王立ちで、勇ましく美しくたくましくなったシシィと歌う閣下の姿、声、ともに眩しくて、私はどちらを見ればいいのか迷ってしまうしで、大変です。あんな風に立ってるだけで素敵な人になってみたいよ・・・まず背を伸ばす・・・・か。



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