WOWOWで正月に放送してた『ドラクル』と『ロマンス』を実家でつづけて見ました。
『ドラクル』長塚圭史作・演出
市川海老蔵、宮沢りえ、永作博美、勝村政信、渡辺哲、手塚とおる、山崎一・・・ほか。
『ロマンス』井上ひさし作、栗山民也演出
大竹しのぶ、松たか子、段田安則、生瀬勝久、井上芳雄、木場勝己
■好みでは、断然『ロマンス』。ピアノの音楽も素敵。
キャストもそれぞれ持ち味が引き立ってて、小さなお話がつづいてチェーホフの生涯を展開させるつくりも素敵でした。井上芳雄くんが出てたのも、気になってましたが、心配したよりずっと伸びやかで良かったです。落ち着きが出てきたような。もうオトナなんだなぁ
ほんと、どの役者さんも素敵でしたー。女優お二人は貫禄です。松さんは、全身からキラキラのオーラが眩しすぎ・・・ どうなってるんですか、この方は! 実際に見たら眩しくて目が開かないかもしれない、と思うくらいに輝いてましたけど。
段田さん、生瀬さんの中年~チェーホフがなかでも特によかった。お医者の立場から、検死の所見を改ざんしようかと笑っている段田チェーホフ、いやー、いい! 自殺した男の遺書のくだりでは、涙がにじみます。
生瀬さんの歌も、味わいがあってじーんとしました。サハリン♪って言うたびに、胸の奥がじーんとしました。ロシアというと、寒くて貧しくて、諦めムード、というのが私のなかのイメージですが、ますますそのイメージが濃くなるお話でした。
ロシア人のメンタリティって、どういう感じなんだろ。さっそくチェーホフの作品を読みたくなりました。舞台でも見たことがないので、すごく興味が湧きます。
■『ドラクル』は、収録のカメラというか、そのあたりにも何だか不満が残ります。きっと、私のみたいと思うツボと全然違う方が編集なさったのでしょう。う。
海老蔵吸血鬼レイの苦しみは、出発点も、そして再び吸血鬼になってしまう経緯も純粋なもので、哀愁ただよって切ない。血まみれで哀しい存在でした。しかし宮沢りえ演じるリリスのドロドロが映像では思ったよりドロドロ来なかったです。子殺しはもっとドロドロしてていい。美人すぎるのか?
あと、これは今日気づいたことですが、海老蔵さんの声って高めですか!? 意外と色気なくて、あららと。懺悔の日々では色気がなくても分かるけど、再び血をすすったときも変わらなかったようでした。宮沢りえも、聖女らしくふるまうときの声、あまり好きじゃないなぁと。
切なさやドロドロは、この2人より勝村&永作のほうが共感しやすかったです。嫉妬とか、弱さを抱える人物です。ついでに、やはり声もこちらの2人が良かった・・・ 色気もあるし。
そうそう、山崎一さんはよかった。佇まいやら、お声も良いんですね。彼には彼の哀しさが出てました。
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