ムフフフー、ファヴェル@吉野圭吾さん
■登場は背中で。D夫人には登場するなり「出て行ってファヴェール」と言われる厭ぁな男。
レベッカの寝室での二人のやり取り、微妙な距離感が面白いです。小さいときからお互い知っているのだけれど、ファヴェルがダニー♪と近寄るようにシルビアD夫人は距離を詰めない。
ただ、今までのマキシムに対する態度とは全然違って、ファヴェルに対しては親しく気安い関係というのは分かります。
出て行って、というのもお願いじゃなくて、ほとんど命令ですしね。彼女にとってはレベッカのいとこであっても、レベッカ以外はあまり関心なさそう。
鏡台の周りを物色する丸まった背中に、いいスーツ着てるっぽいが、うわぁこの人セコそう・・・という哀愁が。
さらに「小箱、箱・・・と」しつこい。レベッカの1番の愛人だぜーとか言いつつ、自分のことだけじゃん。下品すぎておえっとなります。下手方向に移動するD夫人を追いかけるように来て、「箱くれよう~」とすがるファヴェルの姿、ほんと最低だわぁ
人との距離感って図々しくて、近い。圭吾さんあんなにカッコいいのに、この場面になって数秒で嫌なやつの烙印が押されます。うーん素晴らしい。
しかも、レベッカはこんな下衆な(しかも従兄弟って・・・何となくヤダ)愛人がいたのか。レベッカって、そういう人?という疑念、低く不安定なメロディとともに、観客に提示されます。
それ、マキシムどこまで知ってたの?とも。うっすら妻殺し疑惑まで浮上です。
■違うわ、愛されていただけ♪
ファヴェルが1番の恋人♪と言ったところに切り込むこの「違うわ♪」がたまらなく好きー。
前のシルビアD夫人だと、わりに対抗して言ってるようにも聞こえてたように思うんですが、この日の印象は余裕しゃくしゃく、です。何言ってんの、ありえないからーって感じですか。
二人の噛みあわないデュエット(かなぁ)、シルビアさんがイラつきをほとんど込めずに氷のようにクールにファヴェルに言うようになったのが、新鮮でした。
余計、コワイかも。感情を出さないっていう通常の態度じゃなくてー、レベッカ以外と話すときは全部コレ??感情が動くこともないのかもとか、色々考えちゃいます。愛想はなさそうですけれど、ここまでクールなのは個性を超えてるよー。
相手の言うことを聞いてなさそうなのも、関係性がうまく出てますしね。
誰にも心を許さなかった、との歌詞にはゾーっとします。あー、マキシムにもだったのだな、男の愛なんて・・・意味などない♪ って。
マンダレイの女主人ってどんなのだったのか? どんどん悪魔の顔になって来ますよー。
■ベッドに寝そべるファヴェル、セ・ク・スィー!!
あー、いやん。どうしたらあんな風に色気出して寝転がれますか。ガウンの袖をうやうやしく持って、匂い嗅いでる! そうよ嗅いでるのよねー。
で、何を思い出してるのさーっ うわわわ(書きませんけど、にゃむっとそういうことで)。
マキシムも住んでる屋敷で?そんな! 最低・・・ケガラワスィ・・・
■チュッ
扉の向こうにいたのはイッヒ。どこまで聞いてたのかは分からないのが、ちょっともどかしいなぁ
だけど、このやり取り自体をこの後イッヒが取り上げることがないし、すぐあとの本人のセリフで、話し声が聞こえた、とあるから内容までは分からなかったと見るのが良さそうです。
自分の知らない男が、D夫人と部屋にいるっていうのはおかしな状況ですが、真っ先に「あの、ミセス・ダンヴァース・・・」と声を掛けるあたりに、いまイッヒがD夫人を大きな存在に感じていることが伺われます。
コワイのね、言い訳する子どもです。爪噛んじゃダメッ
礼儀正しいイッヒでさえも、チューっと手にキスされて、「ヤダー!」と思ったことは伝わりますよねー。うへえ。あの手、洗ったかも・・・状況が違えば圭吾さんからのキッスなのに!これは私もヤダーなキスだわぁ
■去り際も、しつこい。
そうだな、ダニー・・・の言い方、芝居がかった感じから、普通に話してる感じに変化してました。普通にすると、ファヴェルの最低男風味にさらにリアルさが加わって、平面から立体的な人物になってくるものですね。
再演を観ると、こういう深化の仕方を見ることができて、たまらんです。
ぷっ レベッカの部屋を去るときのしつこいアピール、とことん粘着質な雰囲気が。でも、かっこいいなぁ~ 拍手送りたいけど、そういう場面じゃないのばっかりで残念な圭吾さんでした。
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