2011/10/23

『オペラ座の怪人25周年記念公演』映画 濃厚でハナヂブー

「オペラ座の怪人」25周年記念公演@ロイヤル・アルバート・ホール(日本語版公式HP) 映画館での鑑賞です。



うーん、もう、スニッカーズ3本くらい一気食いしちゃったくらいの濃厚こってりな食後感です。もう、おなかいっぱいでござるよ。全体に祭りな気分があって、衣装も映像向けになってるのか細部までゴージャス、劇場に合わせて(7000人収容)セットも大きいし、演技も大きい。いやもう、大変な濃度であった。



歌は、クリスティーヌ役のシエラ・ボーゲスが特に良かったです。自分の力で立とうとするクリスでした。最初は、ちょっとキイが低いのかなと思ったんですが、地下でのデュエットも大満足の声。気丈さがあって、応援したくなるクリスでした。



ファントム:ラミン・カリムルー(http://www.raminkarimloo.com/)と
ラウル:ヘイドリー・フレイザー。
お二人ともバズーカ系歌い上げ派であって、四季のに見慣れていた私にとっては、心の細部の表現がのう・・・などと思うところもありました。が、この大劇場であれば、あのくらい盛り上げて歌ったくらいが合うのかもしれない。とにかく、祭りだから。



ファントム、でかい声は出るけど、抑え気味に歌ってるほうが安定して色気も出てます。切なさが出るのね。ただドカンと歌い始めると、一本調子っぽくなるのが玉にキズだ・・・。声に奥行きがでてくれば、10年後、きっといい声が出てると思う~!(1978年生まれ、いま33歳、わー、年下でしたか。「レ・ミゼラブル」25周年コンサートでアンジョルラスでした。これは良く合ってたよ



クリスに恋して、叶わない辛さは、こういう男っぽい声のほうが、三角関係の雰囲気がうまく出てました。声のコントロールがうまくなればもっとよし。



ラウル、すっごい「王子様」な容姿でしたが、歌い始めると男っぽい。これまた四季のラウル役はおおむね心は熱くてもひ弱そうね・・・という方が多いのですが、こちらは武闘派ラウルでした。声質も、ファントムと似て体格のいい人の声なのね。
彼のほうが声量上げても声はブレてなかったな。大声な分、ややクリスを愛の力で勝ち取ったっていうより、声で圧倒して説得してる様子に見えたけど。イヤな感じはなくて、こういう男っぽいラウルも案外ステキです。


ファントムと揃うと歌合戦・・・・ ただ、他のキャストも負けず劣らずの声量だったので、打ち上げ花火佳境って感じの状態。ドカンドカンドカン!


ポアロがいるー。
いやでも、そんなはずないよね。ムッシュー・ファルマン役の方がデヴィット・スーシェ@ポワロに似てたです。
ムッシュー・アンドレとの役割分担もきっちり出来てて、良かったですね。


■華麗なダンサーに目が釘付け。
ハンニバルでの跳躍と回転が、すばらしくてびっくり。さすが25周年だー。目が離せませんっ
Sergei Polunin カテコでもソロで呼ばれてたので、有名なバレエダンサーかな、あ、英国ロイヤルバレエ団のプリンシパルとのこと。おおー。


セット
馬蹄形というのかしら、舞台の真横にも客席がついてるので、方々から見えるよう、舞台の左右も開いてる形です。
地下の湖に浮かぶ燭台が映像でした。そのへんは、うまく最新技術も導入。


■祭りだよ。全員、生身だよ。
まつり仕様としては、曲線の階段は左右にあり、マスカレード♪時には、中央にも階段が登場。全員人形じゃなく、どんだけ居るの!ってくらいぎゅうぎゅうに仮面つけた俳優が登場してゴージャス極まれり、でした。
ただ、きれいな映像に字幕被せるのどうにかして! 昔の映画って、人にかかるときはたて書にして画面横に字幕つけたりしたよね。せっかくの映像に字幕が被ってたのが残念でした。ひどい。


クリスが誘われる鏡も巨大。映像が映る仕様で、巨大クリス&ファントムが映ってました。祭りだな。と。


オーケストラは、舞台の上部。指揮って舞台上のキャストに見えるようになってたのかな・・・? オケも人数が多くて、音に厚みがありました。


カテコではロイドウェバーが登場、うまくないけど司会も。おおー。
オリジナルキャストも勢ぞろい、しかもサラ・ブライトマンがここでThe fhantom of the Opera 歌うとは。すごい強心臓だなと思いました。ああ、いま聴いたばっかりの若々しいクリスの声と聞き比べてしまうな。当時のサラならば破竹の勢い、誰にも負けないものがあったのでしょう。いまは、もうあの声はないの・・・ 気合で乗り切ってたのも凄かったんですが。


一緒に歌ったのが、歴代のファントム役の方々。順々に歌って、最後のパートを担当した方の声が非常にセクシー。John Owen-Jones  youtubeなどで、声が聴けますよー。バルジャンも演じてるようです。どこまでも美声系の方で素敵。


Colm Wilkinsonも歌ってくれて、この方は初演バルジャンで聴いてますが、相変わらず負けず美声でした。


■で、何を思っていたかというと、
ここに祐一郎連れてきたいー! です。このファントムなら、断然、祐一郎ファントムで行けますよ。体格でも、身のこなしでも、ロンドンの観客を熱狂させられると思ったわ。見てる最中から、勝手に祐一郎で脳内変換してニヤけたほどだ。


祐一郎の秀でたところは、高音と低音の上がり下がりがスムーズで、高音が裏声っぽくならないうえに、低音が細胞まで震える響きを保つこと。声を張っても、地声みたいにならないこと。素晴らしいよね・・・ほんと、これはなかなかめぐり合えない声だと思う。


あああ、祐一郎~ 四季にゲスト出演とかしないのか・・・しないな。東宝、ロイドウェバーに直談判して短期間の公演でもいいから、権利もらえないのかしら~? 
もう、祐一郎ファンの希望募ったら、ベストテン入りする希望だと思うんだけどな。
(ちなみに、私は祐一郎ファントムを見てません。山口祐一郎さんという人がいるのは知ってたけれど、劇場で会えたのは<沢木順>か<芥川英司>でした。うぉぉー)



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