2010/05/24

『レベッカ』5/23-1 こんなになるなんて思わなかった

ダンヴァース夫人:シルビア・グラブ
わたし:大塚ちひろ マキシム:山口祐一郎 
ヴァン・ホッパー夫人:寿ひずる フランク:石川禅 ファヴェル:吉野圭吾
ジュリアン大佐:阿部裕 ベン:tekkan ジャイズル:KENTARO ベアトリス:伊東弘美



お屋敷らしい空間の広がりは、帝国劇場に移ってこその表現に。天井からゆったりと落ちているカーテン、キレイでしたね。



23日はシルビアさんの楽日ということで、ちひろちゃんの第一声は前日よりも丁寧な感じ。



そして祐一郎の「あなたはお好きですか モンテカルロは?」の話し声には艶が!艶!キャー!! 元気になってるー。ラブ。



このあたりで、確信してました。今日の公演はすごく調子がいい。



あとはシルビアさんね、と思っていたら、出たー。隙のない装いでくるりと振り向いて「誰が来ようとも決して認めない♪」の声に、ガツンとやられてますます気合。



気合が入っているが、勢いで演じるのではなく、深くコントロールされた状態のまま、この日のカンパニーは最後まで上演したのでした。



まさにサスペンス映画のように、レベッカをめぐる不安感、不信感、愛、事件の謎・・・ああ、本当はどうなの??というじりじりとした気分を十分に起こさせてくれました。


私も含め客席にいた多くの方は結論を知っていたと思うのですが、それでもなお、疑惑が提示され、明かされ、騙され、という展開をはらはらしながら見つめたのではないかと思います。


クリエで見たとき、祐一郎さんの大きさが舞台からはみ出して(演技のタイプが大劇場向きなのだわ)たり、圭吾さんの踊りがもったいなく見えたり。お屋敷と調度品がマンダレイにしては貧相だったり・・・でした。
全体的には好きだったけれど、一体感までは感じなかったのですよね。


しかし今回、ひとつの物語として『レベッカ』を観たのでした。


どの役者さんが欠けてもダメだろうというくらい、それぞれが役を全うして、ひとつひとつのピースを担ってます。


禅さんは、よりマキシムとの絆、「わたし」への期待、ファヴェルへの嫌悪を。そしてマキシムを一瞬でも疑っていたのではないかという「自殺・・・だったんですね」の言い方に、震えました。2回とも感じが違って面白いなと思ったの。


圭吾さんは、大劇場で存分に華麗なステップに厭らしさをのせてます。


カッコいいのに最低男。ってすごいですね・・・たいてい、どちらかだけになっちゃうでしょ?


ファヴェルの恐喝未遂があるので、レベッカの手帳が取り出され、結果として事件の夜のレベッカの様子が分かるのですから、ファヴェルは重要な役まわりなわけです。そのことをこの回ではっきり分かりました。


ホント、前回はうるさい男、みたいに思ってたんですよねー。サスペンスストーリーとして捉えると、ファヴェルはキーパーソンなのに。気づかなかったわ。


・・・つづく。


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