■阿知波さんは「老女」役・・・正確には「おしりが半分の老女」
こんなにヒドイ目に遭った人はいない! でも元気にしてるところが、魅力です。
たくましさで生き抜くっていうよりも、何もかもを失っていても、生きることだけは手放したくない根源的な欲望が勝っている人物でした。生きるのに意味なんかないよっていう見本ですね。
バングロス先生がちまちま意味を見出そうとしてる横で、ともかく生きること以上も以下もない、生きることを疑わない姿は清清しい、そしてとてもステキ。
女性のたくましさを見てるようで、好きなキャラでしたー。
その気になればいいのよ~♪ スペインに逃れて、溶け込むたけに歌う場面、楽しそうでした。オトナ的余裕があって、舞台が落ち着くんですよね。
■村井さん、渋し。
先輩格お二人目。これまた・・・汚い格好で! 『ベガーズオペラ』を思い出す。
掃除夫をしている現実主義者、渋い。実体験が人生哲学になっている人物、たまにズルそうなところも、オ・ト・ナ。
■実は1番気に入ったかも、マキシミリアン・坂元健児。
あれー、あれー。すっごく似合ってました! 男好きな元領主の息子。いやーん。
ゲイの道に開眼した流れなど、国を追われてから今までを語る場面、可笑しくて可笑しくてムフムフ笑いっぱなしでしたー。
こういう才能もあったのですね!サカケンさん。鍛えているからこそ、妙に似合ってしまうのもツボです。
■「完全に日本人」のカカンボ・駒田一
外さないわね・・・駒田さん。恐ろしい子よ!
唐突に出会った感、そしていつの間に忠実な僕に?? カカンボとキャンディードの結びつきがどうして成立したのか、分からないままでした。
いろいろ分かってそうなのに、どうしてキャンディードに尽くしてるのか不思議でした。どうしてだったのかしら?
亜門版では坂元健児がやってて、この時はそんなに違和感は感じた記憶はないのです。きっと駒田カカンボが、理性的で落ち着いた雰囲気があるからではないかと推測。
■クネゴンデ・新妻聖子。
ひたすらキイが高いので、大変な役だったかと思います。きれいなもの、キラキラしたものが好きなお姫様なクネゴンデが、生きるために娼婦にもなります。
恥ずかしさと、生きるためよ!という二つの気持ちが混ざり合うGlitter And Be Gay♪ 身もフタもない内容を、美しく軽やかに歌うところに、凄みが出る歌なのかな?と予想してたのですが、聖子ちゃんはわりとまじめに歌っていたので・・・
身をやつしても、恥ずかしいと歌っていても、可憐な感じでしたね。
私の印象なんですが、新妻さんは役を自分のものにするまで、けっこう時間がかかるタイプかなと。しかし、一段上がったとき、すごく深く表現してくれていると思ってます。
再演でもう一度出来たら、きっともっと豊かに表現できそう。
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