2008/01/21

『スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師』血のり祭り

SWEENEY TODD: THE DEMON BARBER OF FLEET STREET



ティム・バートン監督 2007年 アメリカ 117分
ジョニー・デップ ヘレナ・ボナム=カーター アラン・リックマンほか



☆☆☆☆ 画面をじっと見てると血でうへっとなるので、マイナス1



■血みどろ、どろどろ



肉が切れる音とか、血があふれてくる音とか、できればあまり聞きたくない音も容赦なく聞こえるのが映画ならではでした。うへえ。血しぶき祭りでした。
バートン監督、もうどんどんやっちゃてください!です。



基本はセピア風にグレイトーン。オープニングからこの血がべっとり滴っており、この調子で血みどろなんだなぁ(血が苦手だ)、気力をみなぎらせて朝イチで鑑賞しましたヨ。
血の色のハイライトのために、ダークカラーにしたに違いない。



■ジョニー・デップの声♪



CMでもガツガツ流れてますが、セリフの時との距離がなくて、いいです! そしてあの悲しそうな目にやられっぱなしの2時間。
妻子への愛ゆえ、極端な無差別殺人にまで手をのばす彼ですが、罪の意識すらないくらいに愛していたのよね。あわれなりよ~。 ヘレナの声も表情ゆたか。終始、ベンジャミン・パーカー(ミスター・トッド)をただただ愛していて、切ない。



ヘレナは品があって可愛らしいミセス・ラベットですね。小さな小さな夢を叶えたいの、と可愛いくもあります。「By the sea」♪は映画ならではの鮮やかなシーンでした。
ここと、トビーと暖炉の前で話すとこ、ベンジャミンの幸福な時代、だけが暖かい色でした。



ミスター・トッドが損得で彼女の側にいるっていうよりも、ただ復讐のために必要としてるかららしいのが、報われない愛情です。うう。



■アラン・リックマン
彼の歌も低くてささやく感じで、良かったです。たまにスネイプ先生の顔が浮かんでしまいましたが。



うぎゃー、壁の穴からジョアナを覗くとこは、決して他人には見せられないお姿~ イヤーッ!最低!な男っす。この役はとにかく厭らしくあってほしい役でした。もっと見かけは高位っぽくても、下品であってほしい。アラン・リックマンは恋する男はみな奴隷、という感じ? ねちっこい執着心を出してくれてました。



■サシャ・バロン・コーエン
コメディアンの方だそうですがー。濃かった。お衣装も青に紫で、色味のない画面で一輪の花のようでした・・・はないか。
鉄瓶でぶん殴られても死なず、チェストからはみ出た手(この手、指が長くてキレイでした!)がひょこっと動くユーモアが好きですよ。ふふっ



■アンソニー、トビー、ジョアナ。
かわいいなぁ新人ということで、HPでも情報がないのですが、キュート★でした。



アンソニー役の方も歌の経験あるのかなぁ いい声でしたよ。ジョアナ♪
トビー役の子も歌がとっても上手。くりくりの目もかわいいし、ミセス・ラベットに「守ってあげる」と言うとこなんかいじらしくて。たまりませんっ



いままでのバートン監督のユーモアとか、あの音楽に馴染んでいると、ちょっと楽しめるポイントが少ないかもです。



アンソニーとジョアナはちゃんと再会できたのか?ってのが気になりました。妻を手にかけてしまった恐ろしさで娘のことは忘れちゃったのかもしれないけど、その前からジョアナのことは判事を殺すエサかよ!って感じだし。
殺すことに躊躇なくなったミスター・トッドが勢いで妻に手をかける流れ、哀しすぎですーっ



舞台だと演出家の意図があるにせよ、舞台のドコに注目するかは観客の勝手ですよね。それが映画では出来ないんだよなぁ、だから映画なんですね。利点で欠点で、というか。



アンサンブル、に相当するものは映画にはなかったのが少々残念。合唱好きなので。ミュージカル映画じゃなくて、ミュージカルだったものを映画版にしましたというのが良く分かりました。



映像あったほうがお得だと思ってましたが、この血みどろを再生しまくるのはツライかもと思い直してます。
サントラ盤にしようかしら・・・悩み中。





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