2012/06/18

『エリザベート』5/12-16 ムズカシイ

ルドルフを死なせてしまった・・・と慟哭のシシィ。



痛々しいが、何か違和感があって、やはり瀬奈シシィは若さが見えるのですよね。声質や立ち居振る舞いのせいだと思います。



ちなみに、慟哭場面では、涼風シシィのすさまじい慟哭っぷりが今でも耳に焼き付いてますね。見ている私の身まで裂かれるような気分に。この方は、全身女優・・・・



闘魂系シシィと思って見てきましたけれど、ここでも体育会系の嘆きに感じました。たとえるなら、ドーハの悲劇的な気分といえばいいかしら。
シシィはすでに勝利はとうの昔の記憶でしかないけれど、目の前で未来が奪われた感触が、どうも体育会系です。



それより、こんな時であっても皇帝陛下と手を取り合えないシシィが・・・何とも強情だなぁと感心します。



閣下、面白い出方だった



すでに、細部がおぼろげなイメージになりかけているが、必死に思い出す閣下のお姿。



窮屈そうに出てきたように記憶しているが、合っているのか? 心配です。いつものように、ぐわーんと登場じゃなかったのは確かなんだけどな・・・ううむ。



死なせて~♪と歌う瀬奈シシィだけど、私には本心には見えなかった。一時的な逃避で、絶望にあっても、死にたいわけじゃない、という点では一貫した態度を見せてくれてたと思うな。



それを、閣下は当てつけみたいに「まだ、私を愛してはいない~っ!(ヴァ~!)



と、押しやってしまう。瀬奈さんならば、そう、死にたいとは思ってなさそうな生命力を感じたので、そのとおりだよ、と思う。



しかし、最後の焦らしみたいに黄泉の国に連れて行かない閣下の駆け引きが、ニクイのであった。今年の閣下はやり手!



■キッチュ


ハハハハハ♪ 高嶋ルキーニの語りも、ますます乾いて、意地悪さをあらわしたものに。茶化すよりも冷静に物語っているルキーニでしたねー。


あんなに嘆いているシシィの裏側を語る場面、こんなに辛いのに、こうやって意地悪く言われてしまうのも、辛い立場だなと気の毒にもなります。


ランデブ~♪ はきれいに流れますね、お兄ちゃんの声。


■夜のボート


禅フランツの優しさが!こんなに愛が溢れているのに、とても寂しい。シシィもそれをわかっているのに、国王と皇后の立場が邪魔して、ひとつのボートに乗れないのね。


愛はどんな傷も癒せる、というフランツと、愛にも癒せないことがある、とこたえるシシィ。


フランツの言う言葉を聞きながら、どうしても受け入れられないシシィの強情さというか、潔癖さに、おののくばかりです。
そして、優しさだけでは男女の愛は成就しないのだなぁとも。ムズカシイ。


何を大事にしたいか、があまりに違ってしまって、どうやっても一緒には生きられない。


禅さんの優しい声、かつ老けた声を聞きながら、相手がミラクルボイスの禅さんだと、瀬奈シシィの張りのある声が、あまり合わなくて、それはちょっと残念。


瀬奈さんの声もきれいに出てたのだけど、声の表情がまだ色とりどりではないのです。きれいに歌えた、よし。というところで。
禅さんの出す<深み・コク>とでも言うものが、まだ醸し出されないなぁと。


ただ、歩き方はけっこう老けたようにしてました、瀬奈シシィ。もうひとつ、殻を破ってほしい感じです。






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